子ども哲学「なぜ人ものをとってはいけないのか?」


低学年のクラスで哲学をしました。
哲学のろうそくに火が灯ると、みんなは哲学の頭になります。
哲学の頭になるというのは、頭の中で思ったことを口から言葉にして出してみること、
誰かの話をしっかり耳で聞くこと。
今日のテーマは「なぜ人のものをとってはいけないのか?」
最初にスタッフから
「自分のものをとられた人は、どんな気持ちだろう?」と問いかけました。
子どもたちは
「悲しい」
「ショック」
「もやもやした気持ちになる」
そうだよねえ。
「じゃあ、とってしまう人はなぜとってしまうんだろう?」
すると、
「欲しいから」
「あこがれるから」
「うらやましいから」
なるほど。
「じゃあ、とった人はどんな気持ちだろう?」
「最初はうれしい。」
「でも、時間がたつと、悪かったなあって思う。」
「後から反省するけど、言ったら怒られると思って言えなくなる」
そうだねえ。
やっぱりよくないことってわかってるから、いい気持ちにはならないんだろうね。
「でもでも、すごく悪い人は、とってしまっても悪かったって全然思わない人もいると思う。
だから何度も人の物をとってしまう」
確かに、そういう人もいるかもしれないね。
みんなで30分ほど哲学をした後、今感じていることを作文にしました。
ただ、人の物をとってはいけない、という正しさだけでなく、
とられた人の気持ちやとってしまう人の気持ちを想像することで
人に対して広い心を持つことも大切だということを、感じとってもらえたのではないかと感じました。(A.M)
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〈子どもの作文の紹介〉
なぜ人の物を盗るのはいけないのかというと、人の大事なものだから。
だって自分だって人がとられたものを持っていたら大事だったのにと人は思います。
とられた人はかなしいし困ります。
なぜかというと、自分の物が人の物になるんです。
だからかなしい気持ちになりこまります。
でも私は人のものをとっちゃったことがあります。
その時の自分の心はわるかったなぁーと思ってました。
でもそれは人にかえせれました。
その時の気持ちはよかったなと思い、ごめんねという気持ちにもなりました。
とった人の気持ちは悪かったと思います。
だからこれからは人の物をとらないようにしようと思いました。
(3年生女子)