家畜のおはなし


テーマの時間、「食といのち」グループは、獣医の藤島誠さんをお招きして、家畜のお話をうかがいました。

藤島さんは大学時代に北海道でたくさんの牛とともに動物について学んでこられ、今は大阪で獣医さんをしていらっしゃいます。
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「みんなはふだん、お肉も食べますね。スーパーではお肉として売っているけど、あれはもともと生きている動物だよね。
そういう、食べられる動物を『家畜』といいます。
蓄は動物という意味なので、家畜は人が育てた動物ということです」

「家畜にはいろんなものがいます。牛、豚、ニワトリ、馬、その他スイギュウとかアルパカ、ダチョウ、犬や猫、ミツバチも家畜です。
食べるだけじゃなく、荷物を運んだり毛を利用したり、人間の役に立つように飼っているものが家畜です。」
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動物の写真を見ながら、説明していただきました。
では、家畜がお肉になるまでに、どういう過程を経るのでしょう。

食肉センターでどのようにして牛が枝肉になるかを、イラストを見ながら説明していただきました。
まず、ノッキングといって牛の頭に銃で鉄の棒を打ち込み、脳死させるそうです。
皮をはぎ、内臓を出してきれいに洗います。
背中で半分に割った状態(枝肉)となり、さらにー2℃から0℃で2~3週間熟成させるそうです。
食肉センターには、亡くなった動物たちのための慰霊碑も建てられているようです。

「ニワトリと比べると、牛はとても大切に飼われているよ。牛農家さんの中には、牛は食べない人もいる」
「ニワトリは狭いかごに入れられて、薄暗いところでたくさんえさを食べさせられて、運動不足にして育てられているんだよ。少しでも多くお肉にするために。
ニワトリの消費量が圧倒的に多いから、そうなってしまうんやなあ。
卵を産むためのニワトリも、まるで機械のように卵を産まされてる」

人間の食べ物になるために、家畜たちはそんな飼われ方をしているんですね。

自分たちが普段スーパーなどで買って、何気なく食べているお肉ですが、
こんなふうに育てられ、屠畜され、お肉となって食卓に上ってくることがわかりました。

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子どもがこんな質問をしました。
「ニワトリが飛べなくなったわけは?」
藤島さんはこう答えていました。
「それは、人間が改良した結果やね。肉を多く食べるために」

人間は都合のいいように動物を変えてしまった。
考えさせられるお話でした。(A.M)