ワールドオリエンテーションの時間で、科学実験を行いました。
講師は小学部でもお馴染みの江角さんです。
テーマは「分子や原子と友達になろう」。
メインの内容に入る前に、江角さんご自身の紹介と子ども達の自己紹介をしました。
実は江角さんは、道具がなければ耳が聞こえません。
かつては助手の尾上さんと筆談を使って子ども達の発言を確認してやり取りをしていましたが、
今は「人工内耳」を持っているため、音を拾うマイクとそれを人工内耳に伝える機械があればなんとか聞き取ることができます。
そのような話から、耳の働きとか脳の働きについてもお話していただき、子ども達も興味深そうに聞いていました。
普段意識することのない身体の働きについて、考えてみる機会になったと思います。
いよいよ中学生ということで、初めはミクロの目線で物を見て、原子論的に物質の成り立ちを知るために
原子や分子について学びます。
まずは「空気を絵に描いてみよう!」から始まりました。
目に見えないものを描くのは難しい。
科学者は「想像」したり「計算」したり「実験」したりして謎に挑戦してきました。
原子について詳しく知る前に、いろいろ想像してみました。
「息を吹き込んだら風船が膨らむのはなぜ?」という問い。
「空気が入ったから」
という答えにとどまらず、もっと細かい視点で考えます。
ビンの中の風船は中に新しく空気を入れなくても膨らみます。
目の前でビンの中に空気を入れたり、空気を抜いてみたり、を実際にやっていただきました。
周りに空気が存在しているから、容れ物や風船の中と外で、
空気がその境界線を押す力が等しくなっています。
だからそのどちらかの力を変えると境界線も変わります。
その働きによって物がへこんだり膨らんだりしているのです。
空気も原子・分子でできていて、重さもある存在なのだと知ることができました。
それを知った後は、実際にどんな原子や分子があるのかを学び、
その「1億倍」の大きさの模型を作製しました。
どんな性質を持っているのかも含めて作りながらいろんなお話を聞いて理解を深めました。
中には空気に含まれている窒素や酸素のような身近なものから、
ウランやプルトニウムといったニュースなどで耳にする原子などが出てきていました。
最後に化学式の書き方を学び、実際に書いてみました。
次回以降でまた原子や分子の世界を探求します。
中学部では「多角的な視点」や「批判的な思考」というものを大事にしています。
今回の科学実験では、新しくミクロな細かい視点を身に付けるきっかけをいただきました。
また、江角さんご自身が子ども達と接してくださるだけでも、いろんな視点を持てるきっかけになるのではないかと思いました。
次は6月に来ていただく予定です(小学部は5月に実施)。楽しみですね。
(J.S.)