4月。
保護者の方から
「おとなと子どもの対話会を開いてほしい」
との声があがりました。
それはコクレオオープンカフェの時。
コクレオオープンカフェは、コクレオ会員が集まって話したいテーマを持ち寄って開く、語り合いの場です。
いくつかの対話テーマの中に、「こども基本法」がありました。
そこに参加された高学年の保護者の方が、
「うちの子はもしかしたら、家で親に言いたいことを言えてないかもしれない。
学校でみんなと一緒なら言いたいことが言えるかもしれない。
ぜひ、そういう場を開いてくれませんか」
それがきっかけとなり、1学期のテーマの最後の回に、「おとなと子どもの対話会」が実現しました。
1学期、高学年は「こども基本法」をテーマに
子どもの権利について学んできました。
学びの最後に開かれる対話会で、
子どもたちがおとなに伝えたこととは。
当日は子ども20数名、保護者とスタッフ合わせて10数名が参加しました。
始めに、みんなが安心して意見が言えるように、スタッフからグランドルールの説明がありました。
① 子どもの意見を聴く会です。
② お家に帰ってから説教をしないでください。
③ プライベートな話はこの会の中だけに留めてください。
④ スタッフも大人側として参加しますが、基本ファシリテーターの役割をします。
3つのグループに分かれ、グループごとに対話の時間を持ちました。
子どもたちは初めての試みに、少し緊張した面持ちで参加していました。
それぞれのグループで、いろんな「言いたいこと」が出てきました。
子どもたちの素直な声がたくさん。
特にゲーム問題や、
日常生活に対する不満が多く出ていました。
ゲームのこと、テレビを見る時間、寝る時間、おこづかいのことなどなど・・・
やっぱり子どもたちは言いたいことがたくさんあったのですね。
おとなたちはしっかり子どもたちの声を受け止めていました。
その後、各グループの内容をみんなにシェアしました。
興味深いことに、すべてのグループで
「学校の床がささくれていて、足に刺さるから、きれいにしてほしい」
という声が出ていました。
こどもの森では、上靴を履かずはだしで過ごす人も多いので、
よく足にとげが刺さったと言ってくる人がいるのです。
たしかに、床の老朽化問題があるかもしれないなと思いました。
この問題については、さっそくスタッフや運営委員で話し合い、夏休み中に対策をすることになりました。
最後に、参加された保護者の方たちから
一言ずつ、感想をいただきました。
一部をご紹介します。
・学校のパソコンよりも床、という声。大人と子どもの考えにズレがあるのだなと思いました。
・子どもは今を生きている。大人は「こうやったほうがいい」と言うけど、それはいらないのかなと思いました。
・安全な空間でお話できたことがすごい。
・自分の子以外の、他の子どもたちの話が聞けてよかった。耳が痛いです。
参加いただいた保護者のみなさん、とてもいい時間を作ってくださりありがとうございました。
後日、子どもたちと対話会のふりかえりをしました。
満足度アンケートの結果は?
「対話会をしてみて、どう感じた?」
と尋ねると、
・言いたいことが言えてよかった(床問題)
とか、
・ゲーム、YouTubeの時間について、子どもの意見を聞いてもらったが、まだ家で話し合えてない
などの辛口意見がありました。
話を聞いている中で、子どもから「満足度を聞いてみたら?」という意見が出たので
それはおもしろいね、とさっそく聞いてみました。
高学年20人に聞いた、対話会の満足度
0 わからない 4人
1 良くない 0人
2 いまいち 2人
3 普通 9人
4 良かった 4人
5 めっちゃ良かった 1人
概ね満足、という結果ではあったものの、ダントツ多いのが「普通」という結果に。
これって考察するに、ここの学校の子どもたちは、
普段から大人に話を聞いてもらっている感覚があるからではないかなと思いました。
今回出てきた子どもたちからの声を、これからわたしたちおとなはどう捉え、
どう返していくのか。
対話会は終わりましたが、
対話はこれからも、おうちでも学校でも、日常的にしていくことが大事です。
(A.M)