今回はイタリア人のフランチェスコ マリア サッチさん(料理人、建築家)を講師にお迎えし、はじめにイタリアの食と文化について教えていただき、後日調理実習を行いました。
事前学習編
事前学習では、イタリアの地理や気候の紹介があり、地域による産物のちがいから地方ごとに特色のある食べ物が食べられている事を知りました。温暖な気候で作物が良く育つので「ヨーロッパの庭園」と呼ばれていたり、海の幸も豊富で豊かな食を楽しめて「バカンスの楽園」と言われているそうです。
日常の食事について説明がありました。
イタリアの朝食は軽く、おとなはコーヒー、こどもは牛乳などの飲み物と甘いクロワッサン、お菓子などを食べて出かけます。学校では11時頃に軽食をとる時間があり、おべんとうのパニーニと呼ばれるサンドイッチを食べます。
イタリアの中学校は13:30頃に授業が終わり、昼ごはんを自宅に帰ってから食べます。宿題をした後はほとんどの人がスポーツに行き、20:30ごろから家族そろって夕食を食べるとのことでした。
学校へは私服で行きますが、短いズボンをはくのは禁止だと聞き、「夏は暑いのに何で?」という質問に「ケガをするから」という答えでした。
有名なレシピは、北部ではラザニアボロネーゼ、ニョッキ、リゾット、ラビオリ、中部ではスパゲッティカルボナーラ、トリュフのパスタ、ラビオリのスープ、南部ではピザや魚のレモンスパゲッティなどがあるそうで画像を見ながら説明がありました。海岸に近い地方では、日本のように生で魚介を食べるところもあるそうです。そしてモッツァレラやパルミジャーノなど4000種以上のチーズがある事を知りました。その種類の多さに驚きです。
子どもたちからは「どんなスポーツをしますか」や「どんな食べ物が人気ですか」の質問があり、「90%の人がサッカーをします。みんなサッカーが大好きです。」や「ピザやパスタをたくさん食べます。私もとても好きです。」と答えていただきました。
ローマ帝国時代の服装で盾や剣を持って戦う「歴史再現グループ」の活動があり、週末に通う子どもたちが大勢いて、今でも大人気だそうです。フランチェスコさんが古代の衣装を着て剣と盾を持っているところや、戦いの場面の写真を見ると、古代ローマの映画のようです。
言葉に関しては、イタリア語はもともとラテン語から発達した言葉で、フランス語、スペイン語、ポルトガル語などと同じロマン語の仲間なので、イタリア語が話せるとそれらの言語も理解しやすいそうです。また北の地域では、家庭や学校で通常フランス語やドイツ語を話すところがあったり、特殊な方言を話す地域では言葉がわからないことがあるという事も知りました。
イタリアには遺跡がたくさんあり、ローマの中心部のコロッセオやポンペイが有名で、ポンペイは火山の噴火で町ごと埋まり、当時の人々が発掘されたお話もありました。
フランチェスコさんにたくさんの食べ物の画像を見せていただき、「うわー、おいしそう」「マリトッツオ知ってる!」「あ、サラミや」「えっ、これ何?」と言った声がたくさん聞こえました。フランチェスコさんはニコニコしながら子どもたちに一つ一つ説明してくれました。
調理実習編
調理実習では、じゃがいものニョッキ、カルボナーラ、ティラミス風デザートをグループに分かれて作りました。
じゃがいものニョッキは、ゆでたじゃがいもをつぶした中に小麦粉、卵、ナツメグを入れ、棒状に成形して小さく切ります。一つずつをフォークの背中に押し当てて、クルリと丸くころがして作ります。「えー、これむずかしい~」と言いながらもどんどん数を作っている間にだんだんとうまく作れるようになりました。
ソースはにんにく、トマトの水煮、バジルを使ってトロリとしたシンプルなソースが仕上がりました。ニョッキを茹でてソースをからめて出来上がりです。
カルボナーラは、まず強力粉に卵を入れて練り、綿棒で伸ばしたあと包丁で切る手作りパスタを作ります。薄く細く伸ばした後に、くるくる丸めて麺を切るやり方に「こうやって手作り麺がつくれるんや~」と感心しながらつくりました。真剣に包丁でトントンと切っていきます。カルボナーラの仕上げはベーコンを炒めたフライパンにパスタを入れ、チーズ入りの卵液を混ぜてしっかりソースを絡ませて、出来上がりました。
ティラミスは、スポンジケーキの台に甘いコーヒーをしみこませます。紙コップで簡単にスポンジケーキを作るやり方は、時短のためにフランチェスコさんが考えてくださいました。
クリームは、ボールに小麦粉、片栗粉、卵、牛乳、さとう、バニラ、レモンピールを混ぜ、鍋で弱火でじっくり煮て作りました。ガラスの器に一つずつスプーンで入れるのが結構難しく、「うわー、ベタベタになる~」と苦心しました。最後にココアパウダーをふりかけて仕上げました。
みんなでテーブルを囲み、「いただきます!Buon appetito!ブオナ ペティート」
「おいしいね~。Buonissimoブオニッシモ」という表現を教えてもらい、あちこちから聞こえました。。
「ごちそうさまは何ていうの?」の質問に
「ごちそうさまは言わないけど、Era Molto Buono エラ モルト ブオノ とても美味しかったはいいますよ」
今回は、フランチェスコさんからイタリアの気候、歴史や文化を紹介していただき、本場の料理を作りました。
素材の持ち味を生かし、料理に少し手間と時間をかけ、自然のおいしさを家族みんなで味わうイタリアの食文化を学ぶ楽しい時間になったこと思います。
m.y