「手話エンターテイメント発信団 oioi(オイオイ)」さんから、りょーじさんがこどもの森に来てくれました!

はじめは全クラスを対象に手話体験をしました。体を動かしながら、たくさんの手話を教えてもらいました。

「へぇ~」顔の前を片手で上から下へおろしていく、「なるほど~」中指・薬指・小指を折り曲げて、親指をあごにつけて、人差し指を鼻の前でぴょこぴょこ動かす、「いいね~」拳を鼻から上に伸ばしていく
この時、顔の表情もつけるとより相手に伝わるそうです。覚えた手話を二人で向き合いながら、やってみることに。大きく目を見開いたり、うなづいてみたり、いつも話をする時よりも表情が豊かになっていました。


他にも「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「またね」などのあいさつも教えてもらいました。


最後には、手話体操をしました!ラジオ体操ではなく、手話体操。体操の中にいろんな手話が盛り込まれています。体を動かした体操にもなるし、手話も覚えられるし、一石二鳥のおもしろい体操でした。
気付けば、りょーじさんが楽しく教えてくれる手話にみんな夢中になっていました!笑い声もたくさん聞こえてきて、「手話っておもしろいなぁ~」と思う時間になりました。



聞こえる≠わかるではないということ
その後、高学年クラスにお話をしてもらいました。
耳が聞こえない人はどんな場面が苦手なのか、耳が聞こえない(聞こえにくい)人はどういう音のとらえ方をしているのか、などのクイズがありました。選択肢の中から「どれかなぁ」と考えながら手を挙げていきましたが、どのクイズも答えは「人それぞれ」。そのうち、「あ、これも人それぞれちゃう?」と、「耳が聞こえない」というのはひとくくりにできないことに気づきました。
りょーじさん自身もどのように音をとらえているかを話してくれました。そのなかで、「音が聞こえていても、それがわかるということとは別」という話がありました。「聞こえてる?」と聞かれたら、確かに音は聞こえてはいる。でもそれが理解できる言葉として届いていないことがある。確認したいなら「聞こえてる?」じゃなくて、「大丈夫?」「わかる?」と尋ねたらいいんですね。


最後にはたくさんの質問がでました。
「日本語をどうやって覚えましたか?」「ごめんなさいの手話を教えて」「新しく出てきた言葉はどうやって手話にしますか?」「はい、いいえはどうやるの?」
手話に興味がわいてきた様子で、お話が終わった後も、自分の名前は手話でどう表すのか教えてもらう人がいました。

自分に自信をもつこと、自分の人生を生きること
最後に、中学生に向けて話をしてもらいました。
ここでは、りょーじさん自身のこれまでのライフストーリーを話してくれました。今はとっても明るくて、人前でも楽しいりょーじさんですが、中学・高校時代はひとりぼっちだったそうです。自分に自信がなくて、殻に閉じこもっていました。そんなりょーじさんが変わるきっかけが、「oioi」の活動でした。
手話を覚えて、人前でパフォーマンスをした時、「あんた、よかったで」と声をかけてくれた人がいたそうです。その言葉がうれしくて、活動に前向きになって取り組んでいく中で、どんどん自分が変わっていったとりょーじさんが話してくれました。たった一言、でもその一言が「自分を見てくれる人がいる」という自信につながったのです。
エピソードを通して、自分が変われば周りが変わることも伝えてくれました。そして、中学生へのメッセージとして、「自分自身の受け止め方と自信を持つヒント」を3つ教えてくれました。
・今の自分を認める。
・自分の人生を生きれているか。
・小さな習慣を大事にする。
このヒントは、こどもの森の「自分も人も大切にする」ということと通じるものがあるなぁと思いました。


最後には、歌を手話で表現するパフォーマンスをしてくれました。りょーじさんの気持ちが伝わる、熱いパフォーマンスでした。中学生は静かに聞いていました。きっと、一人ひとりの心に伝わるものがあったのではないかと思います。

笑いあり、感動あり、発見あり、とても濃密な時間を、こどもの森の人たちと共有してくださった、りょーじさん、本当にありがとうございました!!(S.N)