高学年のテーマ学習
「エネルギーのひみつ」の学習発表会を開きました。
そもそも3学期は短い上に、2月に体調不良で続々と子どもたち(スタッフも)がお休みする中、
どこまで学びを深め、そのまとめができるだろうと、少しばかりの不安もありましたが、
ふたを開けてみれば、今回もとてもいい発表をたくさん見せてもらうことができました。
まずは司会の人が、今回のテーマの初めに全員で取り組んだことを説明してくれました。
・どんなエネルギーを使っているか?
・電気を作る実験
・ZEH住宅見学
・再エネのでんき会社、テラエナジーさんのでんきのお話
子どもたちがまとめた
発電方法や、再エネに関する情報。
ステージ発表は2組ありました。
「世界のめずらしい発電」(6年女子2名)
廃棄うどんを利用した「うどん発電」、ラッシュ時の床の振動を利用した「通勤ラッシュ発電」、体内の乳酸がエネルギーになるということを利用した「汗発電」など、変わった発電を紹介してくれました。
「いろんな再生可能エネルギーのメリット・デメリット」(4年男子2名)
太陽光発電のメリットは二酸化炭素を出さないし、太陽自体は無料だけれど、
発電が不安定で、廃棄するときにゴミになる、森林破壊につながるというデメリットがあること、
風力発電のメリットは二酸化炭素を出さない、風もなくならないし、昼も夜も発電できるけれど、
鳥がぶつかったり、場所によっては森林破壊、風が吹かないと発電できないというデメリットもある、
と発表してくれました。
その他、水力、バイオマス、地熱についても、同様にメリットデメリットをまとめていました。
後半はブース発表。
9組16名がシフトを組んで発表しました。
風力、水力、ゴムのエネルギーの実験
「実験グループ:発電モーターとペットボトルを使って自然の力で風力発電をしたい」(5,6年4人)
小さなプロペラ付きモーターに、ペットボトルで作った羽根を取り付けて、走り回って発電を試みたけれどうまくいかず、扇風機の風を当ててみてもうまく電球がつかなかったことを発表しました。
「でんきを作るってむずかしい!」と実感したそうです。
「実験グループ:発電モーターを使って水力発電をしたい」(4,5年3人)
風力発電で作ったプロペラを利用して、こちらは水の力で発電を試みました。
少ない水でも勢いがあれば電気がつくかも、と、ペットボトルで装置を作りましたが、うまくいかず。
校庭のホースでジェットの水を当てると電気がつきました。
「電気がついてよかったー」と感想を話していました。
「実験グループ:ゴムの力を使って動くものを作りたい」(5年3人)
こちらは発電ではありませんが、牛乳パックとゴムで動くおもちゃ作りをしました。
取り組んだ人は、「電気を使わなくてもゴムでおもちゃを動かすことができる」と、省エネができることを発見していました。
火力発電だけじゃない。
世界にはいろんな発電方法があるらしい。
「世界の不思議な発電方法」(6年女子)
うどん発電、通勤ラッシュ発電、牛のげっぷ発電などを発表していました。
浮体式風力発電というのがあって、ヘリウムガスで空中に飛ばして風力発電する実験も行われているようです。上空だと風が強いので、よく発電できそうですね。
「いろいろな発電方法と送電方法」(5年男子)
火力発電、水力発電、原子力発電などがあること、電線で送電する以外に、マイクロ波送電という方法もあることを発表していました。
エネルギー実質0(ゼロ)の住宅、
ZEH住宅とは。
「ZEH住宅の見学に行ったこと」(4年女子)
学習の初めの頃にクラス全員で行った、ZEH住宅見学のことを写真でまとめて発表しました。
3重ガラスの外側と内側で温度が違う(外気が遮断されている)ことを実際に体験しているようすなどを伝えました。
「ZEH住宅のメリット・デメリット」(6年男子)
ZEH住宅とは、家の消費電力を省エネ(節約)と創エネ(発電)ですべて賄うことができ、基本的に電気を購入しなくて済むように作られた住宅のことです。
ZEH3つの条件(太陽光発電、省エネ設備の導入、高断熱)があることや、
2030年には日本の住宅設置基準のスタンダードとなることなどを発表しました。
自然のエネルギー、発酵木浴とは。
「地球にやさしいエネルギー」(4年女子)
ちょうど3学期に家族で訪れた奈良のホテルで体験した、発酵木浴のことをまとめて発表しました。
ひのきのくずと糠を混ぜて発酵されると、50℃にまで温度があがるそうです。
その中に足を入れて、足湯をしてきたそうです。
電気やガスを使わなくても温まる、自然のエネルギー、すごいですね。
わたしたちにできること、何だろう?
「エネルギーを大切にするために私たちにできること」(5年女子)
化石燃料、地球温暖化、再エネの課題・・・
エネルギー問題に対し、どんな解決方法があるのでしょうか。
そんな中、小学生の自分自身ができることを考え、すでに取り組んでいることも含めて
日常レベルでの取り組みをまとめました。
自然なくらしに戻ること。
そんなキーワードが見えてくる発表でした。
エネルギー問題を自分の頭で考える。
発表当日お休みしていた人の発表を、後日クラス内で行いました。
「再生可能エネルギーを使った発電方法のメリット・デメリット」(6年女子)
火力、風力、小水力、原子力について、それぞれのメリットとデメリットを並べて発表しました。
そこで見えてきたのは、
①環境にやさしい=小水力発電。
②コストが低い=原子力発電。
③安定供給=原子力発電。
④発電効率がいい=水力発電。
トータルで考えると、原子力発電が一番いいとのこと。
彼女の意見は、「原発事故が起きないよう十分な予防をしたうえで、原子力発電を増やすのがいいのではないか」というものでした。
(原子力発電は再生可能エネルギーではありませんが、二酸化炭素を出さないという意味で取り上げたのではないかと思われます)
子どもたちの発表を聞き、一緒に学びながら感じたこと。
この日、子どもたちの発表を見に来てくださった、テラエナジーの本多さんから、
子どもたちの発表へのコメントをいただきました。
「発電所は海沿いや山の中にあり、電気は遠くから運ばれていますが、これからは地域で電気をつくるということがエネルギー問題の解決の道になると思います」
「太陽光発電が森林破壊をする、という話が出ていましたが、実は今はメガソーラーの建設は法律で規制されるようになりました」
「日々、技術は進歩しています。大切なのは想像力です」
といったことを話してくださいました。
気温上昇が肌で感じられる昨今、こうして子どもたちとエネルギー問題について学ぶことで
改めて現状をとらえなおし、みんなが安心して生きられる世界であるために、どうしたらいいか考えさせられました。
今の社会は効率がよいことや、コストが低いことがよしとされているから、
大規模発電所で電気を作り、高圧であちこちに送電する、というしくみになっているけれど
これからは個人や地域で小さく発電し、自分の使う電気は自分で作る、という時代に変化していくのだと思いますし、すでにZEH住宅などはその例だと思います。
エネルギーを大切に使い、必要な量だけつくる。
省エネするけれどがまんはしない。
そのための工夫やアイデアが求められる時代なんだと感じます。
自分で電気を作るのはまだ難しい。
でも再エネの電気会社に切り替えることで、
未来をつくることができます。
今回学習でお世話になったテラエナジーさんは、再生可能エネルギーを使った電力会社です。
お坊さんが作った電力会社です。
テラエナジーさんのでんきは、二酸化炭素をほとんど出しません。
おまけに電気代も一般の電気料金と同じかやや安いくらい。
切り替え手続きもネットで簡単にできます。
地球にも未来にもお財布にもやさしい、テラエナジーさんのでんきを使いませんか?
テラエナジーさんHP
コクレオの森は太陽光パネルで市民発電所をしていますが、
足りない電気はテラエナジーさんから購入しています。
さらに、テラエナジーさんの特徴は、電気料金の一部がNPO団体に寄付されるというしくみになっています。
コクレオも寄付先団体に認定されています。
この機会にぜひ電気の切り替えを検討しませんか?
(A.M)