2月14日バレンタインの日。
国立天文台から天文学者の方が来てくださり、宇宙のお話をしてくださいました。
国立天文台が毎年実施している「ふれあい天文学」という出前授業に今年度も応募し、
実施していただけることになりました。
3度目となる今回来てくださったのは、惑星がご専門の生駒大洋さん。
大阪ご出身とあってか、お話もおもしろく、あっという間の90分でした。
天文学者のお話を聞こうと、この時間を選択した高学年、中学生23名が集まってきました。
部屋は暗くして、天井に家庭用プラネタリウムで星を投影し、みんなの心を宇宙へと誘いました。
どんなお話が聴けるのか、わくわくがむくむく湧き上がってきました。
国立天文台って何をしているところ?
「みなさん、国立天文台ってどんな仕事をしているか知っていますか?」
生駒さんからの投げかけに、「宇宙に関係することじゃないかな…」と
心の中でつぶやいたであろう子どもたち笑
「この間節分でしたね。豆まきしたかな?今年の節分は2月2日で、いつもと違いましたね。
国立天文台の仕事のひとつは、暦を計算して祝日を決めることなんです」
実は暦は地球の動きをもとにして決めているのです。
それを計算して祝日を決めることが、国立天文台のお仕事なんですね。
その他、国立天文台のお仕事として以下のことがあるそうです。
・時刻を決める
・星空の情報を伝える
・最先端の天体望遠鏡やスーパーコンピュータを管理運用して宇宙の研究をする
ハワイ・マウアケア山頂にある「すばる望遠鏡」で観測する時には、
空気が薄いため、いったん下にある施設で一晩トレーニングをしてから行く、
というお話や、
岩手県水沢市にあるスーパーコンピュータ「アテルイ」は、
なぜ東京でなく岩手県にあるのかというと、
それはこの巨大なコンピュータの熱を冷ますのに、
なるべくエネルギーを節約するために寒い地域に設置された、
というお話など、
トリビア的なお話が次々出てきて、「へえ~~」と興味深く聞き入りました。
お月さまのお話
「みなさん、月はどのくらいの大きさか知っていますか?」
「え~、どれくらいやろ」
なんとなくこれくらいかな?と想像する子どもたち。
月は、地球の4分の1の大きさだそうで、
地球から約38万㎞離れたところにいるそうです。
月のなりたちについても教えてくださいました。
45億年前、地球がまだ溶岩のようにドロドロだった頃に、大きな星がぶつかって
そこから月ができた「ジャイアントインパクト説」が有力な説として言われていますが、
それを大きなコンピュータの中で計算してみたところ、
コンピュータの中でたしかに月ができたそうなのです。
コンピュータで計算できてしまうなんて、ほんとすごいですね!
もし惑星が月の位置にあったとしたら
とてもおもしろい画像を見せていただきました。
生駒さんが普段お仕事されている東京大学の空にはめ込んだ、月や惑星の画像です。
誕生したばかりの月は、今よりずっと地球の近くを回っていたそうです。
これぐらい近くに。

「えーー!近っ」と思わず驚きの声が。
時間とともに、月はどんどん地球から離れていってしまっているそうです。
日食という現象は、太陽と月の見かけの大きさが同じだから起きるので、
月が離れてしまうと、もう今のような日食は見れなくなってしまいますね。
わたしたちは、ちょうど日食が起こる時代にこの地球に生まれてきているんですね。
さて、ここから惑星のお話になっていきました。
太陽系にある8つの惑星の中で、一番大きい星、木星。
もし、この月の距離に木星があったら、いったいどんなふうに見えるでしょう?
もし、土星だったら?
あまりの迫力に子どもたちから歓声があがりました。
太陽系の8惑星の中で、地球だけが、ハビタブルゾーンと呼ばれる
太陽からちょうどいい距離に存在しています。
暑すぎず、寒すぎず、水が蒸発せず凍らず、液体として存在するゾーンです。
生命が生まれることが可能な環境に、地球は奇跡的に存在することができたんですね。
ここで5分休憩。
子どもたちが生駒さんに質問しにきました。
「冥王星って何ですか」
「日食は次はいつですか」
「宇宙の距離ってどうやって測るんですか」
生駒さんは一人ひとりに丁寧に答えてくださっていました。
地球型惑星は存在するのか?
さて後半は、系外惑星探査のお話でした。
系外惑星とは、太陽系以外の恒星が持つ惑星のことです。
地球みたいな星は宇宙に存在するのか?
わくわくします!
1995年、人類は初めてペガスス座に系外惑星を発見したんだそうです。
どうやって見つけたのか?
それは、星の動きを観察すること。
2つの方法があって、
①ドップラー効果(光の波長の性質を利用)
②トランジット法(惑星が恒星を横切る時の減光を観察)
というものだそうです。
だんだん話が難しくなってきました笑
系外惑星はこれまでに、5832個も見つかっているんだそうです。
びっくりですね!
さらに、その中にはハビタブルゾーンに入っている惑星もいくつか見つかっているそうなのです。
生命がいるかもしれない星が見つかっているなんて、期待してしまいますね。
生駒さんは今、「Arielミッション」という、系外惑星の大気を調査するミッションに参加されているそうです。
すごいですねー!
系外惑星を知ることは、地球がどうやってできたかを知ることともつながってきます。
生命の誕生にも関わってくる、とっても興味深いミッションです。
いつか、わたしたちのように知性を持った生命体がいる星が見つかるかもしれませんね。
生駒さん、子どもたちに最先端の宇宙のお話をしてくださり、
本当にありがとうございました。
(A.M)
当日の様子はYouTubeチャンネルで見ることができます。
こちらからどうぞ↓
2025/2/14 ふれあい天文学