哲学のテーマ決めの長い道のり


昨日のことば共同で、3学期の哲学のテーマを決めました。
こどもの森の決め方ですから、当然多数決でも、スタッフの一存でもありません。
初めは気軽な感じで子どもたちに声をかけたのですが、
最終的に決まるまで結構な道のりとなりました。
おもしろいので、その一部始終を記録しておこうと思います。

まず、みんなでサークルになりました。
「3学期に2回哲学をするから、みんなで案を出していってほしい」
と、高学年担当スタッフまるちゃんから声かけがありました。
ところが、みんなシーンとして誰も案が出ない。
今年の高学年はみなさん控えめ?笑
それで、まるちゃんが機転を利かしてみんなに紙を配り、そこに思いつくテーマを幾つでも書いてねと言いました。
すると出るわ出るわ。
写真を拡大していただいてぜひお読みください。
おもしろいのがたくさん出てきました。
みなさん心の中ではこんなにいろいろ思ってたのですね〜
こうなると逆に多すぎて困っちゃったスタッフ笑
一体どうやって2テーマに絞るのか…汗。
そこでまずは、この中から哲学に向かない問いを外していくことにしました。
科学的に探究するような問いなどです。
例えば「なぜ水があるのか」「どうして脳から喜怒哀楽が生まれるのか」とか。
青いマーカーで印がつけられました。
これで少しは減ったものの、まだまだたくさん残っています。
案を決める時に最も重視しているのは、みんなが「それをやってみたい」と思っているものを選ぶということです。
そこでまず、みんなが「やってみたい」と思う案がどれなのか、
手を上げてもらうことにしました。
ここでは1人何回上げてもいいことにしました。
赤いマーカーで書かれた数字が、「やってみたい」と思った人の数です。
ここで6年生の男の子から「7人以上のやつを残したらどう?」と提案がありました。
理由はラッキー7だからだそうです。笑
それに対し4年生の男の子が「ぼくがいいと思うやつ6だから、6以上にしてほしい」
と言ったので(なんかかわいい)、
じゃあ6以上で、となって5以下のは外されていきました。
それでもまだまだたくさん残っていたので、
じゃあ6以下のも、7以下のも…というふうにだんだん外していくことになり。
一旦6を受け入れてもらったからか、4年生の子もそれでOKでした。(←一旦受け止める。結構ここ重要だと感じてます)

そうやって絞られた最終候補の問いは、

「自由ってなに?」
「なぜお母さんは怒るんだろう?」
「なぜ勉強しなきゃいけないの?」
「ふとんから出たくないのは、なぜ?」
「なぜ親の言うことをきかなきゃいけないの?」
「ふつうってなに?」
「なぜ友だち関係をつくらないといけないの?」
の7つ。

そこからさらに、1人1票手をあげることになりました。
その結果、「ふとん」がダントツ1位となりました。
とりあえず、1つは「ふとん」で決定!
ところが「勉強」と「ふつう」が同点2位となってしまったので、
さてまた困った。
そこでわたしが解決方法を思いつきました。
哲学を2回やるうちの1回は全員で「ふとん」をやって
もう1回は「勉強」と「ふつう」を選択できるようにする案です。
なかなかいい案だと思ったのですが…
するとここでまるちゃんが、この3つに手を上げなかった人がいるのか確認してくれました。
私に抜けていた観点です。
そしたら2人いたのです。
この2人も満足する案でないと、全員OKにならない。
どうしよう。
ここで学習時間が終わってしまったため、続きは帰りのミーティングでやることになりました。
ああ、道のり長し。
そして帰りのミーティング。
この2人に聞いてみたところ、2人ともこの3つにも関心があるから、これでいいとのことでした。
よかった!
ということで、
1回目は「ふとんから出たくないのは、なぜ?」
2回目は「なぜ勉強しなきゃいけないの?」と「ふつうって何?」の選択制となりました。
多数決で決めたり、教師が決めれば効率的ですが、学びはやはり、内的動機付けが重要です。
自分が関心ないテーマで哲学したところで、学習意欲は湧いてこないですからね。

(あゆ)