毎週水曜日の3コマ目に低学年の人たちで低学年集会をしています。
こどもの森では、多数決で物事を決めるのではなく「対話」して決めることを大事にしています。
低学年のときから「対話」して決めるとはどのような感じなのでしょうか?
ここでは、低学年(1-3年生)の人たちがどんな風に話し合っているか少しのぞいてみましょう。
集会~自分たちで自分たちのことを決める~
こどもの森では、各クラスや小学部・全校といろんな規模の集会があります。
そこでは、以下のようなことが話し合われています。
①ともだちの良さ
②困っていること
③言いたいこと・聞きたいこと
④やってみたいこと
こどもも大人も対等に議題を出し合い、対話しています。
身近な事柄について話すことを通して、自分たちで身の回りのことを変えていけるんだという民主的な感覚が育まれていくことを願って、開いています。
今年度の低学年集会の始まり
ここでは、2023年度4月からの低学年集会の様子を紹介します。
4月の最初の低学年集会。
始まる前に、司会の人の周りに3年生の人たちが集まって、何やら話しています。
「1年生の人が初めてだから、低学年集会のことをまず説明した方がいいよ。」
「低学年集会では、低学年で話したいことを話すって言った方がいいよ。」
どうやら、新しい1年生に向けてどういう風に伝えたらいいか、3年生の人を中心に相談しているようです。
低学年集会は、司会・ホワイトボード・ノートへの記録とどれも子どもたちが引き受けて進めてくれています。
今回の議題は、スタッフが出した「ことばかずのときに、丸付けしてほしいという声が騒がしくて困っている」というものでした。
ことばかずは、ことばやかずのことについてこどもたちそれぞれの個別の進度で進めていく学習です。
そのため、丸付けしてほしいタイミングもそれぞれです。
たまに、丸付けのタイミングが重なってしまい、スタッフを呼ぶ声で騒がしくなってしまうということがありました。
スタッフ自身も何度も呼ばれていろんなところにいくので、困っていました。
司会の人が「では、3人組で話し合ってください」と声をかけました。
こどもたちは、それぞれ3人組をつくり、話し始めました。
3年生「今の話わかった?」
1年生「よくわかんない」
3年生「今の話はね~」
3年生「どうしたらいいと思う?」
2年生「しずかに進めておいたらいいんじゃない?」
3年生「丸付けほしい人がわかるように看板つくるのはどう?」
2年生「自分で丸付けしてもいいよね」
司会「そろそろやめてくださいー!」
司会の声をもとに、静かになり、各グループからのシェアが始まりました。
新年度になり、今まで発言しなかった2年生も、1年生のサポートで発言してくれたりしました。成長を感じる瞬間でした。
案を出し合い、いくつか案がまとまったら、賛成と反対を聞いていきます。
《出てきた案》
- 1回はスタッフの名前を呼んでもいい。来なかったら手をあげ続ける
- さきに進めて待っておくか、手をあげてまっておく
- スタッフが近くにきてから手をあげる
- 何ページかおわってから、まるつけしてもらう
- 自分でまるつけする
この学校では、多数決では決めずに、誰もが反対しない意見を選ぶことにしています。
案だしをした後は、それぞれの賛成・反対の理由を聞いていきました。
1年「手をあげ続けるのはしんどいよ」
3年「スタッフが近くに来なかったら手を挙げられないのは困る」
などいろんな理由が出てきました。
この日では決まり切らず、次回引き続き話すこととなりました。
対話のプロセスを経験する
低学年集会は、特に時間がかかるものです。
しかし、このような経験は、誰の意見も無視されないことや、対話のプロセスの大切さを学ぶ機会になっているのだと思います。
2.3年生の人たちの1年生への声かけの姿から、「自分たちでこの場をつくっていくんだ」という感覚が確かに育まれていっているような感じがしました。
その場にいたインターンの人は
「市民性というものはこういう風に育まれていくんだ」と感動されたようです。
このような場は大人はすごくしんぼうがいりますが、これからも丁寧に対話していきたいと思います。
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最後に、次回の司会・ホワイトボード・記録の役割決めをするのですが、どの役割もとても人気です。
「司会やりたい人ー?」と聞くと
(T.Y)