LGBTのお話①〜テーマ「さべつのたね」〜


10月24日(木)、テーマ「さべつのたね」感じ方の違いグループの子どもたちのところに、

トランスジェンダー当事者の筌場彩葵(うけば さき)さん(ニックネーム:ばっちさん)が来てくださいました。

LGBTとは何か、ご自身の体験などを、子どもたちへの問いかけを挟みながら語ってくださいました。

 

初めにクイズが出されました。

 

子どもたちは、男の人だと思う子が多かったです。

その理由は、「見た目は女の人だけど、話を聞くと声が男の人だから」

 

ばっちさんは「そうだよね、その『あれ?』という感じ、覚えておいてね」と言いました。

 

続いて質問です。

「あなたの性別は なんですか?」

 

子どもたちは、

「男。だって気持ちがそうだから。」

「(親に)そう言われたから」

 

ばっちさんは「そうだね。男と女って何が違うんでしょう?どこで決めてるのかな?」

見た目なのか、表現の仕方なのか、それとも??

 

「実は、性別って、実はいろいろな要素が組み合わさっているんだよ」

この指標を見ると、5つの要素があることがわかり、さらに

男か女か、その二つだけでなく、その間に少し男寄りとか女寄りとか、中間とか

グラデーションがあることがわかりました。

 

LGBTについての説明がありました。

LGBは好きになる対象がどうか、という分け方で、

Tは生まれた時にお医者さんに決められた性別とは違う性別で生きたいと思う人のこと。

 

ちなみに、多くの人は

ヘテロセクシュアル(男なら女、女なら男が好きになる)で、

シスジェンダー(生まれた時に決められた性別がしっくりくる人)だそうです。

 

ばっちさんの子どもの頃のお話になりました。

子どもの頃はまだ自分のことを自覚していなかったばっちさん。

友だちがみんな「オレ」というので、自分らしくないと感じながらも周りに合わせて「オレ」と自分のことを呼んでいました。

 

好きなものを好きと言えなかった子ども時代。

少女マンガを読んだらバカにされるから、言えない。

スカートやワンピースを着たかったけど、言えない。

 

自分の身体が嫌い。

歌が好きだったばっちさん。ソプラノを歌いたいのに、声変わりして歌いにくかった。

高学年になると、それまでごちゃまぜで遊んでいた男子と女子が、別々に遊ぶようになってしまい、

男子はスポーツ、女子からは「(男子は)あっち行って」と仲間に入れてもらえず、

スポーツが好きでなかったばっちさんは、いつしか1人教室で本を読むように。

ところがそれを見た先生から、「みんなと遊びなさい!」と叱られてしまい、

とても辛かったそうです。

 

 

大人になるにつれ、男の子でいるのが難しくなってきたばっちさん。

「自分にウソをついている。隠し事をしている。それがしんどかったんです」

 

ある時、みんなで赤ちゃんを抱っこする機会があったそうです。

その時にばっちさんが抱っこしたら赤ちゃんが泣いてしまって、

他の女の子が抱っこすると泣き止んだ。

赤ちゃんのママが言った一言、「やっぱり女の子がいいんだね」

この言葉に大きなショックを受けたばっちさん。

もちろんこのママに悪気がないのはわかっていても、とても悲しかったそうです。

 

「自分に違和感を持ったままだと、相手と本当の意味で仲良くなれないと思いました」

 

そしてばっちさんは、自分のことをカミングアウトする決意をされたのでした。

(A.M)

 

LGBTのお話②へ続く)