テーマ学習 ~さべつのたね~ 在日韓国人についてのお話


「暮らし方」のグループ1年生から5年生の16人が、韓国にルーツを持つ学校スタッフから在日韓国人についてのお話を聞きました。

Rさんは日本に生まれ育ち、学校教育も日本で受けて来られました。両親、祖父母とも韓国に国籍があり、自身も韓国籍です。

その昔、おばあ様とおじい様はお仕事をしに日本に渡ってこられたそうです。当時は知らない土地で、日本語が解らないこともあり、辛い思いをしたり、心無い言葉に傷ついたり、大変ご苦労されたことが伺えるお話でした。Rさんは、ご実家では韓国の言葉で話し、お父さんは「アッパ」お母さんは「オンマ」、お婆さんは「ハルモニ」と呼んでいる事などを教えてくださいました。お話を聞いている子どもたちから「おじいちゃんはなんて呼ぶの?」「OOはなんて呼ぶの?」と質問が相次ぎ、初めて出会う言葉に興味津々です。

1才の誕生日会の写真には、美しい民族衣装チマチョゴリ を着た可愛いRさんが写り、その目の前には「糸」「お札」「鉛筆」の3つの品物が写っています。子どもがどれを手に取るかで将来を予想するという風習があることを教わりました。(糸は長生きする、お札は暮らしに困らず、鉛筆は学問に長けるそうです。)

Rさんには名前が2つあり、中学校までは韓国名を使っていましたが、高校の時に学校では日本名を使い、その事で悩んでいた時期があったそうです。そのことを友だちに相談したところ「韓国名でも、日本名でも何も変わらないよ。」と言われとても嬉しかったというお話がありました。

外国籍の為に選挙権がない事やなれない職業があることがわかり驚いた人も多くいました。あとで振り返りがあり、自分がその立場だったらどうする?ということもそれぞれに考えました。「あきらめる。」「他の仕事を探す。」「本当にしたい仕事だったら外国に行ってそれになる。」など色々な考えがありました。

そしてこれまでに韓国人であることをからかわれた事があり、他の人と線を引かれたような悲しい気持になったことがあったと話してくださいました。

「その人の事をよく知らなかったり、うわさでマイナスイメージを持っていたりしたら、嫌な事を言ったり争いごとが起こったりすると思う?」という質問には「うーん。」とみんなちょっと考えて・・・

「起こると思う。」

「じゃあその人が良く知っている人だったり、友だちだったりならどうかな?」

「やっぱり起こらないと思う。」「うーん、おこるかな~…。」など1年生も含め一生懸命に考えている様子でした。

自分はこれまで日本と韓国の両方の事を知ることができ、違っていることが良いと思えていて国籍は変えていない という言葉に、自信を持って生きているRさんがとても素敵に思えました。

自分と違っている人の存在を知り、違いを受け止め、お互いに尊重し気持ちよく暮らせる社会を創るにはどうしたらよいか考えられる人になることを願っています。

M.Y