6月からスタートした半年間のプログラム「学び場コーディネーター Manabeeプログラム」
このプログラムでは、箕面こどもの森学園の教育実践の中で、日々大切にしている、自己肯定感、自己決定、対話、ESDを4回にわたってお伝えし、そのエッセンスを盛り込んだ共育プログラムをグループで作成してもらい、そのプログラムを実際に箕面こどもの森学園に通学する子どもたちに実践してもらいました。
今回は、3グループのみなさんが実施したプログラムについて報告してくれました。
まず、一つ目のグループは、「詩を書こう」
このグループは、3人のアイデアを一つにまとめる形で、谷川俊太郎さんの「生きる」という詩のフレーズをいくつか空欄にし、その空欄に自分や生きるということに関する言葉を、個人やグループで考えてかいていき、最終的に一つのワークショップにするという共育プログラムでした。
当日は、子どもたちが実際に作った詩も発表されたのですが、一人ひとりが自分自身や生きるということに向き合うすてきな詩になっていました。
2つめのグループは、「幸せについて哲学しよう」
このグループは、ものすごいチームワークで、何回も話し合って、実際に考えたプログラムを試すということまでされ、このManabeeプログラムで学ばれたことを、本当に真摯に受け止めて、プログラムを作ってくれました。
その結果できたプログラムが、どういうときが幸せかを出し合ってみるプログラム。
出し合っているうちに、フィリピンから帰ったばかりだったこともあり、「フィリピンの人の方が、心に余裕があるのかも」といった発言もでたそうです。
共育プログラムをされたことで、生まれたチームワーク、気づきがとても深い発表でした。
最後のグループは、「自分の宝物を発表しよう」
子どもたちが、自分の宝物をもってきて、それを紹介したり、その宝物を見たり、持ってきた宝物で遊んだりする共育プログラム。
宝物をもってくるのを忘れてしまった人もいたり、お休みの人の宝物のクイズで盛り上がったりと、想定になかったことが起きてしまい、戸惑ったこともあったそうですが、こうした戸惑いも、これからの場づくりをどうしていけばいいのかを考えるヒントになることと思います。
迷いながらも、プログラムをやりきった充実感が伝わってきました。
報告会の後は、交流会。
みんなで軽食を食べながら、いろいろお話をする中で、参加者の方全員に、Manabeeプログラムを振り返った今の気持ちや、報告会を聞いた感想などをお話してもらいました。
Manabeeプログラムに参加されていた方たちからは、
「このManabeeプログラムで、人生が変わった。教育にずっと疑問があったけど同時にあきらめもあり、大学では教育じゃないことを専攻しようとしていたけど、Manabeeプログラムに参加したことで、やっぱり、教育について考えたいと思い直し、進路を変更することにもなりました」
「このManabeeプログラムが、人生の転機だった。ずっとサラリーマン生活をしてきたけど、本当は自分がどう生きたいのかを見つめ直すことができ、今までのしがらみではなく、自分らしく生きるきっかけとなった」
「自分がいかに大きな影響を与えるのかではなく、いろんなものを手放して、自分だけで大きな影響を与えること考えるのではなく、いろんな人とのかかわりの中で、豊かな土壌を作るための一枚の落ち葉を落とすことを考えることの大切さを知った」 など
とても深い言葉が次々とシェアされていきました。
報告会からの参加だったみなさんからは、
「人生の変えてしまうほどのプログラムなんだと感じました」
「自分も来年は、ぜひ参加したい」
「ホームレスの方の支援をしているけど、そこで大切なことも自己肯定感と自己決定なので、人が生きる上で、この二つがやっぱり大切なんだと確認でした」など
いろんなコメントをいただきました。
学び場コーディネーターを育み、自己肯定感、自己決定、対話、ESDを重視する学びの場が増えていってほしいという思いで始まったManabeeプログラムですが、参加していただいた方の生き方そのものに、大きな影響を与えるプログラムでもあることが、今回の報告会&交流会で感じることができました。
来年度は、そのことも意識しながら、私たちが気が付いている「あり方」の部分を、もっと盛り込めるプログラムにブラッシュアップさせていきたいと思います。(M.F)