木箱作り


プロジェクトのものづくり(手芸・木工・その他)の個別活動は、材料や道具を自分で選んで制作を始めます。そしてその人が必要な時にだけスタッフに助けを求め、その後はまた自分で考えながら進めて行きます。
小瓶を入れる箱、蓋をくりぬいてそこからごみを入れるごみ箱、蓋を鎹で止める箱など、板を組み合わせて作る木箱をこれまで何人かの人が作りました。
今回は低学年の一人が小さな箱を作ったのですが、私が来た日にはもう板が切られていました。板は長方形のものは1、2枚で、後はほぼ台形の板。その5枚で箱を作ろうとしているのです。あまりにも合わない5枚の板を「どうしょうか」と相談されました。
困ってるねん、ちゃんとでけへんねん
どこが困ってるの?
板が合わへんねん
一回合せて見せて、
うん、全然合わへんねん(置いて見せてくれる)
板を変えて合せてみて
うん (いろいろと組み合わせを変えて置いて見せてくれる)
色々やってみても合わへんねん、な。(どう組んでも隙間だらけ)、
ゆがんでて合わされへん
そっか、じゃ板を何とかしたいわけ?
うん
どうしたらええと思う?
切ってもなあ・・・
切って四角くしたらどうなるかなあ?
切ったらぶかぶかで付けられへんしなあ・・
そうやなあ
じゃ切られへんな、でもこのままやと間から物がでてきそうやなあ
そやねん、落ちてしまうわ
これが一番歪んでて合わされへん(ひし形に近い板を指して)
せっかく切ったけどこの1枚は諦めて、残りの板切れでもう一回板作り直すって方法もあるけど、どうやろ?
う~ん、邪魔くさいけど、1つだけ切るわ、後は少しぐらい隙間空いてもええから、
このままで組み立てる事にするわ
そっか、じゃ板にサイズ書いて、今度は板を切る時、応援するから声かけてな
うん
別な人の場合でも、ああーっ!切る前に一言声をかけてほしかったぁ~(こどもの側にすれば、これでよし!とがんばって切り始めるのですからスタッフに声をかけないのは当然なのですが)、切ってしまったばっかりに、その後多くの困難と手間と時間がかかる事になってしまった…という事もたびたびあります。
その後もうまく釘が打てないで、何度も釘が曲がってしまい、それを抜いて打ち直したり、ネジに替えてみたりしながら、幅の薄い手ごわい板を相手によく頑張っていました。そしてなんとか5枚を取り付けた箱を見て
これでええわー・・・・、う~ん・・・(ちょっと心配そう、でももう完成にしたい様子)。
板の合わなかったところが壊れたら、また修理の方法を一緒に考えよう
うん、そうするわ。 
できたぁー!
どうしてもうまくいかない部分は「まあいいわ~」と何とかおさまりを見つけ出して完成しました。
完成品を見ただけでは解らないない本人の制作過程の苦労、この見えない頑張りを大切にしたいと思っています。(Y.H)
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