「調べ方や学び方」を身に付けることを目的にしている、 1学期のワールドオリエンテーション。
この日は、それぞれの「問い」にアプローチしていく時に大切になる視点について学びました。
それは「批判的・多角的な視点」です。
中学部で特に大切にしていることとしても挙げているこの視点は、小学部では取り上げることがなかったものです。
まずは、みんなで多角的な視点について考えます。
立体をいろんな角度から見ることで、見え方が変わってくるように、
物事も、いろんな角度から見ることで、時にはまったく違ったものにみえるくらい見え方が変わってきます。
それを理解したら「批判的な視点」についても考えます。
批判と聞くと、「それは違う」とその意見を「批難」することと混同しがちですが、そうではありません。
批判的な視点で見て、意見を述べるということは「建設的な」行為なのです。
まずは「本当にだろうか?」と考えてみることから始め、いろんな視点で検討して「自分で考えて」みます。
そして、他の見方はできないか?自分ならどう考えるか?などを考えて、異なった意見の場合でもしっかりと代案を提案できるようにします。
そのような視点で学んだり、対話をしていけば、より深まっていくのです。
そしてこの日は、多角的・批判的な姿勢の例として『風の谷のナウシカ』のナウシカについて紹介しました。
ナウシカは、腐海のことを誰よりも深く理解していました。
多くの国が「人間に害を与える忌々しいものだから、焼き払うなどして何とかしなければ」と考えている中、
そこの植物を自分の国の違った土で育て、毒がないことを確認したり、自分の身体で確かめて、考えて、
確かな情報を持っていました。
その姿勢があって、最終的には国同士の争いを止め、多くの人を救うのです。
そのような姿勢で、これから物事に取り組み、学んでいけるようになれば、
2学期以降のワールドオリエンテーションでも、興味深い発見ができるのではないかと思います。
そして中学部での学びが、生きるをデザインしていくことにつながっていくはずです。(J.S.)