音の実験をしました


今回の科学実験は、「音」についてやりました。
はじめに、エスミさんが「音がするのはなぜだろう?」と子どもたちに尋ねました。
「空気がふるえるから!」、「物がふるえるから!」と子どもたち。
「そうだね。物がふるえると音がするね。」
「声を出すと、どこがふるえるかな?」
「声帯!」と5年生の子どもが答えました。
「そうだね。それでは、高い音と低い音とはどこが違うのかな?」
「ふるえる数が違う!」と子どもたち。
「どちらの方がふるえる数が多いのかな?」
「高い方かな」、「いや低い方だ」と子どもたちの意見が分かれました。
「それでは、これからおもちゃを作って、そのことを調べてみようね。」とエスミさんが言い、紙コップとトイレットペーパーの芯を取り出しました。
音1
しかし、その紙コップの口には紙でふたがしてあります。紙コップの横腹のところに、米印のような模様が書かれています。
「その印にそってはさみで切り込みをいれてごらん。」とエスミさんが指示されると、子どもたちはその通りに切り込みをいれました。
「その空けた穴に、丸い筒を差し込んで、セロテープでしっかりととめるんだよ。」
そうすると、パイプのような形をしたものができあがりました。
音2
紙コップのふたの上に幅5ミリくらいの厚紙を縁にそって貼り付けると、お盆のような形のものができあがりました。
子どもたちがその上にビーズ玉を数個のせて、円筒の口からフゥーと吹いてみるとビーズ玉が動き出しました。もっと強く吹くとお盆の外へ飛び出してしまいました。
次に、5センチくらいの長さに切ったモールをくるくると丸めて、先っぽを立ち上げると、蛇みたいな形のものができました。
「これはモール虫というんだよ。」とエスミさん。
それをお盆の上に乗せて吹くと、モール虫がくねくねとダンスをはじめました。
「分かっただろう。音が出るとき物はふるえるんだよ。」
音3
紙コップの上で物を動かす実験が終わると、次にエスミさんが取り出したのはストローの束でした。
「じゃあ、このストローで笛を作ってみよう。まず先端を平ぺったく延ばしてそこをはさみでV字型にカットすると笛の吹き口になるよ。」と言ってエスミさんがストローの吹き口を吹くと、ビーという音が鳴りました。
その通りに子どもたちもやってみましたが、なかなか音がでません。
やっとビーと音がなると、「やったー、鳴ったぞ!」と子どもたちの嬉しそうな声。
笛が鳴らない子はエスミさんがストロー先を切って、もう一度カットし直すと、今度はビーと鳴りました。
音4
「ストローの長さを変えると音の高さが変わるよ」と言って、エスミさんはストロー笛に穴を二つあけました。
「長いと低い音が、短いと高い音が出るよ」と言いながら、エスミさんが笛を吹くと、「ピャラ?ララ?、ピャララ?ララ?」という夜鳴きそばのチャルメラのようなメロディーが聞こえてきました。
「じゃあ、今度は、そのストローにもう一本ストローをつないで、鳴らしてごらん。」とエスミさん。
セロテープでしっかりつないで、吹くとビーと音が鳴りました。
「じゃあ、もう一本つないで鳴らしてごらん」ということで、どんどんストロー笛が長くなっていきました。
30分くらいその作業をやって、子どもたちの作ったストロー笛のストローの数を数えると、なんと最長の子は22本もつないでいました。
音6
次に、エスミさんは「音の形を見せようね。」と言って、ノートパソコンを取り出して、グラフのようなものが描かれた画面を見せてくれました。
音7
そのパソコンにつながれたマイクに向かって「あー」と言うと、その音が波形となって表れました。「いー」と言うと、また違った波形が表れます。子どもたちはそれぞれ「あー」、「いー」と言ってみましたが、同じ「あー」でも人によって微妙に形が違っています。
「これは声の波形で、一人ひとり違っているんだよ。」とエスミさん。
音8
今度は音叉(おんさ)を取り出してチーンと鳴らして、その波形をみると、なんと同じ高さで同じ形の波が繰り返されています。
「これは、とてもきれいな音の波形だね。」
音9
この装置を使って、ふつうの声でどのくらいの振動数(ふるえる数)があるか測る実験をしました。子どもたちに「あー」という声を出してもらい、それぞれの声の振動数を測ると、低い声の子で250ヘルツ、高い声の子で300ヘルツくらいありました。思いっきり高い声を出してもらうと、1450ヘルツから2100ヘルツくらいまでの振動数が記録されました。
今回の実験では、「音は物が振動することによって出る」、「音の振動数が少ないと低い音が、多いと高い音になる」、「笛の長さが長いと振動数が少ないので低い音が出る、短いと高い音が出る」といったことを学びました。(M.T)