2学期のテーマは”さべつのたね“です。
誰の心の中にもある差別の気持ち。
今回のテーマでは、
「差別を他人事ではなく、自分の中にその種があるのではないかということに気づくこと。
この社会から差別される苦しみをなくすには、そこがもっとも大事なのではないか」
という思いでスタートしました。
小学部全員ホールに集まり、色々な人の「違い」について考えました。
最初に、スーツ姿の人、年を取った女性、赤ちゃん、サッカー選手、車いすに乗っている人、手足に障害がある人などの画像を順番に見ました。
「自分とどこが違ってるのかな?どこが同じかな?」という問いに
「男の人!」「髪型が違う!」「同じ人間。」
「しわがある。」「年齢が違う。」「性別が同じ。」
「肌の色が違う」「サッカー選手。」「お母さんから生まれた。」
「足が動かない。」「車いすに乗ってる。」「同じ人間で心臓がある。」
「手足がない。」「口で字が書けるかも。」「心がある。」
など色々な「違い」と「同じ」の意見が出ました。
次は「感じ方」の違いです。
「十人十色」という言葉がありますが、みんなそれぞれ違うのかな~?
「ヘビをさわれる?」「虫を食べられる?」「プロジェクト作品をへたくそと言われたらどんな気持ちになる?」など同じ質問をしても 平気な人、心配する人、知りたがる人、ビックリする人、腹が立つ人などさまざまです。
「うそ~、虫を食べれる人いるんや」
「作品をへたって言われても別にへいきやけどな」
などなど、子どもたちから口々にいろんな声があがりました。
今回のテーマ学習は、1~6年生がごちゃまぜになって
自分の関心のある分野についてグループで学びを深めていくスタイルをとることにしました。
そこでオリエンテーション後半は、3つのグループの紹介をしました。
1.見た目のちがい
障がいのある人や人種のちがいなどについて考えるグループ。
ストレッチャーで寝たきり状態でも自立して生活しているという方のお家に訪問する予定になっています。
2.感じ方のちがい
発達凸凹のある人や、ひといちばい敏感な人、身体の性と心の性が一致していない人がいるということについて考えるグループ。
LGBTの方によるワークショップをしていただく予定になっています。
3.暮らしのちがい
部落問題、在日韓国人、ホームレス問題などについて考えるグループ。
釜ヶ崎に訪問し、子どもたちに肌で感じてもらったり、当事者のお話を聞く予定です。
最後に、オリエンテーションで気づいたことをみんなに尋ねると
「人それぞれ違うことがあるんだな~と思った。」
「“私は大丈夫”と思うことでも“みんなはむりやねんなぁ”と思った。」
「他人と違うことを認めるのはむづかしいんだなぁと思った。」
「自分と同じ考えだと思っても、違うんだなぁと思った。」などがありました。
自分と少し違う人に出会ったときに「へんな人。」「ふつうとちがうやん。」「えっ、気持ちわる…。」
など心の中に生まれる小さな「さべつのたね」
2学期の学習を通して「なんでそう思うのかな。」「相手の人はどんな気持ちかな。」など自分の価値観ではなく、相手の身になって考え、違いを受け止められるようになればと思います。そして子どもたちが多様な社会を創っていける力につながることを願います。
M.Y