”食”をテーマに学んでいる2学期のワールドオリエンテーション。
漁業の見学に続き、農業を学ぶために車で箕面の能勢まで行きました。
訪れたのは松岡さん一家が営む『けせら畑(←Facebookページ)』。
都会での暮らしから一転、能勢に移住し、自然農で農業をしながら暮らしているご家族です。
あいにくの雨でしたが、午後には雨はあがると信じて、まずは部屋の中で過ごします。
ここでは、松岡さんがどのようにして農業に携わることになったのか、お話を聞きました。
音楽が好きな松岡さん、ライブバーで働いて、昼夜逆転に近い生活をしていたそうですが、
もっと自由な時間がほしい、このままではいけないと思って情報を集めてみたら、
農業と出会い、それから半年ほどたった頃には、もう能勢に移り住んでいました。
農業を営む暮らしは、季節ごとにリズムがあり、特に寒い季節や雨の日は自分の時間が取れます。
そんな季節ごとの1年の流れと、その暮らしぶりのお話を聞きました。
その他にも、農作物にとっての危機の話を聞きました。
『ヒト』が危機を生み出している。
農薬や化学肥料を使った農業、環境破壊や今の生活スタイルが
農作物に与える影響について学びました。
その後は、雨なのでプログラムを変更し、糸車を使って絹糸を作る体験をしました。
(枝豆の収穫体験に出かける予定でした)
実際に畑で採れたコットンを見せていただき、触ってみて、どのようにして糸になっていくのか
目の前で実演していただきました!
そして、実際に糸にする体験を。
みんな緊張しながらも、熱心に取り組みました。
服も、材料を畑で育てるところから、糸にして布にしていき、実際に着る服を作るまで
全部自分の手で行うこともできるのです。
そんな部分にも目を向けることができる体験でした。
また、竹でいろんなものが作れる、ということも教えていただきました!
それからお昼前に、枝豆をより分ける作業を体験。
この日採れたばかりの枝豆を枝から外し、虫に食われていないものをカゴに入れていきます。
自然農法で栽培されているため、いろんな形やいろんな色のものが混ざっていて
虫に食われているものがいくつもありました。
それも含めて自然の営み。食べられるものだけ、自分たちがいただくためにありがたくより分けます。
「働かざるもの食うべからず」
どれは食べられてどれが食べられないか、アドバイスを受けながら作業をしました。
そしてそれを湯がいてもらって、お昼にいただきました!
枝豆は採りたてが最高に美味しいのです!美味しくて止まらない、と言いながらたくさんいただきました♪
なんと枝豆が苦手だという子も、食べることができました。
ご飯を終えたら、今度は少し離れた山の麓にある畑の方に行きました。
ここでは「大地の再生」に関するワークにチャレンジします。
竹林の前に立って、パッと見て感じるイメージを言葉にしてみました。
暗くて不気味な感じ…
実はそれは、山からの水の出口が人工的なコンクリートで塞がれているため、
山が呼吸できず、風通しも悪くなっているために醸し出されている空気だというのです。
そこで、今回は雨が降って山にしみ込んだ水が、しっかり外に流れ出るように道を作り、
それによって山がちゃんと呼吸ができるようにしよう、という取り組みをします。
現在、日本の至るところで山が呼吸できず、上手く水やエネルギーが循環しないようになっているそうです。
松岡さんは、農業を通じて「大地の再生」を学びながら実践されています。
水たまりを見付け、土を掘ったりして水が流れるための水路を作ります。
少し上の方に行くと、山肌から水が流れ出ているところも見付かり、そこをスタート地点として
水が流れ出るようにしていきました。
やり始めると、夢中になってきました。
どんどん水路ができ、午前に降った雨の影響もあって水がどんどん流れてきました!
そして出口の方も整備して…
川までつなげることができました!
最後まで「時間が足りない!」「もっとやりたい!」という声が出て、
物足りなさの残る時間になりました。
やはり、自然そのものに触れ、それに良い影響を与えていくということには
やりがいと面白さがあるのだと実感しました。
食の根本にある自然とのかかわりを、とても良い形で体験することができたと思います。
松岡さん、ありがとうございました!(J.S.)