一次情報を取りに行く
2022年度最後のワールドオリエンテーションは「マイメディア」として、一次情報を集めて、自分なりの方法で発信することにしました。一次情報とは自分が直接体験したり、調査をしたりして得た情報のことです。
今回は一次情報の中でも、当事者に話を聞くことを必須条件として設定しました。テーマを決める際には、ある特定の地域に根差した活動や観光地・店・地域の文化や行事などに着目したり、またはひとつの分野・仕事について焦点をあてたりして、どんなことを調べてみたいか、お互いにアイデアを出し合うところからスタートしました。以前から関わりのあることを改めて調べてみる人、関心はあるもののまだ訪問したことのないところを探る人。それぞれの視点で「どんなことを調べてみたいか」「どんな人に話を聞いてみたいか」を考えていきました。


中学生が決めたテーマがこちら。
- 神戸フリースクール
- 西成の支援
- 立花商店街
- オルタナティブスクール
- MY HISTORY
- 平和の子保育園
- 勝尾寺について
- クレープ屋さん
- 鉄道員の仕事に対する想いを取材
- 猫カフェ
- 町の映画館
- 格闘技
電話をかけてアポイントを取る(ドキドキ)
訪問したい先が決まれば、中学生が自ら電話をかけていきました。「ワールドオリエンテーションという授業の一環で取材をさせてもらいたいので、担当の方に話を聞かせてもらいたい」 と予定を確認しながら、訪問日を決めていきました。「そもそもワールドオリエンテーションってどうやって説明すればいい?」「今回のテーマってどういうことやっけ?」わかっているようで、他の人に説明するとなると難しいものです。「緊張する~!」と言いながら、神妙な面持ちで電話番号を押していました。なかには予行練習をしてから電話をする人も。知らないところへ電話をかけるのは第一関門であり、最大の壁であったようです。
取材の前にはインターネットなどを使い、事前にテーマについて調べてから、どんなことを聞いてみたいか、質問を考えていきました。グループや二人組で取り組む人たちは、役割分担を考えながら、協力して進めていきました。
いよいよ訪問!
そして、それぞれが計画を立てて、訪問先へと出かけていきました。初めての人に会うことに対して、不安が大きいのか「行きたくない、行きたくない」とぼやいていた人がいました。あまりに後ろ向きなので、こちらも少し心配になりましたが、出かけて行った次の日、「どうだった?!」と聞くと、「マジでよかった。話を聞かせてくれた人もいい人だった」とすっきりした表情で言っていました。最終的に、彼らは4つの訪問先に出かけて行き、当初の不安を覆して、取材を終えることができました。
他の人たちからも、「想像していたよりも楽しかった」「心配していたよりも大丈夫だった」という声がありました。






発表
発表では、自分自身が見聞きしたこと、そこで感じたこと、考えたことを伝えてくれました。ある中学生はインタビューで聞いた内容について、熱量を持って発表をしてくれました。「話を聞きたい」という彼の想いを受けて取材に答えてくれた方がいて、そして、その方の仕事に対する想いに中学生が感化されるというような気持ちの連鎖を感じました。



外の世界へ踏み出すこと
外の世界に一歩踏み出すことができたワールドオリエンテーションでした。知らない場所に踏み込むのは、不安だし怖いことだけれど、知ることで広がる世界があります。人との出会いを通して、インターネットで調べるだけでは伝わらない、そこに関わる人たちの想いに触れることができました。ワールドオリエンテーションでは「自分の世界が広がる」、「自分と社会がつながる」経験ができればと思っています。
最後に、今回中学生をあたたかく受け入れてくださった訪問先の方々に、深い感謝を申し上げます。ありがとうございました。(S.N)