【高学年】修学旅行はみんなでつくる⑥ 自分たちで1から企画したイベントを実施したい!


子どもたちがつくる修学旅行。
その企画段階からの様子を、少しずつ書いています。
資金集めのエピソードは、ようやく今回で最後です。

ひとつ前のエピソード 第5話
【高学年】修学旅行はみんなでつくる⑤ スーパーボールすくいのお店をするために、何が必要?

 


旅の資金はできた。
でも、もうひとつイベントをするつもりの子どもたち。

これまでに、フリマ2回、多民族フェスティバル出店で
すでに目標額を達成した高学年の面々。
もう資金集めは充分じゃないかと思いきや、
7月の時点で計画していた「高学年のイベント」をさらに実施する方向でことは進んでいきました。

しかし、
そのイベントが開催されるまでには、いろんな課題が…

 

課題その1
企画ミーティングがなかなか進まない

企画メンバーは、4年生2名、5年生、6年生の合計4名に決まりました。
9月の時点では、直前のフリマのことで気を取られていたのか、
まだ話し合いは始まっていませんでした。

9月の終わり頃、ついに話し合いが始まり、
イベント実施日は11月6日(月)の午後、ということになりました。

気になるイベントの中身は、低学年対象に学校の中で行う、
遊びのブースと、鬼ごっこ大会のようなものを考えていました。

それに対し、スタッフからは
「危ない種目にならないか、お金がある人だけ楽しめるイベントになっていないか、どこまで参加可能とするのか」
についてどう考えているのか、と意見がありました。

ところが
なかなかメンバー内の話し合いが進まなかったのです。

その理由の一つには、
同時進行で別企画の準備も始まっていて
(修学旅行とは別に、オリジナルコマという子どもが考えた学習時間(コマ)の企画です)
その企画メンバーがここのメンバーとも被っていたということがあるのではと思います。

「やりたい!」
という気持ちがあって、それに取り組める環境なのはとてもいいのですが
同じ時期に複数の役割を担うことになるとすごく大変。
なので、自分のキャパを考慮して役割を引き受けることも大きな学びの一つになっています。

 

課題その2
企画メンバーの中に、話し合いをしたくない人がいた

さらに話し合いを困難にさせていた原因として
話し合いをできるだけしたくない人がメンバーにいたことがあります。

基本的にイベントの話し合いはスクールワークの時間にできるはずなのですが、
全体で話し合うべきことが多すぎて、時間が取れず
結局昼休みなどの休み時間に話し合いをすることになってしまうのです。

「休み時間は遊びたい!」
と主張する人がいると、なかなか話し合いの時間を作ることが難しかったのではないかと思います。

「イベントの企画っておもしろそう!」
と思って入ってはみたものの、話し合い話し合いでいやになってしまった人もいたようです。

ある日、昼休みの屋上でお弁当を食べながら話し合いをしていた時、
6年生が、その人に対して、
「(イベントで)何がしたい?」
「(話を聞いて)そうなんや…」
と、とても粘り強く話しかけていた姿を見たと、あるスタッフが話してくれました。

 

課題その3
時間ギリギリだったため、内容の共有が不十分だった

企画メンバー内での話し合いがうまく進まなかったために、
クラス全体への決まったことの共有も、
開催予定日の2週間前と、かなりギリギリとなりました。

イベントの名前は「イベント・ミニ冬祭り」
内容は、多目的室でやるのは、輪投げと射的、フラフープ。
オリジナルキーホルダー販売。
ホールでは、サバイバルドッジボール。

高学年全員がどこかの役割に入って、
それぞれゲームのルールや景品準備をすること。

前にスタッフから確認されていた、
「危ない種目にならないか、お金がある人だけ楽しめるイベントになっていないか、どこまで参加可能とするのか」
という点については、
危なくないように、ドッジボールはホール内でやること
お金がなくても楽しめるように、輪投げを無料にすること
低学年や保護者の人にも来てもらえること
と、全てクリアしていました。

これでようやく、みんなが準備に取り掛かれるようになりました。

 

こうして、なんとか当日を迎えることができました。

が、しかし。
いよいよイベントスタートまであと3分!というところで
オリジナルキーホルダー販売の場所が、多目的室からキッチンに変更となり…
キーホルダー担当者は、出来上がったお店を急いで移動させなくてはいけないと言う事態になりました。

なぜ、こんな直前すぎる変更が起きてしまったのか。
それは、企画メンバーと担当者との情報共有の甘さが原因でした。
企画メンバーは、一連のイベント情報を文字にして共有していなかったのです。
しかも、伝えたつもりになっていて、伝わっていなかった。
今回の企画メンバーはみんな、しゃべるのが得意で書くのは苦手な人たちだったのです。

 

イベント自体は成功。
ほっこり、わいわい、楽しい時間を低学年に提供してくれました。

サバイバルドッジ。 これはすごく考えられたゲームで、とてもおもしろかったです。 大人も子どもも一緒になって大興奮でした。

 

いろいろと課題のあった今回のイベントでしたが、
すんなりとことが運ばないことは、むしろ学びのチャンスがいっぱいあって
いいことでもあるなあと感じました。

つづく。

(A.M)