【ワールドオリエンテーション】MY VOICE ~自分を表現するってどういうこと?


中学部のワールドオリエンテーションは、ひとつのテーマについて、中学生がそれぞれの視点で調べていき、自分の考えを構築していく時間です。

2023年1学期のワールドオリエンテーションのテーマは「MY VOICE」

今、自分が感じていること、考えていること、それをいろんな形で表現してみることに挑戦しました。

1学期は何かを調べるというよりも、まずは自分と向き合う・自分を知ることから始めています。

まずはスタッフから今回のテーマで取り組みたいことについて説明しました。

「MY VOICE」とは、

・今の自分を表すもの ・わたしの世界(自分の中にある) ・わたしから見た世界 ・感情

・自分らしさとは ・自分が大切にしているもの

中学部では発表でパワーポイントを使うことが多いですが、今回はパワーポイントはなし。

調べたことをきれいにまとめて発表するのではなく、自分を表しやすい方法を探してもらいます。

言葉ではない方法で、自分を表現するとしたら?

言葉を使わない伝え方って?

同じ言葉を聞いても抱くイメージがちがう

表現方法にはどんなものがあるかを、グループに分かれて考えてみました。

案を出してみれば、いろんな方法があることが分かりました。

ワーク① 写真で表現「落ち着く情景」

そして2回目には、まず「写真」という方法で、自分の感覚を写してみる(表現する)ことに挑戦しました。

各自カメラを片手に学校内や外へ撮影へ。写してきてもらうテーマは「落ち着く・安心と感じる情景」です。

1時間ほどの撮影の後、それぞれに1枚を選んでもらいました。

学校近くの公園、学校のお気に入りの場所、クラスメイトのいる風景、空、木陰、家へと続く最寄り駅…

それぞれの「落ち着く情景」が映し出されました。

一方、自分の内面に向き合う時間になるので、頭で考えすぎたり、他の人のことが気になったりする人にとっては、なかなか難しい時間でもあるようです。

ワーク② ニーズを考える

「MY VOICE」は自分がどんなことを大切にしているかということにつながります。

次は「MY VOICE」をニーズとして取り扱い、NVC(非暴力コミュニケーション)の手法でニーズに迫ってみることにしました。
最初に、スタッフから、同じ出来事であっても、一人ひとり感じ方は違う、それは、それぞれの感情の裏にあるニーズが違うからと伝えました。

3人グループに分かれて、ちょっと心が動いたエピソードを起点に、そこから、ニーズに迫っていくというワークを進めていきました。

ワークそのものがそんなに簡単ではないので、少し戸惑っている人もいましたが、なんとか参加者全員のニーズに迫ることができました。

「感情を表す言葉は、うれしい、かなしい、など、あんまりたくさんないなと思っていたけど、色んな言葉があるのがわかった。」
「自分がうれしいと思って話したことでも、ネガティブな言葉を贈られたので、ちょっとおどろいた。」
「自分のニーズを表すのにぴったりの言葉がなかった。」
「自分で思っていた感情やニーズと、グループの人から贈られた言葉は違うけど、違うからこそ知れてよかったなと思った。」

などの感想がありました。

自分の「興味のタネ」はどこにある?

これからは自分が表現したいテーマそのものを考え、それを表現するための方法を探ることをはじめます。

こどもの森ではプロジェクトなどでも、「自分の興味・関心がどこにあるか」「好きなことは何か」自分と向き合う時間が多いですが、今回もまさしく自分の「興味のタネ」がどこにあるかを追求していきます。

それならこういうことを表してみたい、とすぐに動き出す人もいれば、

こういうことは苦手だと頭を抱えてしまう人も。

ふだんから絵を描くのが好きな人が、「好きなものをただ描くのではなくて、『自分を表す』ということを考えると難しい」と話していました。

また、前回のニーズを考えるときのリストから、気になる言葉を選んでいる人もいました。

まずは自分の好きな世界につかってみる

アイデアを出し合ってみる

自分を見つめることや、自分と向き合うことは簡単なことではありませんが、まずはその糸口を見つけてほしいと思います。

あなたにはあなたにしかできない表現方法があるはず。

スタッフもいろんな問いを投げかけながら、一緒に探していきます。

ここから、中学生たちが何をどう表現していくのか、楽しみです。