“学ぶと生きるをデザインする”とは?〜22年度のオリエンテーション〜


22年度は19名でスタートした中学部。入学と進級を祝う会を終えて、クラスでの活動が始まっています。

22年度スタート!〜入学と進級を祝う会!

箕面こどもの森学園は、「ここに入りたい」と思った人が自ら選んで入学する学校です。だから中学生にもなれば、ここがどんな学校かよくわかって入学してきているはずですが…!?

 

中学部のモットーは

「学ぶと生きるをデザインする」

 

では、それはどういう意味ですか?と問うと、みんながスムーズに答えられるわけではありません。

 

でもそもそもその言葉に簡単な答えがあるものではありません。

だから新学期の初めにそれぞれが「学ぶと生きるをデザインする」とは何かを考えたり、感じたりする時間を取りました。

 

この体験を通して「学ぶと生きるをデザインする」ということが、少しでも自分の言葉で説明できるようになるのではないでしょうか。

 

実際に学びの場を歩いて感じてみる

今までは前にスライドを映して大事なことを伝えていましたが、今回はそれをやめて、プリントにある4つの問いをもとに、実際に場所を見ながら感じて考えてみる時間にしました。

 

集合~学びの場を創る~


開始前に早く多目的室に来た人から、足りない椅子をホールから持ってきてくれました。

こどもの森の学びは一緒に作っていくもの。場づくりもある程度は自分たちでケアします。

まずは真ん中に置いた添付のワークシートの白紙を取ってサークルに座ります。


最初に今日の流れだけを伝え、早速立ち上がってスタッフルームを抜けて廊下へ。

箕面こどもの森学園とは…?~設立の歴史を知る~

廊下の壁の上の方には、箕面こどもの森学園の前身である「わくわく子ども学校」の頃の写真や今の校舎に移転してきた頃の写真があります。それを見ながら

「学校を創ろうと決めた人たちが集まって、最初は民家を借りて学校をやっていた」

「そこから当時は、今周りにあるマンションやお店なども、ほとんど何もなかった場所を見つけてきてここに校舎を建てた」

ということを伝えました。

 

そして多目的室を通って外の簀の子のところに全員並んで、校庭を見ました。ここに何もなかったことをイメージしました。

たまたま保護者の方が2人、校庭の掃除をしてくれていました。

「保護者も一緒にみんなで創っている学校」

ということがよくわかる風景でした。

 

「学ぶと生きるをデザインする」とは…?

~校舎をじっくり見て回る~

そのまま中学部校舎の1階の図書室に行きました。

「この場所には木工の小屋が建っていて、中学部の校舎を建てるために取り壊した。この部屋は元々木工室になる予定だった」という話すと、

「木工室、あったよね」と小学部からいた人たちは懐かしく思い出していました。

結局木工室にはならなかったこの部屋は、当時の中学生たちが「図書室を作ろう!」と決めて、共同プロジェクトで図書室作りをしました。

図書館をつくろう!

そんな風に作られた場所です。

 

さらに、そこに飾られている木工作品を紹介しました。

「1期生の中学生が卒業プロジェクトで制作したもの。ずっとプロジェクトで木工に取り組んで、最後にプラモデルを木工で再現するというチャレンジをした作品」

「それぞれのやりたいこと、興味関心を大切に、それを形にしていこう」

最後の1年、自分に浸る (長期プロジェクト発表会)

 

今度は小学部校舎の3階にある木工室のところまで階段を上って行きました。

「ここは新しく木工室になった場所」

昔を知っている人は「それまでは普通の遊び場やったよな」とコメントしてくれました。

ここには、その彼が作った机もあるので、紹介しました。

高学年の部屋にある「こどもの森ルールブック」を、木工室に持ってきておいたので、それを見せて

「かつては全校生徒が20名ほどで今の低学年の部屋で全校集会をしていて、その時にスタッフの一人がそこで決まったルールを書く役をやっていた」

という話をしました。

ルールもみんなで作ってきたことを確認しました。

 

最後は多目的室に戻って、残りの「スタッフとは」「コクレオの森とは」について話しをしました。

 

スタッフとは…?~長年通った子どもの声を聞く~


小学校1年生から通っていた人に聞いてみたいというと、それぞれの言葉で答えてくれました。

「対等な立場でサポートしてくれる存在」

というように表現してくれました。

確かに一般的な学校の先生とは違って、基本的にはフラットな立場で一緒に考えたり手伝ったり、サポートをする存在です。ただ、時には前に立って引っ張っていくような時があったり、一緒に並んで並走するような時があったり、任せて後ろから見守るような立ち位置にいることがあったりします。

 

コクレオの森とは…?~「森」とは何かを知る~

「コクレオ」の意味を知っているか問うと新入生の1人が「共に創る」と答えてくれました。

「自分を大切に」「人を大切に」を大事に共に創っていきたい。

また、森の中にあるわけではないのに、「森」なのはなぜか知っているか問いかけました。

そうすると、こどもの森が9年目になるメンバーの1人がばっちり答えてくれました。

「ひとりひとりが一本の木で、それが集まってみんなで森を作っている」

だからひとりひとりが大切な1人なのです。

更に最後には

「小学部に入った頃にそれを言われて、その時は意味がよくわからなかったけど、今は意味がよくわかるしとても大事なことだと思っている」

と語ってくれました。

こどもの森はやりたいことができるところ

最後に一人ずつワークシートに書いたことを、4項目から一つだけ選んで話してもらいました。

「スタッフはひとりひとりを尊重してくれる人」

「こどもの森はやりたいことができるところ」

「学ぶと生きるをデザインするのは周りの人と協力することが大事」

など、それぞれの言葉でこの日に学んだことを言葉にしてくれました。

↑スタッフが書いたもの

学校の歴史と今に触れ、自分の言葉で表現し、いろんな人が表現した言葉を聞くことができるような、素敵な時間でした。(J.S.)