からだ研究所~はっけん!わたしのからだ~
からだについて学んできた2023年度3学期のテーマ学習も、発表・ふりかえりを終え、終了。
(とっても遅くなりましたがブログを更新します♪)
ほね・きんにくグループ、食べ物の通り道グループ、細胞グループの3つに分かれ、
グループごとにいろいろな活動をしてきました。
このブログでは、細胞グループの様子についてお伝えします!
グループに分かれるまでの活動はこんな感じでした!
「どうしても、細胞グループを作ってほしい!!」
さて、今回は上記の3グループに分かれたのですが、実をいうと、もともと細胞グループというものはスタッフは作っていませんでした。
なぜなら、「はたらく細胞」というアニメの人気もあり、「細胞」は確かに気になるトピックであったものの、
細胞自体は小さくて身体の内部にあるので、直接触って何かを発見することもできないし、せっかくのテーマ学習なのに、調べ学習で終わってしまうのもなあ…
というスタッフの判断でした。
ところが、グループ分けの当日、「細胞グループはないの?」「細胞のことがやりたい!」という熱いリクエストが続出。
もう一つ想定していたグループは「歯」のグループだったのですが、そこに入りたい人がほとんどいないという事態が発生。
みんなが出してくれた「問い」をもとにグループを考えたはずなのに…なぜだ…
と困惑するスタッフ。あれやこれや交渉してみましたが
「だって、細胞が知りたいことやねん…。」
という静かで固い熱意を感じて…再編成となりました。
ちなみに再編成は、このスタイルでテーマ学習を進めるようになってから、初めての出来事でした(笑)
いよいよ活動スタート
「細胞は、目で見るのも難しいから、調べたり想像したり、字を読んだり書いたりすることがきっと多くなるよ。」という事前の確認とともに、集まったのは3年生を中心としたメンバーでした。
まずはやりたいこと、知りたいこと出しをします。
細胞の種類、名前と働きを知りたい。
一番よく動く細胞を知りたい。
どの部分にどんな細胞があるの?
細胞に寿命はあるの?細胞の形や大きさは?細胞って合体する?
切り傷や打ち身で、細胞はどのくらい死ぬの?
などなど、疑問がたくさんでてきます。
「細胞」ってそもそも何?
種類や働きを調べたい!と早速進み始めたところで、ある疑問がわいてきます。
「細胞」って何なんだ!何が「細胞」で、何が「細胞じゃない」のだろう…?
そこで、調べ始めます。
「細胞は、生き物をつくる、最小単位の部品だって!」
「レゴブロックの一つ、みたいな感じだね」
「人間の細胞の数は、60兆個!?」
「多すぎてよくわからなーい」
「これ、全部の細胞のことを調べるんは無理やな~!」
「た、確かに。」

ほっぺたの内側の皮膚を染色して、簡易顕微鏡で観察してみました
細胞の不思議
人間の細胞の大きさの平均は、20マイクロメートルで
「一番長い細胞は、「坐骨神経細胞」で、なんと1M以上ある」との文章を読んだときは、「ええええ!?」「ほんとに!?」と、どよめきで包まれました。
「これは「動かない細胞」だねえ。」「ほんと!動いたらやばいよね~!」「なんか、実際に目で見て触ってみたいよね…」と盛り上がります。
単細胞生物のことも知り、アメーバやゾウリムシの映像も観ました。
「え!?これって本当にひとつの細胞?」「細胞の中に細胞はいってへん!?」本当に不思議です。

知れば知るほど不思議だらけ…!
やっぱり血液細胞は魅力的
そのあとは、血液の中の細胞(免疫細胞)について、どんどん調べて、紙にまとめていきました。
本やタブレットを使いながら、頭の中で想像を膨らませて理解していきます。
細胞の働きを説明している文章はとても難しいのですが、このグループの中には「はたらく細胞」シリーズが大好きな人も多く、イメージを膨らませるのに役立っているようです。
確かに、人間に例えて考えたらわかりやすいなあと思うくらいに、役割分担が決まっていて、おもしろいです。
例えば、樹状細胞は侵入してきた細菌やウイルスのことを、T細胞に伝えるのですが、
「樹状細胞が、インフルエンザが来たぞ~!って、T細胞にメールするねんな!」
「メールを受け取ったT細胞は、急いでインフルエンザ用の武器をもってかけつけるねんな!」
のような感じです。
どうやってわかりやすく伝えようか?
ある日はゲストで、かつてインターンをしていたすぎーが来てくれました。
すぎーは、なんと現役のお医者さんなのです。
「細胞」の面白いところ、不思議なところ、みんなが知りたかったことを、わかりやすく教えてくれました。
たくさん細胞のおもしろさがわかってきたところで
「どんな風に発表すれば、みんなに伝わるかな?」と考えました。
劇やクイズの案もあったり、「劇したくない!スライドだけやりたい!」という人もいたりと、決まるまでは少し難航しましたが…
「文字ばっかりだったら、きっと1年生には伝わらない!」
「おもしろいって思っていることが、みんなに伝わるようにしたい!」
ということで、劇を作って発表することにしました。
劇とスライドづくり
発表までの準備期間は、子どもたちのパワーがすごかったです。
①血液細胞の働きについて劇をつくる!
②その他細胞の基礎知識や豆知識はスライドで発表する!
と決まってからは、急ピッチで準備をすすめました。
劇づくりは、即興で演技をして、それを文字起こしするスタイルで台本が完成。

即興で演じているところ(笑)この横で文字起こしをしています
台本が完成して、練習が始まると…
「劇はいや!」とはじめに言っていたメンバーも「みんなでやらないと、劇ができないから」と、
一緒にやってくれました。
練習をはじめると、細胞とウイルスの戦いを演じるのはおもしろかったようで、どんどん調子があがっていきます。

みんなで読み合わせてみて…
劇で使う小道具や衣装もどんどん作っていくメンバーがいたり、
改善点を見つけてはみんなにフィードバックして練習をよびかけるメンバーがいたり、
劇の世界に入り込んで、新しいセリフやジェスチャーを考え出すメンバーがいたり、
セリフをすべて覚えてしまうメンバーがいたり、
スタッフは横で少し相談しながらスライドを完成させている感じで、大人のサポートは最小限のまま、発表づくりが進みました。

リハーサル中!
テーマ学習をグループで進めて、グループで発表するスタイルを何回も経験してきた3年生が多かったからか、、とっても頼もしい子どもたちの姿に、なんだか感動さえしました。
発表も大成功!
1年生にも、中学部の人にも、保護者の人にも、楽しんでもらいながら学んだことを伝えていました。

人の体も、最初はたった一つの細胞だったんだって!と発表しているところ。
「風邪でしんどくて眠ったりゴロゴロしているときも、体の中では細胞たちが大慌てでがんばってるんだな~て思うようになった。」と話している人もいました。
余談ですが、学習に伴走する中で
「20代前半まで細胞は猛スピードで分裂を繰り返して増えつづける。それを過ぎると、今度は細胞の数が減り続ける。」
という事実に出会いました。
同じ部屋にいる子どもたちの細胞は、今現在も分裂して増加中なのか!(自分は減少中なのか…)と想像したら、子どもたちが突然キラキラと光り輝き始め、決して超えられない壁を感じてしまったのでした…。
(Y.T)