【高学年 てつがく ~なぜ人に欲はあるのか~】
こどもの森園にはてつがくの時間があります。
てつがくのテーマも子どもたちが決めます。
今回のテーマは「なぜ人に欲があるのか」
なかなか深い話になりそうです。
ろうそくに火を灯して…さあ、どんなお話になるでしょうか?
子どもたちからはじめに出たのは「欲がなかったらどうなるだろう?」という問いです。
「食欲もないから食べるのもめんどくさくなる」「何もしなくなって空気みたいになる」
「全てにおいてやる気がなくなるからそのまま死にそう」
なんだかすべて終わってしまいそうですが…そこから話は深まっていきます。
「生きたいから欲があるんだと思う」「生きるため、生き続けるため、進化するため」
話しの前半にして、まさに哲学する子どもたち!
誰が教えたわけでもないのにこんな核心に迫る話に進んでいくとは、子どもはそのままで哲学者なんだと思います。
一方ちょっと違う視点で自分自身の欲にむけてみると、
「スマホをずっと見たい」「推しに会いたい」「オシャレしたい」
など子どもらしい素直な気持ちもたくさん出てきました。
中には「一生に一回は自分がたくさんの人に推されてみたい」という欲も!
さて、自分のやりたいことを言い合っているうちに
「じゃあ欲が全部満たされたらどうなるの?」
という新たな問いが出てきました。
面白いですね!
この問いに対して子どもたちから出た言葉は
「幸せになるから死んでしまう」「また新たな欲が出てくる」
こんな風に考えられるなんて本当に凄い!
「生きている限り欲望は尽きることはない」というのは仏教の真理の一つですが、子どもたちが導き出した言葉は、世の中をありのまま見ているからこそ気付けることだと思います。
てつがくのじかんを終えての子どもたちはこんな感想を書いていました。
「生きるため生きつづけるためっていうのはたしかにそうだなと思った。」
「欲について考えるのがおもしろかった。」
「欲はありぎてすもなさすぎても生きにくいからちょうどいいくらいが1番しあわせじゃないんかなって思った。」
「なぜひとに欲はあるのか?」
皆さんはこの問いにどう考えますか?
(K.S)