「教室にある本がこわいんだけど・・」【低学年集会】


毎週水曜日は低学年集会

毎週水曜日には1~3年生で構成される低学年クラスで集会をしています。

「ともだちのいいところ」「いいたいこと・ききたいこと」「こまっていること」「やってみたいこと」

について、低学年の人たちが議題を出して話し合っています。

 

怖い本がこわいんだけど…

9月27日の低学年集会では、特に議題がなかったので、何か話し合いたいことがないかを確認する時間を取りました。

 

司会が「何か議題があがったグループありますか?」

とたずねると、あるグループから

「図書館から借りてきた『怖い本』に困っている」

という1年生の困りごとが議題としてあげられました。

 

低学年では今、「怪談」や「意味がわかると怖い話」などを図書館で借りて読むことが流行っています。

多くの人が楽しそうに、嬉しそうにその本を読んでいるのですが、

実はクラスの中には、表紙や中の絵が見えて怖いという人が居たのです。

 

議題が出されると、

「ええー」

「そんなん困ってるのが一人ぐらいやったらがまんするしかないんちゃう」

という声が即座に聞こえてきました。

 

それに対してほぼ同時に、

「でも○○は困ってるんだから、それを何とかしたいって話じゃないの」

「自分だけじゃなくて人も大切にするんだよ」

という人たちがいます。

 

こうした声を受けて、

「教室に今置いてある怖い本に困っている人がいるので、どうするか」

を議題として、全体で話し合いをすることになりました。

 

 

どうしたら困りごとが解決するだろう?

案だしのために、近くの3人組で話し合います。

この時、2・3年生はいつも1年生に「意味わかった?」「どう思った?」と声をかけ、

わかっていなければ説明をしてあげます。

その優しい姿にほっこりします。

 

「本にカバーをつける」

「専用の本棚をつくる・見えないようにカーテンをつける」

「声かけをしてから本を読む」

「怖い本を読むスペースを決める」

「怖がる人に背をむけて読む」

様々な意見がでてきます。

一通り案を出したら、今度はでてきた案にたいして反対意見がないか、

司会の子どもが中心となって「1番の案に反対の人、手をあげてください」と聞いていきます。

ただ、今回はどの案にも「反対」で手を挙げる人が多く話し合いは難航・・・

 

一筋縄ではいかない話し合い

2週続けて同じ議題で話し合いましたが、結論は出ませんでした。

(その間、怖い思いをしている子はがまんしていることになりますが、子どもたちどうしは怖がっている子に絵が見えないように気を使うなど個々に工夫しているようです)

 

3週目に突入し、全体での話し合いが難しいと判断したスタッフから、

「議題を出した人と、中心になって話し合いたい人で話し合うことにするのはどう?」

という案を出し、低学年の人たちもそれに賛成しました。

 

実行委員で話し合うも…

少人数になって話し合いましたが、

「怖い本を読む人だけが場所を譲るのはいや。」

「怖い本は見たくないけど、リラックススペース(低学年の部屋の一角にある人気のスペース)で本は読みたい。」

と、なかなかいい案が浮かびません…

 

話し合いは長期戦になりそうです。

 

低学年の人たちの話し合う姿勢におもうこと

1~3年生の人たちはもちろん、「合理的配慮」や「環境調整」といった

インクルージョン(社会的包摂)に関連する言葉や概念を知りません。

それでも、

「困っている人は一人かもしれない。けれど、一人でもいることは事実なのだから、自分たちになにができるか話しあおう」

と自然と考える姿勢が身についていることに改めて驚きました(そして、「実は困っている人は一人ではない」ということも後から分かりました)。

 

こどもの森の集会では、ふだんから多数決をせず「反対する人がいない」「嫌な思いをする人がいない」案を考えます。

だからこそ、今回のような困りごとにも真剣に向き合おうとするのだろうなあとしみじみ感動します。

 

(K.S)