みんなちがって みんないい


先日、体験入学をされた保護者の方とお話をする機会がありました。
その時に、そのお母さんが話してくださったデキゴトです。
放課後、帰ろうと子どもと一緒に玄関にいたら、低学年の子がその体験の子に声をかけました。
「今、時間ある?
よかったら一緒にブランコで遊ばへん?
いややったらいいよ。
あ、見てるだけでもいいよ。」
体験の子がどうしようかとしばらく悩んでいる間、その子はずっと待っていてくれました。
そして、体験の子が「う~ん・・・やめとく」と言うと、
「わかった。じゃあ、バイバーイ」
と、さわやかに立ち去っていったのでした。
そのお母さんはその姿を見て、学校の本に書かれていた「違いを認め、ひとりひとりを大切にする」ということが
子どもたちの中で育っているんだなあと実感されたそうです。
「ブランコで遊ぶ」
「遊ばない」
「見てるだけ」
ブランコで遊ぼうと誘うだけのことに、3つも選択肢を用意して、どの選択をするかはその子に任せ、
「遊ばない」選択をしても、「そうなんだ~」と受け入れる。
それは、その子をありのまま認めるということ。
低学年の子どもがそれを自然にしているということに、深く感動されたようでした。
「みんなちがって みんないい」
それをただ言葉だけで伝えても、子どもに深くしみこまない。
こどもの森では、たとえば基礎学習「ことば・かず」の時間には、
ある子は漢字の学習を、その横ではかずのプリントを、
また別の子は自由作文を書いていたり、読書をしていたり。
プロジェクトの時間には、木工室でドールハウスを作る子もいれば
三国志の小論文を書いている子もいて、その横ではアイロンビーズに没頭している子がいる。
ホールではなわとびしている子、ピアノを練習している子。
こんなふうに、物理的にそれぞれが違うということを日々当たり前のように体験しているのです。
だから、みんな一人ひとり違う存在で、それぞれやりたいことも違っているんだと
子どもたちは肌で感じ取っているのでしょう。
そのことに、子どものちょっとした声かけを聞いて気づかれた、
このお母さんの感覚のすごさに驚かされたデキゴトでした。
(A.M)