「わたしが外国人だってこと知ってた人いる?」
と、スタッフのれなさんからみんなに質問が。
今日は、テーマ学習(『ちがいってなに?』)の一環で、れなさんのお話を聞きます。
「わたしは、日本に住んでいる外国人、在日韓国人として生きています。」
低学年のみんなにも分かりやすい言葉を選んで、またこどもたちから出た言葉もたくさん拾いながら、一緒に床に座ってお話をしていきます。
れなさん 「じゃあ、どうして外国人が日本に住んでいると思う?」
こども 「暮らしが悪いから日本に来たんちがう?」
こども 「空気が悪いからやで。」
こども 「なんかさ~空耳かもしらへんけど、昔に戦争しててん。だから日本に来てん。」
れなさん 「歴史のなかで昔、日本人は韓国人にたくさん命令をした時があったの。
日本の名前を名乗りなさい!とか、人手が足りないから日本に来て働け!とか。」
「急に連れ去られて、無理矢理日本に連れてこられた人もいたの。韓国と日本をむすぶ船が日本の神戸とか大阪に着いたから、今でもその地域に韓国の人たちがたくさん住んでいるんだよ。」
神妙にれなさんのお話を聞いているこどもたち。
名前のことについて、れなさんからこんなお話が。
れなさん 「みんなには名前っていくつある?」 「私はね、二つあるの。」
「なにそれ!どっちなんよ!」 と、こども。
れなさん 「ほんとやんね。どっちなん~?って思うよね。名前はね、どっちを使うかって自分で決めれたんだよ。」
「小学校の時は、韓国人の名前の人が多かったから、本名の韓国名を使ってたの。けど、高校に入ったら日本人がいっぱいいるから、日本の名前を使っててん。日本の名前を使った方が便利やと思ったし、みんなに嫌われへんようにって。」
「でも、日本の名前は本名ではないから、なんだか嘘をついてる気持ちになったり、本当は韓国人っていうのを友達に言うのがこわくなったり、なんか誰にも言われへんくなっててん。」
「何にも悪いことしてないのにな、なんか本当のことを言ったら嫌われるんちゃうかなって、怖かってん。」
こども 「そんなことないのになあ。」
れなさんのお話を聞いて、ぽろっと出たこどもの言葉。純粋に、そんなの変やわって思ったのでしょう。
そんな高校時代ではあったけれど、その後韓国へ留学して、韓国のことを知って好きになったから、今は堂々と韓国人ですって言えるよ、と話してくれました。
また、この日こどもたちは、国籍が違うと日本で住むときどんなことが起こるのかを知りました。
在留カードのこと、職業選択のこと、選挙権のこと、ヘイトスピーチのこと・・・
特に、選挙権がないことについては、今みんなが参加している全校集会を例にれなさんが話してくれたのでストンと頭に入っていたようで、
「えーーーー!!なんでなん!!」
という反応。
ヘイトスピーチに関しては、「そんなんただの嫌がらせやん」 と言うこどもの感覚。
低学年のこどもたちにとって、今日の話は本当に変で、おかしくて、嫌やな、と感じた様子。
話を聞いた後、「差別とか偏見とか、消えることってあるん?」 と、一年生かられなさんに質問が。
れなさん、みんなはどう思う?とこどもたちに同じ質問を投げかけてみます。
「ない!絶対ない!」 と、断言するこどもも。
なんでやと思う?と聞いてみると、
「ん~分からんけどなんとなく。。。さっきのあれ、なんやったっけ、あれをやめたらいいねん。あれ、嫌がらせのやつ、ヘイトスピーチ。」
ん~、なるほど。そうやね。と、れなさん。
最後に、ヘイトスピーチ反対デモのことや、それに関する法律のこと、また、誰もが安心して暮らせるようにどうしたらいいのかっていう正解は大人も持っていない、ということを話してくれました。
だからこれから、学期を通してみんなと一緒に考えていきたい、そういうことをみんなと考えられることが幸せやと思ってる、そんなことを話しながら今日のテーマの時間を終えました。
こどもたちの感覚、本当にその通りでもっともなことであるなあと、本来みんなって生まれたときからそうなんだよなあと、感じさせられました。
れなさんの話を聞きながらそんなのおかしい!って思ったり、こどもたちの純真な気持ちや発言を聞いていると、涙がぽろぽろこぼれてきて、わたしにとっても学び多い時間でした。
こどもたちとこれからたくさん感じ、話し、考えていけること、本当に幸せなことです。
(M.F)