卒業式、笑顔の旅立ち


3月22日、暖かい春の陽気の中、卒業式がありました。
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5人の卒業生が旅立ちます。
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この学園に来た時は静かでなんだか控えめに見えた女の子は、実は運動神経バツグンでとっても元気な子。
6年生の中では唯一の女の子ですが、いつもみんなでボール投げをして遊んでいました。
木工が得意で、学校のためのベンチやパソコン用の棚などたくさん作ってくれました。
まわりを本当によく見ていて、いつも困っている友だちやスタッフにさりげなく手を貸してくれる彼女。
やわらかい話し方と雰囲気で、これからも近くにいる人をほっとさせてくれるのだと思います。
6年間こどもの森に通ってくれた男の子は、まるで頼れる森の案内人。
学園には2階建てで滑り台のついた立派な小屋や、ビオトープ、やぐらや縄ばしごなどの遊具を作ってくれました。みんなのお気に入りの場所です。
秋には柿の木に登ってたくさん柿を採り、干し柿をつくってみんなにふるまってくれました。
自然の事にもとっても詳しいのですが、話し合いの場でも、彼の司会はピカイチでした。
スタッフが司会をする時に何に気をつけているのかと尋ねたところ、「手を挙げた順に当てることと、あまり意見を言ってない人を優先的に当てること」と答えたそうです。私たち大人も見習いたいですね。
毎日往復2時間近くかけて自転車で通ってくれた男の子は、パソコンの達人です。
夏祭りのお化け屋敷では雰囲気たっぷりの展示物でみんなを驚かせました。アイデアもすごかったなぁ。
アニメーションや学園のゆるきゃらなど、大人もびっくりのパソコンスキルで作品をたくさんつくりました。
ひょうきんな彼は、時々ぼそりとつぶやくギャグでみんなを楽しませてくれていました。
入ってきた時にはなかなか目の合わなかった彼がだんだんと心を開いてくれたこと、スタッフもよく遊びに誘ってくれるようになったことは感動的でした。
人に優しく人を楽しませてくれる彼、きっとこれからもだれかの心を和ませるのだと思います。
4年生の時、小さなくまのぬいぐるみと一緒に入学してきた男の子は、泉のようにあふれるアイデアの持ち主です。
くまたんがオーナーの「くまたん旅館」や「くまたんリゾートホテル」を木工で作ったり、校庭で本格的な「くまベル喫茶店」や「くべバー」「くまベル温泉」まで開業したりしました。
楽しいことを思いついては実行に移す。その企画力と実行力は彼の宝物です。これからもその力を思いっきり発揮して、たくさんの人を楽しませるんだろうなぁ。
そして彼の素晴らしいところは、細かな気配りができるところです。木工で作った小屋の改装では頭を打ちそうな場所にロープを巻いたり、いつもスタッフがそうじをしているトイレには汚してしまった時のためにトイレットペーパーを設置したりしてくれました。
5年生の秋に入学してきた男の子は、こどもの森が自分の人生に必要な場所であることを、はっきりと意識して決めた入学でした。自分の人生に対し、しっかりと責任を負って生きている人なんだなあととても感心しました。
他の人の意見にいつも耳を傾け、「それはこういうことじゃない?」「オラはこう思うけどなあ」と自分の意見もなげかけ、話し合いの中で問題を解決しようとする姿勢を持ったステキな人です。自律した学習の様子をすがすがしい思いで見ていました。周りのこと、全体のためになることをよく考え、前向きな彼がいるだけで場がぱっと明るくなり、そこには人が集まるのです。
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この5人の成長はまぶしく、素晴らしいものでした。
私たちスタッフにとって、彼らと過ごした時間は宝物です。
それぞれ新しい場所でのびのびと自分らしく過ごしてくれることを願っています。
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そして、いつでも帰って来てください。
ありがとう。(Y.N)