中学部の選択プログラム「世界の料理」では「食文化から世界を知ろう!」をテーマに学習します。その国の料理を作ることが、食材である野菜や肉類、スパイスなどから地理や気候、歴史、宗教、習慣や文化と関わり、それらを知る事で多様な世界に興味、関心を広げていければと考えています。
まず、様々な国の料理の本をみんなで見て、最初につくる料理を決めてもらう事にしました。その時に、「これ作りたい!」と声があがったのが、ギリシャの「バクラバ」というパイ生地のお菓子でした。このことをきっかけにギリシャについて学習することにしました。
ギリシアってどんな国?
クッキングの前の事前学習として、みんなでギリシャについてどんなイメージがあるか考えてもらいました。
「アテネ」「神殿」「長いドレスを着た女の人」「ギリシャ神話」「星座」「オリーブ」
「葉っぱでできた冠」など、頭に思い浮かんだことを出していきました。
スタッフ:「オリンピック」発祥の地ってどこか知ってる?
Aさん:「えっ・・・ギリシャ?」
スタッフ:「そう、ギリシャ。入場行進の時にいつも先頭で旗を掲げて入ってくるのがギリシャの選手です。」
星座がギリシャ神話に登場する神々の名前が付いている事や、オリーブの生産量が世界第3位などの話をしている時に、こどもたちの中からギリシャ哲学のソクラテスやアリストテレスの名前が出てビックリ。さすが中学生、興味の幅を感じました。
調理実習ではみんなで相談して「ムサカ」という野菜とミートソースを重ねた代表的な料理とパイ生地のお菓子「バクラバ」を作る事に決まりました。
パイ生地って何? ホワイトソースって? 小麦粉、炒めるって?
「バクラバ」チームはパイ生地は時間の関係で冷凍のパイ生地を使いました。
Sさん:「パイ生地って何なん??見た事ないけど」
パイ生地は、小麦粉にバターを入れて練り上げた板状の生地です。始めて見る人が多く、焼く前に綿棒で少しだけ伸ばす作業が思いのほか大変です。
生地がベタベタになり、3枚重ねるにも大きさがバラバラで大苦戦。生地の間に挟むナッツ類はすり鉢でトントンたたいて小さくしました。
「ムサカ」チームはバターで小麦粉を焦がさないようにていねいに炒め、牛乳を加えて滑らかな白いソースを作りました。
具材のかぼちゃは硬くて少々大変でしたが、レンジの助けを借りて何とか薄く切り、フライパンで炒めて塩で味付けしました。
ミートソースもトマト、ハーブがきいていい味に仕上がりました。かぼちゃ(本場ではナスが多い)とじゃがいもとミートソースが層になるように重ね、最後にホワイトソース、チーズで仕上げます。
パリッと焼き上がったバクラバ ボリュームたっぷりのムサカ
バクラバ作りはパイ生地が余るので、使いきってしまおうと予定より1枚多く、上に重ねました。その生地は、試しに延ばさずそのままのせまたところ、焼き上がってみると、その1枚だけプウッとふくらんでいます。あとの3枚の膨らみが悪かったのは、何度も伸ばしたせいかな?
最後に少しオレンジが香るシロップをかけました。おいしそうな焼き目が付いていい仕上がりです。
かぼちゃ、ミートソース、ホワイトソースの重ね焼きのムサカは、こちらもこんがりとボリュームたっぷりに仕上がりました。
「うわっ、おいしい!」とどちらも満足のいく出来栄えでした。
こど森マイプロジェクト展で展示・発表
ギリシャについて、一人ひとり関心のある小テーマを調べてまとめ、模造紙に貼って展示しました。
ギリシャの基本情報、バクラバ・ムサカ、アルファベット文字のルーツになるギリシャ文字について、ギリシャの植物、世界遺産 パルテノン神殿、オリンピックなど一人ひとりの興味、関心にそって調べた事をまとめました。
様々な国の料理から、外国の多様な文化に関心を広げ、違いを受け止められる人になってほしいと願います。
m.y