草木染をしよう!


中学部のコリス(サイエンス)の時間に草木染をしました。テーマ決めは、3学期の初めのオリエンテーションの時にしました。1学期の初めに決めたテーマだと今回は「硫酸で肉を溶かす」だったのですが、学校の施設では硫酸は扱えないので、別のテーマを募集し、ファシリテーターの立候補があった「草木染」に決定しました。

ファシリテーターは、何で染めるのか、何を染めるのかのところから悩みました。中学部のスタッフに図書館から本を借りてきてもらい、草木染について理解を深めながら、実験の進め方を考えていきました。

予備実験までに、染液の原料と染める対象の素材を考えました。染液の原料は、入手しやすい玉ねぎの皮、黒豆、コーヒーかすにしました。染める素材は、木綿の布、絹の布、毛糸を用意しました。

予備実験では3つの染液を整えることはできず、煮出すのに時間がかかる玉ねぎだけをやってみました。予備実験の結果、煮出す時間や、染めるため時間などの目安がわかりました。また、染める素材は、木綿と毛糸にすることにしました。

予備実験と本番の間の自主学習の日に、プログラム選択者が染める木綿の布の糊落としをし、本番で使う鍋の容量と媒染の焼ミョウバンの量の計算、玉ねぎの皮の計量をしました。

玉ねぎの皮とコーヒーかすは本番当日、スタッフとファシリテーターで煮出して染液を整えましたが、黒豆は前日から水に浸けておくだけでOKでした。

本番では、ファシリテーターから、染める工程の説明をして、布を配り、それぞれに輪ゴムで絞りの模様を入れてもらって染めに取り掛かりました。
木綿の布を染める工程は次の通りです。①布の糊を洗い落とす②輪ゴムで絞りをする➂お湯に浸ける➃媒染液に浸ける➄染液に(軽く煮ながら)浸ける➅洗浄する⑦干す
今回は、媒染は焼ミョウバンだけを試しましたが、媒染によっても染めの色が変化します。
染液の量の都合で、玉ねぎは選択者全員、黒豆とコーヒーは希望者のみチャレンジしました。

 

染めるのに時間がかかるので、4コマ目に染液に投入し、5コマ目はそれぞれ別のプロジェクトの時間を過ごし、6コマ目に再び集まって、染液から布や毛糸を回収、洗浄して干すという工程にしました。
 

毛糸と木綿の布では、毛糸の方が染まりやすかったです。タンパク質の方が染まりやすいということは知識としてはありましたが、色の鮮やかさが全く違って、実体験としてタンパク質は染まりやすいということがわかりました。今回は時間の関係で、木綿の布を事前にタンパク質(豆乳)で処理するということをしなかったのですが、やっていたらどうなったかも気になるところです。
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ファシリテーターの感想
Kさん:
ファシリテーター初めてだったけど、草木染やって、楽しかったです。
Yさん:
なんとかできてよかった。
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草木染は工程が多く、事前に準備しておかなければならないことも多いので、ファシリテーターは大変だっただろうなと思います。大変かどうかもやってみないとわからないので、これからも、うまくいかないことを恐れずに、やってみたいことにチャレンジしてほしいなと思います。

最後に、プログラム選択者の感想の中で、おもしろかったものをご紹介します。
Mさん:
玉ねぎがかぼちゃの煮物で、黒豆が紫芋で、コーヒーがミルクティーで面白かった。他の花とか、媒染をミョウバンから変えるとか、いろんな色を作ってみたいな~って思った。しらたき(筆者注:毛糸のことです。染液に浸けたときにしらたきっぽかったので)でニット編みたい。染めたやつでなんか作りたい。来年度、プロジェクトでやってみようと思った。

Mさんは染めの奥深さに目覚めたようですね!(NY)