サスティナブルフードコーディネーターの坂東さんに来ていただきました。食べ物がどこから来て、どうやってつくられているのか、栄養、食と心のつながり、食と自然環境などについて子どもたちと対話をしながらの学びの時間でした。
初めに、坂東さんから「田んぼ」「畑」「牧場」から思い浮かぶものは何だろうという質問があり、子どもたちはそれぞれに思い浮かんだものを出し合いました。
坂東さん:「田んぼには何がありますか?」
子どもたち:「水」「土」「稲」「米」「あめんぼ」「カエル」「いなご」「カモ」「おけら」坂東さんさん:では、「畑には何があるかな?」
こどもたち:「やさい」「虫」「土」「ミミズ、」「ヘビ」「ぶどう」
坂東さん:では、「牧場にはなにがある?」
子どもたち:「うし」「ふん」「とびら」「人」「牧草」「豚」「ヤギ」「羊」
頭に思い浮かぶものがどんどん出てきます。
私たちは田んぼのお米、畑の野菜、牧場の牛などの家畜を毎日食べています。
学校には2羽のにわとりがいて、子どもたちがお世話をしています。卵も時々収穫します。
学校の卵と他の卵にはどういう違いがあるのかな。
坂東さんが持ってきてくださった2種類の卵と比べました。
アシスタントの方がお皿に割って持ってきてくださった3個の卵はそれぞれ違った色をしていました。
「わ~、色が全然違う!」
色がちがう理由はなんだろうと考えました。
こどもたちからは、えさ、環境、品種、有精卵、無精卵などが関係しているのではという意見が出ました。
学校の鶏のエサはやさい、エビ、にぼし、貝、ぬか、、リンゴの皮、ダンゴムシ、アリなどを食べています。
卵はうすい黄色の色をしていました。
濃い黄色の卵は、主に野菜を食べている鶏のものということでした。
3つの卵のうち赤みが強いものは鶏の品種の違いがあるのと、えさにパプリカ、エビが入っているとのことでした。
鶏の食べ物によって、色がこんなにちがうということがよくわかりました。
味のちがいはあるのかな?
米や野菜、肉などを家で食べるときにはどういう風に料理をするのでしょう。
焼いたり、蒸したり、揚げたり、炒めたりするときに調味料を使います。
「調味料ってなに?」というばんどうさんの質問に、「ゴマ」、「ワイン」、「こしょう」、「塩」、「しょうゆ」、「さとう」「酢」「梅酒」という意見が出ました。
そのあと、家庭でなじみのある調味料であるマヨネーズを見てみました。
2種類の袋の表示を見て、中身に違いがあるかを調べました。
片方はリンゴ酢、食塩、香辛料、食用油、卵黄、さとうなど耳なれた材料が入っています。
そしてもう片方はグリシン、レモン、カロチノイド、アミノ酸、乳化剤、酸味料など「これってなんだろう」と思う名前が書いてあります。
添加物のイメージを子どもたちにたずねると、「人の体に悪い食べ物」、「他の生き物にも悪いもの」という言葉が返ってきました。
また、メリットは「見た目がいい色になり、おいしそう」、「安く販売できる」、「食品を長持ちさせる」、という意見の他に「大量生産できる」ということも知り、良いところもあることがわかりました。
マヨネーズの袋の表示を見ると、添加物にはどんなものかわかりにくいものが多いなと感じます。
成分表示を見て、どんなものかわかるかなその後、先ほどの卵をアシスタントの方がスクランブルエッグを作ってくださったので、味比べをしました。
子どもたちから、「濃い色の卵はみためほど味がこくない気がするな~」「うすい色の卵は、味もちょっとだけうすいような気がする~」という声がありました。
それぞれに食べた感想を出し合いました。
そして「いただきます」はどういう意味があるのだろうと考えました。
命、作ってくれた人、空腹に感謝することだという意見が出て、ばんどうさんからも命を無駄にせず、感謝しながらゆっくり味わい、楽しく食べることが体の栄養につながるというお話しがありました。
お腹いっぱい食べたあとのうんちやおしっこはどこに行くのでしょう。
下水を通って川や海に流れ、やがて大地の恵みの雨となり土にかえることになります。
からだから排出されたものが自然の中で循環していて、人の生活がその中にある事をあらためて感じた学習になりました。
最後に、前に高学年で「栄養」について学習した際に出た疑問にも答えていただきました。牛乳や卵、肉を食べなくても、植物性のたんぱく質である大豆や豆腐などで代用できる事や大豆プロテインやサプリメントを食事の代わりにするのではなく、やはり食べ物から栄養をとるのが良いことに加え、玄米にはすべての栄養が備わっていることなどを聞き、「知らなかった」や「家で玄米をたべてるよ~」という声が聞こえました。
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後日、この学習時に持って来ていただいた2種類のマヨネーズの食べ比べをしました。
最初に添加物の無いほうのマヨネーズをきゅうりにつけて食べました。
色が濃くチューブから出した後の形がそのまま保たれています。
こちらは賞味期限が短いので、少し注意が必要です。
次に、もう一方のマヨネーズをチューブから出すと柔らかく、色がすこし薄く、
トロンとした感じです。
「こっちのマヨネーズはだんだんとけたようなかたちになってる~」
こどもたちはよく観察しています。
カロリー65%オフの表示があるので、カロリーを気にしている人には良いかもしれません。
2つ目を食べた後に「わー、味が全然ちがう!」とあちこちから聞こえ、
「最初の方は卵の味がよくわかる!」という声がしました。
2つ目の方は少し味がうすいように感じた人が数人いたようです。
食べたものが自分の体の健康だけでなく自然環境にもかかわっている事から、子どもたち自身が毎日の食べ物を選ぶことの大切さを知る時間になったのではと思います。
m.y