ろうそうくの科学(原子と分子)~科学実験②~


ワールドオリエンテーションの時間で、今年度2回目の科学実験を行いました(→1回目の様子はこちら)。

前回に続き、テーマは原子と分子。今回はろうそくの科学です。

 

ろうそくは何という分子でできているか、ご存知でしょうか?

 

「ステアリン酸」です。

 

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前回知ったような分子の構造は、比較的単純でしたが、ステアリン酸の分子の模型はとても複雑でした。

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実験では、やはり見て触って感じることが大事です。

 

今回はろうそくがテーマなので、1人1本、ろうそくを灯します。

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普段あまり使うことのないマッチの使い方も練習しました。

スムーズにできるまで何度も練習してみながら、全員火をつけました。

 

でも、すぐには火を触りません。

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科学では「よく見ること」が大事です。まずは、じーっと観察することから始めます。

普段何気なく見ている炎でも、じっと見てみるといくつも特徴が見つかります。

「青いところがある!」「透明な部分がある!」という声が挙がりました。

「どうして炎は上に上がるのか?なぜ広がらないのか?」という問いも出ました。

それには空気の重さ、それによる流れが関係していました。

 

次は、アルミパイプを炎に入れてみます。

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炎のどの部分に入れるかで、起こる現象が変わります。

黒い炎の出るところと、白い炎の出るところ、何も出ないところがありました。

その違いによって、その部分で科学的な現象として何が起こっているのかを考えるヒントになります。

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アルミのパイプにろうをつければ、アルミは燃えませんが炎が出ます。それも確かめました。

 

今度はガラス板を使って、炎のでき方を確認します。

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炎には、炎心・内炎・外炎がありますが、その部分にそれぞれガラス板を当て、色がつくかどうかを確かめます。

炭素がある部分は黒くなるので、それがよくわかります。

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実際にそれを前で見てから、自分で確かめました。

 

実験もいよいよ大詰め!

ろうを細かく砕いて試験管に入れ、ガスバーナーで熱します。

ろうが溶けて液体となり、沸騰して気体となります。そこに火をつけてみるのです。

このプロセスを直接見ることで、ろうそくがどのようにして燃えているのかを理解することができます。

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勢いよく沸騰するろうの上に火を持ってくると激しく燃え上がりました!

やはり実際に見て感じることが大切ですね。

 

でも、すごかった!で終わらないのが中学部の実験です。

まとめを行い、その炎ができる仕組みを分子レベルで確認します。

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実際に、ろうそくの図を用いて分子の存在を確認し、それぞれの色のシールを貼っていきます。

ステアリン酸の中の水素と炭素が、空気中の酸素と結びつきます。

その様子を図の中でも確認して、化学反応式を書きました。

ただ感じて驚くだけでは終わらず、その仕組みを理解し、表現していくことを目指していきます。

 

次回は「水」を分子レベルで見ていく予定です。2学期の科学実験も楽しみです。(J.S.)