学び 子どもたちの世界を拡げる


プロジェクトの時間にやるのは、ただ作品をつくるだけではありません。
高学年を中心に、自分の興味・関心にもとづいて調べ学習をやっている子達がいます。
どの子も2~3ヶ月もの時間をかけていて、意気込みが感じられます。
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歴史に興味をもち、江戸時代の食文化について調べている男の子。
身分によって食事の内容が違うこと、江戸の庶民の間ではわりと豊な外食文化があったこと、一方で大飢饉が起こり、人々を苦しめたことなど・・・ 自分の関心のある内容を数冊の本で調べ、ていねいにまとめています。
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沖縄の楽器、三線に興味をもち、習っている女の子。
沖縄のことを調べていくうちに、集団自決の事実を知り、沖縄戦と集団自決についてまとめています。
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毎週末、海にでかけ、サーフィンをしている男の子。
海の生物にも興味があり、自分が興味をもった魚のことを一生懸命まとめています。
絵もていねいにかいています。
このほか、嵐が大好きな女の子が、嵐のメンバーについて調べて、自分なりの嵐ノートを作っています。
写真などを切り張りして、かなり思いがこもったノートになっていますよ!
「学ぶ」とは、どういうことなのかよく考えます。
 偏差値絶対主義の時代に育った私は、先生や親から指示されたことを、大学受験のためだけに暗記したり、詰め込んだりしていくことが、いわゆる「勉強」だと思っていました。
 
 けれども晴れて大学生になったとき、自分が何をどうやって学んだらいいのかさっぱりわからないことに気がつきました。私が「勉強」だと思ってきたことは、学習や学びではなくただの「暗記」だったのです。
 
「学び」とは、まず子ども自身が自分の気持ちや関心を発信することから始ります。
「OOがしたい」「OOって何だろう」「OOがおもしろそう」
 言葉であらわさらいで、態度だけで示すこともあるでしょう。
 周りの大人は、そのつぶやきや様子をキャッチし、その子の思いを膨らませたり、疑問を解決したりするための具体的な方法を提案し、手助けをすればいいのです。
 ただ、ここで気をつけなければならないのは、子どもが発信したことを応援しているうちに、大人側がおもしろくなってしまったり、ここまではやってほしいという到達点を一方的にもってしまう場合があります。
 子どもの背中をそっと押しているつもりが、誘導になってしまうケースもあります。
 周りの大人は、子どもの気持ちや考え(態度でしか表れないものも含め)に心を配りながら、子どもたちの興味・関心を深めていくサポートをする必要があります。
 なかなか難しいのですが、私たちはそういう学びを大切にしています。 (M.F)