3月1日から1泊2日で、高学年10名と引率スタッフ2名で伊勢志摩方面へ修学旅行に行きました。
1日目はミキモト真珠島と鳥羽水族館、2日目はスペイン村で遊び、
夜はトランプやきもだめし、ガールズトークで盛り上がり、思い出いっぱいのあっという間の2日間でした。
こどもの森の修学旅行は、行き先もスケジュールも6年生が決めます。
予算は一人当たり大体1万円ぐらい。
旅費もできる限り自分たちで働いて集めます。
2学期の初め頃に、まず6年生の4人だけで話し合いが開かれました。
「今年の修学旅行やけど、行き先はどこがいいと思う?」
京都や奈良、神戸、和歌山など予算内で行ける候補地をいくつか見比べて、
「やっぱり伊勢志摩が一番いいやん。スペイン村も水族館も行けるで。」
「どう見ても、伊勢志摩がいいな。」「賛成!」
と、全員一致で行き先が決まりました。
伊勢志摩へは近鉄の周遊券「まわりゃんせ」を使うととってもお得。
特急にも乗れていろんな施設にも無料で入館できるのです。
次に、何を見てまわるかコースを考えました。
「修学旅行やねんから、やっぱ遊びばっかりじゃあかんよな。勉強になる場所も入れないと。」
6年生たちはそれぞれ充実した2日間となるように、
どんな施設があるのか、うまくまわれる距離にあるのかなどを調べました。
そして2つの案を作り、4,5年生たちに提案して話し合い、今回のコースに決定しました。
さあ、資金集めです。
一人1万円として、10人分だと10万円が必要です。
現在あるのは3000円。
「お菓子を作って大人の会議の時に売ったらどう?」
「手芸作品、もっと作ったらいいよな」
「キーホルダーやったら作れそう」
「フリマもしよう!」
こうして子どもたちは、自分のプロジェクトの時間を一部使って、
手芸作品やお菓子などの売り物作りを始めました。
そんな子どもたちの様子を見たまわりの大人たちが、
自宅の庭仕事の依頼をしてくれたり、
自宅の庭のゆずやレモンをたくさん持ってきて寄付をしてくれたり、
手作りジャムを格安で譲ってくれたりしました。
それらを子どもたちが販売し始めると、近所の方や保護者の方たちがたくさん買ってくださって、
高学年の子どものお金はどんどん貯まっていきました。
そして、2月にはみのお市民活動センター前でフリーマーケットを開き、
なんと2万円もの売り上げをあげることができました。
こうして、最終的に7万円ほどの収入を得ることができました。
実際に売り物の販売を開始したのは11月後半ぐらいからなので、
たった3ヶ月ほどでこれだけの資金を集めることができたことは、
子どもたちの大きな自信になったと思います。
そして、それは保護者のみなさんや低学年の子どもたち、スタッフの協力があったからこそ実現したものでした。
このように、子どもたちは力を合わせて旅費を手に入れ、
自分たちで立てたスケジュールに従って2日間の旅を満喫しました。
さすが6年生はしっかりしていて、道中の移動の時は全員揃っているか確認したり
施設に入館した時はみんなを集めてグループ分けをして、何時にどこに集合するかを確認していました。
おかげでスタッフはすることもなくただ見ているだけでした。
子どもたちはみんな、12人で行動しているという意識が高く、
集合時間に遅れる人ような人は一人もいませんでしたし、
スペイン村でアトラクションに乗るときなども誰と誰が一緒に乗るかを、
いちいち入り口で話し合って決めていた姿がとても印象的でした。
誰かがさっと決めてしまうほうが早いには違いないのですが、
少し時間はかかるけれどみんなで話し合って決めることで、
後からブツブツ文句を言う人が出ないのです。
子どもたちは常日頃学校でそうやってものごとを決めているので、
こんな場所でさえも自然と話し合うように育っているのだなあと感心しました。
修学旅行の計画にしても、アトラクションの乗り方にしても、
ひとつひとつ話し合って決めていくのは時間がかかるものですが、
民主主義とはそのようなものなのだと、改めて実感できた旅でした。(A.M)