今日の午後からは小学部集会。
こどもの森では、子どもたち、スタッフが全員集まって、困りごとやみんなでやってみたいことなどを話し合う時間を毎週持っています。
司会も記録係もホワイトボード係も、すべて子どもたちが行います。
多数決によらない、全員納得でものごとを決めるのがこどもの森流。
そこには、一人ひとりを尊重するという、民主的なあり方が根底にあります。
今日の議案は、
「掃除をサボる人がいて困る」
司会「今から小学部集会を始めます。困っていること。掃除のこと。あゆ(スタッフの名前)」
あゆ「掃除のあとを見ると、本当に掃除したのかなと思うくらい汚れている時があります。
その原因は2つあると思っていて、1つは、掃除してるけど丁寧にしていなかったり、掃除の仕方がよくわかってなかったりすること。
もう1つは、掃除しないで帰ってしまう人がいることです。
今日は掃除をしないで帰ってしまう人がいることについて、どうしたらいいかみんなで話し合ってほしいと思います」
司会「実際、掃除しないで帰ったことがある人、いますか?いたら理由を教えてください」
この場で手を挙げる人いるのかなと思っていたら、いました笑
Y(5年女子)「習い事があって時間がなくて、忘れてしまった」
M(4年男子)「2,3年の時、めんどくさくてサボったことがある笑」
みんなから笑いが起きました。
正直だなあ~~笑
別のスタッフが聞きました。
「困ってるのはスタッフだけ?」
司会が確認すると、困っていると手を挙げたのはスタッフばかり。
子どもたちは、部屋が汚れていても気にならないようです笑
掃除をわすれない方法、どんなのがあるだろう。
あゆ「今のやり方だと、掃除は個人に任されているので、掃除をしたかどうか周りにわかりにくいと思います。でも、だからと言って監視するようなやり方は気分がよくないので、みんなが気持ちよく掃除できる方法を考えてほしいです」
すると、さっそく手が上がりました。
S(5年男子)「みんな集まって一斉にやるのはどう?」
なるほど。
それはよさそう。
すると横から
M(4年男子)「でもそれだと、低学年と高学年で帰りのミーティングの終わる時間が違うから、待たないといけなくなるんちゃう?」
S(5年男子)「そしたら、各クラスごとに集まってやったらいいんちゃう?」
なるほど~!
司会が、「他に案はありますか?」と促すと、さらに
・そうじタイムを決めてみんなで掃除する
・掃除したらチェック表をつけるようにする
という案が出ました。
ここで一旦、出てきた案について反対者がいるかどうかを確認することに。
すると、各クラスごとに集まって掃除する、という案だけが反対者がいないことが分かりました。
なかなかいい案に決まりそうだな、と思っていたら、
子どもたちの中から、懸念の声が出てきました。
低学年クラスは、帰りのミーティングを2グループに分けておこなっているのですが、
(全員でやると時間が長引くため)
そうなると、片方のグループが帰りのミーティングが早く終わったらどうなるのか?
また、現状のルールでは、どちらかのクラスが早く終わっても別のクラスがまだ終わってない場合、3時までは掃除せずに待つということになっているが、それはどうなるのか?
みんなの頭の中には、この案をやってみたらどんなことが起きるだろうか、という予想や具体的なイメージがわいてきているようです。
M(4年男子)「低学年はどっちかが早く終わっても、片方が終わるまで待つんちゃう」
Y(6年女子)「低学年はどっちかが早く終わったら、もう片方か高学年が終わるのを待ったらいいんじゃない?」
M(4年男子)「クラスが揃うか、他のクラス(低・低・高)を待つ」
だんだん案がまとまってきました。
そこに、初めに習い事があって掃除を忘れたことがあると言っていた人が、すっと手を挙げました。
5年女子「質問が2つあるねんけど。1つは、習い事がある時も、待たなあかんのか?2つ目は、誰かが学校を休んで自分一人しかいない時は、一人で掃除することになるのか?一人でも待たないとあかんのか?」
彼女はこの議案を自分ごととして、とても具体的なイメージを持っていました。
疑問はしっかり出して、納得できる結論を探りたいという気持ちが表れているようでした。
しかし、話し合いの焦点が少しずれてしまった感じなので、
いったん、今ある懸念の2つ目、「3時まで待つ」について話が戻りました。
あゆ「そもそも、なんで3時まで待つってルールになったんだっけ?」
Y(6年女子)「それは、早く終わったクラスが掃除を始めると、掃除機の音がうるさくて困るからやで」
そうそう、そんな理由でした。
とすると、やはり3時まで待つ、というルールはあった方がよさそうです。
と、ここまで話し合ったところで時間切れとなりました。
続きは再来週の小学部集会で。
罰ではなく、
どうしたら気持ちよく掃除できるか、という考え方。
今日の集会では、子どももおとなもそれぞれがどうしたら解決するだろうかと考え、
とても活発に意見が交わされて、気持ちいい話し合いでした。
「掃除をサボる人がいる」
という、一般的には罰を与えたり、監視しようとしたりしそうな案件でしたが、
さすがこどもの森、終始あたたかい雰囲気がひろがっていました。
(A.M)