低学年の「かず」は一般的な学校の「算数」にあたります。
その時間、2、3年生では学年をベースにみんなで学ぶ「ミニレッスン」と、「やってみよう」という教材を中心に自由進度を組み合わせて学びを進めています。
やってみようを進めている子どもたちと、おもしろいやり取りがあったのでご紹介します。
かずと生活とつなげる「やってみようカード」
「やってみよう」は一人ひとり自分のペースで進めていくオリジナル教材です。その中には、計算や文章題の習熟のためのプリントに加え、「やってみようカード」というカード教材を組み込んでいます。
やってみようカードは、
「数や計算式の概念と、具体物やブロックなどとの操作を結ぶ」
「日々の生活を、かずの概念とつなげて見る」
という役割を主に担っています。
たとえば3年生のわり算の学習で出てくるこのカード
「毎日の生活の中で、わり算の場面を思い出して、そのことを文と式で表そう」というものです。
「え、わり算の時なんて最近なかったよ?思いつかないんだけど…?」
「え、どういうこと?難しい~!」
と何人かの子どもたちが言います。
スタッフ(以下「ス」)が「最近、家や学校で何かを分けたり自分がグループに分かれたりしなかった?」
と問いかけると
「あ!なしを切ってたべた!」とか、「お兄ちゃんとジュースを分けた!」と子どもたち
ス「そうそう。それがわり算の場面ってこと。」
子どもたちは「な~んだ、そういうことか!」とノートに書き始めます。
「ドーナツが5個あって、家族3人でわけました。一人1個食べて2こあまりました。」
の場面を式(5÷3⁼1あまり2)にしたRちゃん。
ス「なるほど、そういうことってあるよね。」
ところでその「あまり」って誰が食べる?
ス「ところで、この【あまり2】ってさ、Rちゃんの家ではどうするの?Rちゃんが全部もらうの?」
R「私の家では、だいたい最初に私、次にママが食べる! パパはだいだい遠慮する~。」
S「Sの家でもそうやで!お父さんは結構遠慮する~。」
ス「なるほど(笑)私の家でもそうかも…。お父さんは遠慮しがちなのか…。」
などなど、興味深い話でその場は盛り上がりました。
こうやって、少し難しい「わり算のあまり」にも生活の色が付き、ただの数字の向こう側に景色が浮かびあがってきました。
大事にしていきたい「生活の中の数」
3年生のかずは、扱う数も大きくなったり内容が高度になったりして、すべてを具体物で操作することが難しくなり、抽象的に考えたり思考の中で数を操作することが増えてきました。
そのことも、それはそれで面白いのですが、
「数の考え方は私たちの暮らしの中にたくさんかくれているし、使えるんだ」ということを感じたり、たまに数の考え方で日常を切り取ってみたりすることも、大事にしていきたいと思います。