こどもの森では、1学期に1つテーマを決めて学習しています。
2023年度1学期の低学年のテーマは「あり」
ありの巣を探したり、食べ物をあげてみたり、ありクイズをしたりして、ありに親しんだあと、それぞれの興味関心に合わせてグループをつくりました。
できたグループは「種類スタート」「食べものスタート」「からだスタート」の3つ。
今回は、ありの種類に興味がある人たちが集まった「種類スタート」の学習を紹介します。
一番大きいアリと一番小さいアリの大きさは?
まずはじめに、「種類グループ」の人たちでどんなことが気になるか、疑問を出し合いました。たくさん疑問が集まり、最初は「一番小さいありと一番大きいありの大きさ」について調べることにしました。
いざ、測りに行ったものの、アリの長さを測るって難しい!
小さくてよくわからなかったり、動いたりしてうまく測れません。
1年生はそもそもものさしの使い方を知らないことに気づきました。
そのような状態だったので、まずスタッフからものさしの使い方を教えてもらう時間をとることにしました。そして、ありのような動くものの長さを測るには、ありにものさしを近づけた動画や写真を撮って、後から画面上で長さを特定することにしました。
いろいろ調べてみた結果、近くの仁鳥公園で見つけたありのうち一番小さいものは3mmで、大きいものは1cm7mmだということが分かりました。
そして、一番大きいありはどうやら「クロオオアリ」というらしいということが分かりました。
ありの種類しらべ
いろんなありの大きさを調べたところで、そこからはありの種類調べをしました。
隣の仁鳥公園のアリを調べてみるとおそらく「クロオオアリ」「クロヤマアリ」「トビイロシワアリ」だろうということになりました。しかし、なんせありはとても小さいので、種類の特定もなかなか難しかったです。
こどもたちも「ちょっとつやつやだからこの種類じゃない?」とかいろいろ話しながら種類の特定をがんばりました。
ムネアカオオアリを見つけたい!
身近なアリ検索ブックを見たり、ネットでいろんなアリを調べてみると、いろいろ面白いアリがいることがわかります。
- ジバクアリ:危険だと判断すると、自爆して敵を攻撃する。
- 群体アリ:群体になって敵を襲う。
- サムライアリ:尖っている部分がある。また、他の種類のアリの巣を襲って自分のものにしてしまう
- パンダアリ:バンダの見た目に似ている。アリに似ているが実は蜂。
などなど。
アリって本当にいろんな種類がいるんですね。いろんな個性があるアリに興味が惹かれたようです。
その中でも種類チームの人たちが探してみたいとなったのは「ムネアカオオアリ」でした。
「ムネアカオオアリ」とは、ムネの部分だけ赤いアリで、クロオオアリと並んで日本で一番大きいアリです。上の本を使って調べてみると、どうやら森のくち木の中にいたり、森で1匹で行動しているという風に書かれていました。
そこで、近くの千里北公園が森のような雰囲気のところもあるので、「もしかしたらいるかも!」ということで、探しに行くことになりました。
まずは、とにかく朽木を探すことにしました。
以前、選択プログラムの「しぜん」で朽木を割って、中から虫を見つける活動をやったことがあったのですが、そのときのことを覚えていた人たちがいて、朽木を見つけてどんどん割っていきました。
朽木を割ってみるとムカデや、他の種類の小さいアリなど、いろんな生き物は出てきましたが、なかなかムネアカオオアリとは出会えません。
結局3コマかけたものの、千里北公園では、ムネアカオオアリは見つけることはできませんでした。
ペープサートとスライドで発表!
活動期間を経て、今までの経験をどう発表で伝えるか話し合いました。
- ジバクアリなど、いろんな面白い種類のアリがいること
- ムネアカオオアリ探しを頑張ったこと
- 飼ったアリを死なせてしまったこと
を伝えたい!ということになりました。そのための発表の方法として、どんなものが良いか考えたところ、いろんな種類のアリについてはペープサート(劇)で発表して、ムネアカオオアリ探しや飼ったアリを死なせてしまったことについては、スライドで発表するのが良さそうだということになり、2つのグループに別れて準備を進めていきました。
発表当日!
次にペープサートの人たちです。
クロオオアリの「クロー」が主人公で、いろんなアリを探しに世界を旅するお話を考えました。
ムネアカオオアリの「アリタ」という友達がアリに詳しく、2匹で世界を旅します。
旅は、ジバクアリとの出会いから始まり、途中で群体アリに襲われそうになったところをジバクアリが自爆して、2匹を助けます。落ち着いて家に帰ったところに、サムライアリに襲われ、巣を乗っ取られそうになりますが、最後は日本で一番大きい種類であるクロオオアリとムネアカオオアリの奮闘で危機を乗り切るというストーリーです。
テーマ発表を終えて、、、
テーマ発表を終えて、1学期のテーマ学習は終わりましたが、こどもたちのアリへの興味は終わらないようです。
- 学校の2階の窓にアリの巣を発見してたまに覗きに行っている人
- 外でアリを見つけたら種類を当てなくなっている人
- ムネアカオオアリを探している人(なんと、見つけました!黒川さとやまセンターにいたようです。)
終わってこどもたちの声で一番多かったのは「テーマをやる前と比べてアリのことが好きになった」ということでした。
このように身の回りの生き物に愛着を持てるところから、自然環境を守りたいという気持ちや命の大事さを実感することにつながっていくと思います。
これからも身の回りのことに関心を持って過ごしてもらえると良いなと思います。
(T.Y)