「宇宙への道」― 宇宙の話と映像の鑑賞会


 

仮説実験教室を主宰しておられる山本タクシさんと金政桂子さんをお招きして、「宇宙への道」と題するお話と映像を観る会が開かれました。

学園のこどもたち全員に、保護者3名、スタッフ4名が参加しました。

最初に月面から地球を遠望する風景が映されました。

地球の周囲の空間を指し示しながら、「ここにはな~んにもありません。本当の空っぽです。これを真空といいます」との説明に、―「しってる~!」の声。

「何もないのに地球は浮かんでいます。なぜでしょう?」 ―「重力がないから!」

「重力って何ですか?」 ―「引っ張る力のことです!」

「そうですね。宇宙ではモノはどこにも落ちません。上も下もない空っぽの世界です」

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「みなさんは光を知っていますか?」―「電気、テレビ、家の明かり…!」

「そうです。では、光の速さを知っていますか?」―「…」

「夜は睡眠をとり、3回の食事もとって、歩いて地球を一周すれば3年かかります。それほど大きな地球を、光りはたった1秒間で、この地球を7週半するくらい速いのです」

(なお、歩いて地球を一周する時間についてのこどもたちの予想は、1週間が0人、1年が1人、10年以上が6人でした。総数18名)

この後、「月までの距離」「太陽までの距離」の大きさについて、山本さんとこどもたちとで活発に意見が交わされました。

 

そして、いよいよ国立天文台が協力して作成されたコズミックビューという動画が始まりました。

最初の画面は東京の上空から撮った10km四方の風景、それから次々と100Km四方、1000Km四方と順次10倍に広がる世界が映っていきます。

地球全体が見えてから、しばらくして太陽系全体が見え、アッという間に太陽系からも飛び出して、宇宙の広大な世界を実感する旅が続きます。

ついに銀河系の端に私たちの太陽系が位置しているようすが見えてきました。

さらに銀河の集団が現われて、最後には宇宙の果ての映像が登場しました。

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(地球全体)               (太陽系全体)       (宇宙の果ての姿)

「広大な宇宙を測るときには1光年、つまり高速の光が1年間かかってようやく進むことができる距離を基準にします。

この物差しで宇宙の果てまでは137億光年もあります」「宇宙がものすごく大きいことが感じられますしたか?」

 

天の川と銀河の関係のお話もありました。

「銀河系はどこにあるのでしょうか?」、画面から弦楽器の美しい音が流れてきます。

「実は銀河を横から見たのが天の川で、私たちはその銀河の端っこにいます」「だから、私たちが今いるここは、銀河系の一部なのです」

 

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天の川=横から見た銀河系)     (銀河系の中の太陽系の位置)

 

 

宇宙誕生の時のお話もありました。「まるでイルミネーションみたい!」

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(宇宙のイルミネーション)

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(なかなか質問の輪が解けませんでした)

 

ここまで経過したところで、「私の話を聞いて、何か質問はありませんか?」と山本さんが問われたところ、

「ハイ、ハイ」と次々に手が挙がって、

「星座はどうしてできたのですか?」

「地底人はいますか?」

「地球以外の星に流れ星が衝突したらどうなりますか?」

「宇宙の果てはどうなっているのですか?」

「ブラックホールはどこにつながっているのですか?」

関連して、大人の方からも「ブラックホールは無の世界なのに、なぜその存在がわかるのですか?」と、なかなか質問が終わりません。

それでも、山本さんは一つひとつの質問に、できるだけ分りやすく丁寧に応えてくださいました。

時間オーバーの最後の質問は「宇宙が回転し始めたのはなぜですか?」

「それは科学者も分っていませんが、宇宙のすべてのエネルギの源は回転と振動から生まれていると考えられています」との山本さんの深い回答があったところで、

質問が一旦打ち切られて、みんなの感謝の拍手の内に、ようやく本日の催しが終わりました。  (M.M)

 

(注)会が終わってからも、こどもたちは山本さんを囲んでなかなか離れませんでした。