「待ったなしの気候危機 脱炭素社会を作るには!」CASA土田道代さんのお話(高学年テーマ)


2021年2学期のテーマ学習は
「気候危機〜地球にやさしいくらし〜」というタイトルで取り組んでいます。

気候変動は今や気候危機と呼ばれるほど、深刻な問題になっています。
しかし、まだまだそのことを十分に理解している人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、認定NPO法人地球環境市民会議(CASA)の土田道代さんにお越しいただき、
今、世界の国同士でどんな話し合いが行われていて、どんな目標を持ってこの気候危機に取り組もうとしているのかについて
詳しくお話を伺うことができました。

 

土田さんは、2012年のCOP18(地球温暖化対策の国際会議)から毎回参加されていて、
まもなく開催される今年のCOP26にも行く予定になっているそうです。

土田さんのお話は、国際会議で得たダイレクトな情報がたくさんありました。

 

 

土田さんから教えていただいたこと

【異常気象が起きている】
今、地球上のあらゆる場所で気候変動による異常気象が起きています。
地球温暖化が原因であることは、科学が裏付けをしています。

【地球温暖化の原因】
人間が温室効果ガスを短期間に大量に排出してきました。
先進国が出した温室効果ガスの影響で温暖化が進行し、発展途上国がその被害を被っています。
気象災害の数はこの50年で5倍に増加しています。
最新の科学の報告書によると、地球温暖化は人間の影響であることは疑う余地はないと言われています。

【地球温暖化が進むとどうなるの?】
今のペースで温室効果ガスを排出し続けていくと、世界の平均気温は最大4.8℃上昇します。
今、追加の対策をすれば1.7℃の上昇に抑えられます。
温暖化が進むと、食糧危機や水不足、暮らしや財産への影響が考えられます。

【世界で話し合って決めたこと】
2015年、パリ協定が採択され、脱炭素社会を目指すことが決まりました。
気温上昇を1.5℃に抑えるために、各国がCO2の排出量を減らす取り組みをすると決めました。
実は、日本のCO2排出量の目標数値は世界の国と比べて少ないので、次の会議までにバージョンアップしようとしています。

【1.5℃は人間が安全に生きていけるギリギリライン】
2018年のIPCCの報告書によると、このまま行くと2030年には1.5℃に達してしまうと書かれています。
1.5℃未満に抑えるためには、2010年と比べて45%のCO2削減を達成する必要があります。
2030年まであとたった9年。

【解決の難しさ】
地球温暖化は地球規模の問題なので、全体で取り組まないと解決が難しいのです。
このままいくと、どこかで後戻りできないポイントが来ます。

【グリーンリカバリー】
今までのやり方でなく、脱炭素で経済を立て直そうという考え。
環境に配慮したものにお金を回しましょう。

【Friday for future(未来のための金曜日)】
スウェーデンの女の子グレタ・トゥンベリさんが始めた、世界的なムーブメント。
1人の女の子が国会議事堂の前に座ってプラカードを掲げました。
「変化を起こすのに、自分は小さすぎるなんてことはない」
今年も9/24(金)にFFFのアクションが行われます。

【常識が変わる時】
一つの国の国民の3.5%が変われば、国の常識も変わっていきます。
今はちょうどその綱引きの真っ最中です。
綱引きに参加する人が増えています。
この綱引きは誰でもいつでも参加することができます。
どんな形でもいいので、何か一つできることを見つけてください。

一歩寄ってみよう。
その積み重ねで社会が変わります。

 

最後に、こちらの動画を見せていただきました。
Our House is on Fire(Fridays For Future)
(私たちの家で火事が起こっています)

 

子どもたちの感想の一部を紹介します。

・自分たちのより良い生活のためにほどこしたことが、自分たちの生活を脅かすと思うとすごくこわい。
・あれだけいろんな国が脱炭素をがんばるって言ってるのに、それでもまだ足りないって、めっちゃ大変なんだなって思った。そんなたいへんな問題に比べたらコロナが軽く見えた。
・「地球がこわれている」が印象に残った。
・一人一人が地球にやさしいことをしたら、半分下げられるかもしれないから、自分もとろうと思った。
・15歳の女の子がお金とかもないのに1つの言葉でみんなも一緒にするっていうのがすごかった。
・パリ協定とかをしてるパリ(フランス)の気候変動への取り組みを知りたい。

土田さん、子どもたちへたくさんの情報を想いを伝えてくださり、ありがとうございました!

(A.M)