かず共同「重さ」についての3回目


3回目の「重さ」の授業では、「形の変化と重さの変化の関係」の実験をしました。
1円玉一個(重さ1g)とちょうど同じ重さの粘土の玉を用意し、これを手でたたいて平らにのばしました。
問1:のばした粘土の重さは、のばす前と比べてどのように変化するでしょうか?
子どもたちの予想は次のように分かれました。
①軽くなる …1人  「のばすとぺらぺらになるから、きっと軽くなる」
②重くなる …1人  「のばすと重さが周りに広がるから重くなる」
③変わらない…4人  「形が変わっても、元と同じ粘土やから変わらない」
てんびんの片側に1円玉をのせて調べたら、③が正しいことが分かりました。
次に粘土玉を、適当に4つに分けて丸めて、それぞれをしっかりと固めました。
問2:これら全部の重さは、元の粘土の重さと比べてどのように変化するでしょうか?
子どもたちの予想は、次のようになりました。
①軽くなる …0人
②重くなる …1人  「小さく丸めた中に重さが集中して、一つ一つの重さが丸める前よりも重くなる」
③変わらない…5人  「形を変えても、同じ粘土やから変わらへん」
てんびんの実験から、③が正しいこと、すなわち「重さは、形を変えても分けても変わらない」ことが分りました。
次の問題は、「ジュースを持って体重計にのり、それからジュースを飲んだら、飲む前と後で重さは変わるでしょうか?」というもの。
最初に体重計にのる希望者を募りました。
「ジュース飲みたい!」とみんな競って手をあげました。
500cc入りの大きさだったので「2人を選び、その人たちに飲んでもらう」と言いました。
「2人だけが飲むのは不公平、みんなで分けて飲みたい!」
「飲んでおなかに入れると分けられないよ」
「じゃー、ジュースの代わりに水を飲んで実験して、その後で分ければいい」
子どもたちは必死でアイデアを出し合います。みんなが合意したので、この案で実験をすすめることになりました。
ジュースの代わりに約250ccもの水を飲むことになったので、参加希望者が2人に減ってしまい、じゃんけんで選ぶ必要がなくなりました。2人の子に体重計にのってもらって、それぞれの体重を計ったところ、A君は24.3kg、B君は29.4 kgでした。
問3:2人一緒に体重計にのったら、体重計が示す重さはいくらになるでしょうか?
今回は迷うことなく、「24.3 kg+29.4 kg=53.7 kg」になると、全員の意見が一致しました。その理由は、「前の実験で、重さは形を変えても分けても変わらなかったから、あたり前!」との返答でした。
さて、いよいよ実験開始です。2人が抱き合って体重計にのってもらいました。全員が固唾をのんで見守りますが、体重計の針がふらふら動いてなかなか止まりません。そこで、実験者の肩をそっとおさえると少しずつ揺れがとまって、最後はみんなの予想通り、53.7 kgを示して針が止まりました。
次に2人にコップをわたしてジュースを注いだら、体重計が54.4 kgを示しました。
問4:2人がジュースを飲んだら、54.4 kgよりも軽くなる、重くなる、それとも変わらないのいずれになるでしょうか?
今回の予想は、次のようになりました。
①軽くなる …1人 「ジュースが消えてなくなるから」
②重くなる …1人 「ジュースがおなかの真中に下がるから」
③変わらない…4人 「ジュースの形が変わっても重さは変わらないから」
実験の結果は、③になりました。
最後に、「2つのものを一緒にすれば、その重さは2つの重さのたしざんになり、それらの形を変えても、分けても、それらの重さは変わらない」ことを確認して終わりました。 (M.M.)