【低学年テーマ】食べ物の通り道〜いちごは赤いのになんでうんちは茶色いの?〜


2024年度低学年の3学期のテーマは「からだラボ〜はっけん!わたしのからだ〜」でした。

「わたしのからだ」から始まる気になることや問いをスタートに、3つのグループをつくって探究しました。

【低学年テーマ】わたしのからだ、どうなってる?~からだ研究所スタート!~

3つのグループは、以下の3つです。

①食べ物の通り道グループ

②ほね・きんにくグループ

③細胞グループ

 

このブログでは、「食べ物の通り道グループ」の学習の様子についてお伝えします。

 

どんなことが気になる?

まずは、グループに入ったメンバーにどんなことが気になるか聞いてみました。

グループは1年生5名、2年生1名、3年生1名の計7名です。

1年生中心のグループでどんな探究になっていくか楽しみです。

 

「食べものはお腹の中をどうやって下まで行くのか?」ということに対して
「行き止まりとかあるのかな?」「氷食べて脳みそに当たるから頭キーンとするのかな?」と話したり、
「幼い時は食べたものが頭の上に乗っていって身長が伸びてるんだと思ってた」「棘が指に刺さったときってそれも体の中に入っていってるの?」「食べ物って口以外からも吸収できるの?」など聴き合いながらいろいろと話が膨らんでいきました。

その後、改めて今後やってみたいことや気になることについて出し合って、このグループとしては、食べ物の通り道のもけいをつくってみることに決まりました。

面白そうな本があったので、読んでみました。

食べ物の通り道ってどうなっているの?

まずは、食べ物の通り道がどうなっているのか知ってみようということで、NHKの「食べ物の通り道」という動画を見てみました。

動画の中には胃カメラを使って、実際の胃の様子が映っていました。
「うえー。気持ち悪〜」
他にも胃酸と同じような液体を使って、肉を6時間で溶かしていたり、小腸、大腸の映像を見たりしました。

「腸ってこんなにうねうねのやつあるんや」
「今私たちの中にもあるってこと?」
「もう一回見てみようよ!」

2回目動画を見た後、食べ物の通り道についてわかっていることを出したり、ゲストで来てくれる方に質問したいことを出しました。

「食べたものは口→食道→胃→小腸→大腸の順番に通る」
「膀胱は?」
「膀胱は通らんやろ〜」
「でもおしっこはそっちから出てくるんでしょ?」
「うんちも膀胱を通る?」
膀胱がどうつながっているかについては、ゲストの方に聞いてみることにしました。

食べ物の通り道のイラストを見ながら
「気道と食道ってどうなってんの?この絵じゃ重なってるけど」
「気道と食道ってつながってるの?」

また、2コマ目の性教育で赤ちゃんの話があったところから
「赤ちゃんのときから食道から腸まであるんかな?」
「全部はないんちゃう〜」と赤ちゃんと大人の違いも興味を持っていました。

 

 

別の日には、「消化管の旅」というNHKの動画も見ました。
「前見たタコみたいなやつや!」
「腸液やって!胃液だけじゃないんや。」
「十二指腸って腸の入り口なんや」
「気持ちわる〜」
スタッフ「でもここにいるみんなのお腹の中はこうなってるんやで」
「えっ!TWICEもプリンセスもどろぼうもあるの?」」

まだ、この気持ち悪い中身が自分たちの中にあることが信じられない人もいるようでした。

人体図鑑という本を見て、詳しく知りたい臓器を見てみることにしました。一人の人が中心になって読んでくれました。 「膀胱は尿をためるところで、尿は腎臓でつくられるんやって。尿管があってそれでつながってる。」 「膀胱今いっぱい?」 「今いっぱい。トイレいってくる」 ここで3人くらいの人がトイレに行きました。 「筋肉が耐えられないくらいならしょうがないよな〜」

「食べ物のゆくえ」というNHKの動画もみました。 「小腸って6メートルもあんの?」 「この泡みたいなのなに?」 「胃液じゃない?」 「葉っぱみたいなのがある。」 「さっき食べてたりんごのかすかな?」 「(柔毛を見ながら)珊瑚礁みたいやな。養分とって、血管通って、細胞にいくんや」 「食道から9メートルもあるんやって〜(肛門まで)」 「9メートルってどのくらい?」 実際に長さを確認してみると、高学年のドアから低学年の部屋を通り抜けて階段の3段目まで降りたところが9メートルだとわかりました。

どんな模型にする?

食べ物の通り道の模型作りについて話し合いました。①何をつくる?②大きさは?③どうやってつくる?の3つが気になるという提案があったので、それに沿って話を進めていきました。

結果的に食道・胃・小腸・大腸・肛門(消化管)と腎臓・尿管・膀胱・(泌尿器)+本体づくりで担当を分けることになりました。

材料についてもイメージを膨らませました。
「中がわかるように開けるようにしたらどうかな?」
「胃の中をプチプチでうめるのは?」
「食べ物もつくって入れるようにしたら?」
「入れたらうんちに変わるようにできたらいいやん」
「小物は見にくる人が触れるようにとれるようにしたらどう?」
などいろんなアイデアが出ました。

 

模型づくりスタート!

まず、数年前に「からだとこころ」というテーマで現在高学年になった人たちが作成したからだの模型の写真を見て、そこからアイデアをもらいました。

結果的には、以下のようになりました。

◯本体のイメージ
・本体はダンボールかプラスチックダンボールでつくる。
・そこに発砲スチロールを敷き詰めて土台にして、臓器などをはめれるようにする。
・臓器は取り外したりできるように発砲スチロール

◯泌尿器のイメージ
・腎臓は紙コップでつくる。血液にならなかったものが尿になることを表すために近くに血管も描く。
・尿管をストローでつくる。
・膀胱は風船にする。
・おしっこを黄色の着色料でつくって、腎臓から膀胱まで通してみたい。

◯消化器のイメージ
・食道をストローでつくる
・胃を赤い風船でつくって、膨らむようにする。

小腸と大腸をどうつくったらいいか困ったので、使えそうな素材を探しに行くことにしました。
探してみると、ラップの芯が使えそうだということでした。

「心を半分に切って、それを透明なファイルで覆ったらどうかな?」
その案で、つくっていくことになり、みんなで大腸っぽい色で塗りました。

「膀胱でかくない?形も少しちがうような気がする。全部入るかな?(ダンボールの中に)」
この意見も受けて、実際にダンボールに配置しながらつくっていくことになりました。

小腸をどうする?と話し、①ストロー②紙をまるめる③大腸と同じつくり方の3つの案が出ました。
「リアルな感じがいい」ということで、大腸と同じく筒を切り、クリアファイルをまくことにしました。

 

また、以前ゲストが質問会に来てくれたときに聞いた「いちごは赤いのにうんちはなぜ茶色いの?」という質問で、肝臓と胆嚢のことを教えてもらっていました。
肝臓と胆嚢もつくれたらということで、これも風船でつくることにしました。

また、本体も少し人間っぽくしようということで、服っぽくしたり、顔を描いたりしました。

 

 

発表

模型作りを進めていると、あっという間に発表の日が近づいてきました。

「どんな発表にしたい?」と話していると

「つくったもけいをみんなにみてほしい!」

「じっさいにうごかしてみたい」

「クイズもしたい」

ということで、模型を見せながら説明して、最後にクイズをすることになりました。

 

    

では、実際に発表で出してみたクイズです!

 

答えは「小腸」です。子どもたちの間でも胃の後は「小腸につながってるの?大腸に繋がってるの?」とイラストを何度も見ていました。

 

 

 

 

素朴な疑問ですよね。ゲストの方に胆汁の色がつくからと教えてもらいました。

 

食べ物の通り道を知って

テーマを通して、「わたしのからだ」を探究してきました。

このグループは特に食べ物の通り道のことを探究して、今までよくわからなかった体の中がどう繋がっていって食べ物が通っていっているのか、そしてうんちやおしっこが出てくるのか?ということがわかるようになった感じがします。

体を大切にするためには、まずは「体を知ること」が大事です。

今回のテーマがそのための土台になってくれると嬉しいです。

他のグループの人と行ったテーマの振り返り。もっと知りたいことがたくさんあるところが素敵ですね!

 

(T.Y)