毎月1回、低学年クラスでは、低学年集会を開いています。
今回の議案は「細長い筒のこと」
実は、この日、東邦レオ株式会社さんから屋上に人工芝を敷いていただいたのですが、
その人工芝を巻くための紙製の長ーい芯があることに気付いた一人の男の子が、
作業の方にお願いしてもらってきたのです。
とても長いその筒は、子どもが持っても先が軽々天井まで届くほど。
子どもにとっては、とても魅力的なものでした。
それを何人かの子どもが自分のものとして、昼休みに嬉しそうに遊んでいました。
芯は全部で4本。
はたして、早い者勝ちで自分のものにしてしまってもいいものか?
Y(スタッフ)「こういう場合、筒はもらった人のものか、みんなのものか、どう思う?」
T(1年男)「Kちゃん(もらってきた子)とかがプロジェクトで剣とか作ったらいいんじゃない?」
R(3年女)「学校のものにして使いたい人が使ったらいいと思う」
T(2年男)「あの棒は学校全体のものにして、使いたい人が使う。使いたい人がだぶったら、ゆずりあうのがいい」
S(1年男)「必要な時に使ったら?たとえば高いところのものを取る時とか」
H(2年女)「Kちゃん以外にもらった人がいるの?」
K(2年男)「オレが『もらっていいですか?』と聞いて『いいよ』ってもらってきた。他の人もあとから3階に上がってきてもらってたけど、誰かわかんない」
R(3年女)「私は、学校のものにして、Kちゃんが使いたいときに使えばいいと思う」
S(3年女)「学校のものがいいと思う人が多そうだけど、みんなそうかな?」
K(3年女)「私も学校のものがいいと思う」
Y(ス)「『学校のものにする』と決めた時にKちゃんがもらったというのはなくなって、みんなおんなじになると考えたらいいということやな」
M(ス)「高学年や中学生の中には、この長い筒のことを知らない人もいると思う。低学年だけで決めたら、特別感のある棒やから、後から知っていやな気もちになる人がいるかもしれないね」
R(3年女)「全集で話し合うといいと思う」
R(3年女)「じゃあ、全集に出すということでいいですか?」
全員「はい」
Y(ス)「ひと言言わせて。Kちゃんが『ください』と言わなかったら、おじさんたちはきっと長い筒をぽきぽき折ってゴミにしていたかもしれない。Kちゃんはきっとどきどきしながら聞いてくれて、いいものをもらってきてくれて、うれしいね。」
全員、拍手!
大人が「それは不公平だから、学校でもらったものにするべきです」と言うのは簡単ですが
そこをあえて言わずに子どもたちに考えてもらい、それぞれが思ったことを言い合い、どうするのが全体としていいのかを自分たちで導き出す、その過程がとても大事だなあと思いました。(A.M)