水の電気分解と燃料電池(原子と分子)~科学実験③~


科学実験の3回目、今年度の実験のメインテーマ「原子と分子」の3回目です。

(前回までの内容はこちら→1回目/2回目)

 

今回は、水の電気分解を行いました。

水は、水素分子と酸素分子が集まってできる水分子の集まりです。

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化学反応式でそれを確認しました。模型を用いて考えると実感として理解しやすいですね。

そして、水の入ったH管に電流を流して水を分解します。

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電源につなぐと泡が出て、上の方に気体がたまります。

量の違いを見て、どちらが水素でどちらが酸素なのか考えます。

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たくさん出ている方が水素、ということが化学反応式から推測できました。

2倍の量が出ています。

確認のために線香とろうそくを使います。

まずは気体の量が少ない方に線香を入れてみます。

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さらに近づけていくと…

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線香の火が激しく燃えました。

酸素は、それ自体は燃えませんが、火が燃えるのを助けます。

酸素の存在を確認しました。

 

次に量が多い方にろうそくを近づけます。

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水素は、気体そのものが燃え、爆弾にもなるほど。

そういう話もあって、ドキドキしながら見つめましたが、「ぽんっ!」というかわいい爆発でした。

爆鳴気という言葉も教わりました。

 

実際に手回し発電機も使って、自分たちでもチャレンジしました。

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2つに分かれて発電して、水を分解します。

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そしてもう一度確認します。

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実験はそれだけでは終わりません。

今度は、一人ずつ「しょうゆ差し」を使った電気分解の装置をお借りして

自分で爆鳴気の実験です。

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しょうゆ差しの中に水を入れ、電池につなぐと中に気体がたまり、口から水が落ちてきます。

それを上手くろうそくに吹き付け、爆発させます。

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水が床や机の上に落ちないように工夫します。

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ひとりひとりが自分の体験として実感を持って確認できるのがいいですね!

いたるところから音が鳴りました。

 

ひと通りできたら、今日学んだことをプリントにまとめました。

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体験で学んだことを、言葉にしておく作業も大切です。

今日は水が水素原子2個と酸素原子1個からできている、ということを突き止めました。

このような実験を通して、原子や分子のような人間の目では見えないようなことまで

わかるようになる、ということです。

実験をしてみて、そこで起こる現象から何がわかるかをしっかり考察するのが科学者の姿勢です。

 

電気分解の仕組みを理解したら、最後は応用編。

燃料電池の登場です。

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水の電気分解の逆反応を起こして、電気を取り出す装置です。

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電源をつながなくても、モーターが動き、プロペラが回りました!

これが安い費用で上手く利用できるようになれば、電力会社が要らなくなるかもしれない…!?

エネルギーで戦争をしなくてもよい平和な世界に貢献できるかもしれない、というお話でした。

 

実験、という楽しい体験を通して、小さな原子の世界から大きな社会に関することまでつなげて考えられる貴重な機会になりました。

 

楽しい楽しいという声がよく聞こえてくる実験でした。

次回は11月の予定です。楽しみにしています。(J.S.)