“学ぶと生きるをデザインする”中学部。この日は、弁護士の石田さんをお招きしてお話を伺いました。
石田さんは、いつも数学を教えてくれているスタッフのアミさんのかつての教え子さんで、今は東京で弁護士の仕事をされています。
いろんなお仕事をされている方のお話を聞き、学ぶと生きるをデザインするヒントを得られるような機会になればと考えて「ライフデザイン」という学習を考案。
そこで、以前に朝のハッピータイムでアミさんが教え子さんのお話をされていたので、ご相談したところ、来ていただくことができました!
実は石田さんは、以前に2年間ネパールで、法律をつくることに携わっていました。
今までの人生をどのようにデザインされてきて、これからどのようにお考えなのかを聞くことができれば、きっといいヒントになるはず。
お話は、ネパールのことを伝えていただくことから始まりました。
ネパールは緯度は沖縄と同じくらいだが、内地で標高が高く気温は寒いくらい。
エベレストもあるので標高が高いのはイメージしやすいですね。
食べ物や宗教の神様のこと、インドのカースト制に関連した身分制度とこと・・・
話の内容は多岐にわたり、社会科の地理や歴史に関連するようなことをリアルな体験をもとに伝えていただきました。
そして法律のこと。
法律の位置づけや裁判のあり方は国によって違います。
国際的な法律の基準ができていっている中、それとその国の伝統とどうバランスを取っていくのかが難しいようです。
ネパールの伝統的な法律はムルキアインといって、民事と刑事が分かれていない法律だそうです。
日本では人同士の揉め事を扱うような民事と、事件性のあるような刑事はわかれていて、警察は民事の方に関わることがあまりありません。
ところがネパールではその区別がないため、警察があらゆることに対応しているそうです。
行政、政治のあり方が異なっているんですね。それを知った上で日本の三権分立を学ぶと、また違った観点で整理できるかもしれません。
国ごとの違いがある中、グローバル化が進む国際社会で共通の基盤が求められています。
国だけで見たらなぜ変えないといけないのか、という議論も出てくるし、お金や度量衡の単位など表面的なことは
まだ変更しやすいが、裁判の仕方などは、慣れているやり方から変えることが難しい。
そんな中で、いろんな情報を現地で集めて、国際的な視点で分析して、今後の方針について考えてこられたそうです。
その他にも、ネパールではなぜ英語を話せる人が多いのか、というお話もあり、歴史に関連したお話もでました。
地理、歴史、そして公民の分野にもつながる興味深いお話がたくさんありました。
石田さんご自身は、幼いころは生き物が好きで生物学者になりたいと思っていたこともあって、大学では理系で進学。
そこから文型分野に興味を持って、文転されて会計士や弁護士の資格をとって活動されています。
日本の中で法律の仕事をしていく中で、ただ仕事をこなすだけでなくいろんなことを学び、興味を広げながらお仕事をされてきている様子が伝わってきました。
そしてネパールの仕事の声がかかった時にも、行ってみようと思ってチャレンジしたそうです。
そこで海外の仕組みにも触れました。今は日本に戻ってこられていますが、いずれはまた海外のお仕事にも就きたいとお話されていました。
自分の人生をデザインしていくことは、どうやってお金を稼いでいくかということに留まらず、人生を歩む中で何を学んでいきたいか、ということに関わってきます。
それを、法律関係のお仕事のような社会に密接に関連した分野で今まさに実践されている石田さんからお話が伺えたことは、とても貴重な経験になったと思います。
これから、中学生それぞれがどんな”学ぶと生きるをデザイン”していくのか、楽しみです。
(J.S.)
※中学部は現中学1年生と小学6年生(来年度から)であれば、ご入学できます。
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(担当:佐野)