“学ぶと生きるをデザインする”20年度の学び


2021年度は人数が例年より増え、よりにぎやかに過ごしています。

新しいクラスの始まり〜2021年度スタート〜

 

この記事では、2020年度、6年目の中学部の学びについてご紹介します。

今年度は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでスタートしましたが、2学期からは通学(対面学習)に戻っています。ただ、時間は短縮しているため、1コマ当たりの学習時間は短くなっていて、去年度まであったミニ講座が今のところなくなっています。

 

大切にしたいこと

中学部の学びで大切にしているのは、周りの人や世間・社会のモノサシで判断するより、まずは自分の興味関心、ワクワクすることを大切に学ぶことです。そして自分の軸を見付けていくイメージですね。

 

本来、学びとは広くて自由なもので、机に向かってするものだけではありません。そんな広い視点で学びを捉えています。

自分で選ぶ・決める、その責任を自分で引き受ける、ということを大切にしています。もちろん、スタッフや保護者とも相談しながらいろんなことを決めていきます。

 

自分の学ぶと生きるをデザインしていきます。

 

基礎学習に費やすことができる時間も非常に限られていますが、その中で自分が何をどのように学んでいくのかを考えていきます。

 

自分は何がしたいのかを常に問いかけながら過ごします。

 

自分の学びを自分でつくる、結果を引き受ける。

 

何もしなければそのまま変わらないところを、自分で働きかけて動かしていくことが大切です。

 

ここからはそれぞれの学習プログラムを紹介します。

 

基礎学習(個別学習)

※今年度はひとりひとり壁や窓に向かって座っていますが、通常はグループになって座っています。

ベースは個別学習です。

・自分自身の学習計画を立てる

・自分のペースで進める

・わからないところはスタッフに聞く・調べるなどして解決していく

毎月の学習計画を自分のペースを検討しながら立てます。テキストを決め、進める場所を決めて、そのページ数を書き、できる度にそのページの数字に色や印を付けて、自分で進捗を管理したり、スタッフとそれを共有したりしています。

 

テキストは学校から推奨しているものを紹介しますが、基本的には自由なので、自分で本屋で選んできたり、習い事で使っているものを使用したり、必要があればICT機器を使った学習も可能です。

自分自身で課題意識を持って進めているため、休み時間になってもわからないところを質問して、スタッフに教えてもらったり、一緒に考えたり、クラスメイトが一緒に考えたり、得意な人が教えてくれたりしています。

 

基礎学習(共同学習)

フィリップの英語

ネイティブの講師による英会話を中心にした英語学習の時間です。

実は講師のフィリップは小学部に在学している子の保護者です。ご自身で英会話スクールをされていますが、週に一度中学生のために講師をしにきてくれています。

 

  

英会話を中心に英語を聞いて、話してということをしています。

 

テキストの内容にも取り組みます。

 

教えてもらったり、自分で調べたりしながら課題に取り組んでいます。

 

未樹さんの英語

英文法や英文読解、英作文などの共同学習も週に1回あります。1・2年生のクラスには、中学校・高等学校で長年英語教育に関わってこられた未樹さんが講師にきてくれています。

 

英語の記事や映像も使いながら、いろんな素材で学んでいます。

英文法がまとまっているテキストを使って個別学習とも並行しながら学んでいます。

 

れなさんの英語

現在中学3年生は、少人数で中学部スタッフのれなさんの英語クラスです(2学期現在3名が在籍)。れなさんはイギリスの大学でオルタナティブ教育を学んでいた経歴があり、英語にも精通しています。

少人数なので、個々の状況に合わせて課題を設定して学んでいます。

 

 

アミさんの数学

数学は学年ごとに分かれて共同学習をしています。1・3年生のクラスには、高等学校で長年数学教育に関わってこられたアミさんが講師にきてくれています。

3年生は、子どもたちの課題に合わせて、3年生の内容を中心に中学の数学全体に関わるような課題に取り組んでいます。

それぞれのニーズに合わせて難問にもチャレンジしています!

人数が少ない時は、個別にも熱心に指導してくれています。

 

1年生は数学に馴染みやすいように、トランプを使ったゲームや手品から数学を考える時間など、楽しみながら数学に取り組んでいます。

ワクワクすることも多い時間になっています。

 

さのっちの数学

2年生はスタッフのさのっちによる数学共同で学んでいます。

 

数学的な課題をじっくりと考えて、課題に取り組む時間です。ただ解法を覚えるのではなく、そもそもそれはどういうことなのか、ということを納得していくことを大切にしています。

 

ICTも駆使してビジュアル的にイメージしながら学ぶことも大事にしています。

 

みほさんの日本語共同

校長のみほさんによる日本語共同は、いわゆる”国語”のような時間ですが、対話的なプログラムを中心に取り組んでいます。毎学期、子どもたちからどのような課題に取り組みたいかを聞いて、みんなで話し合いながら計画を立てています。

ニーズに合わせて選択的に文法の時間を設定することもありますが、基本的には「こども哲学」的な時間が多くなっています。

最近では、子どもたちからの希望で「自分の好きなものについての動画作り」という課題にチャレンジしています。

 

ワールドオリエンテーション

クラス全体で取り組む大きなテーマを決めて、そのことについて探究的に学んでいくテーマ学習です。

今年度の前半は「農」に取り組みました↓

”農”の中間発表会〜ワールドオリエンテーション20年度1学期〜

テーマ自体は学校の方で設定したものに取り組みますが、スタッフからの提案で新しい情報に触れ、それをきっかけにその中で興味関心のある自分のテーマを設定して探究します。

最初は話を聞いたり、動画を見たり、施設に見学に行ったり、ワークショップをしたりしてテーマに触れます。

 

それから自分のテーマを検討し、個別に調べたり、アンケートを取ったり、企業や団体に問い合わせたり、それぞれがいろんなやり方で情報を集めたり考えたりして深めていきます。

そして最後にプレゼンテーションをします。プレゼンテーションは、スライド資料を作ったり模造紙にまとめたり、それぞれの方法で表現します。

さらにその内容をレポートにまとめます。

 

自分の学びをまとめると同時に、他の人の発表も見て、いろんな角度からそのテーマを学ぶ時間です。

 

また、特定のテーマ学習以外にも、不定期ですが講師の方の話を聞く機会もあります。

自分の頭で考えよう 藤原ひろのぶさんのお話

藤原ひろのぶさんにも来ていただいてお話を伺いました。

実は数年前にも来ていただいていたのですが、今回は保護者からの提案で再び来ていただくことができました。

 

プロジェクト

プロジェクトの時間は、自分のやりたいことを計画に沿って進めてまとめをする学習です。

校庭で遊び道具を入れるための倉庫を作ったり、

校庭やホールでサッカーをしたり、

リコーダーを練習したり、

エレキベースを弾いたり…

楽器が多いですが、最近音楽をやっている人が多くなっています。

もちろん他にも絵を描く人や工作をする人もいます。手芸やクッキングもできます。
※今年度は今のところクッキングはできなくなってしまっています。

プロジェクトの時間で大切なことをまとめておきます。

○自分を見つめること

週末の学習計画の時間に、次の週の計画を立てます。その中でプロジェクトの欄には自分のやりたいことを書くので、その時に「自分は何がやりたいのだろう?」ということを自分に問いかけます。

実は中学生になると、この部分が結構難しく、だからこそとても大事になっていると感じます。まず自分の興味関心に目を向ける視点を持つことから。

 

○計画を立ててやってみる

どんなことでも、まずやってみることが大事です。それができるチャンスが得られる時間です。

 

○振り返って次につなげる

プロジェクトはプロジェクトノートに計画や実行したことをまとめていくことになっています。それを記録しながら、次につなげていきます。

 

○時には他のクラスメイトと協働すること

プロジェクトの学習は基本的には個人のものですが、同じ時間で他のクラスメイトもプロジェクト学習をしています。なので、いろいろアドバイスを求めたり、手伝ってもらったり、同じものを協力して作ることもあります。

 

そんな風にしてそれぞれのやりたいことを形にしていっています。

3年生が卒業プロジェクトにチャレンジしました↓

卒業プロジェクト発表会!

 

共同プロジェクト

中学生が自分たちで、クラス全体でやりたいことを話し合って決めて、協力して実行していく学習です。

役割をそれぞれで担って、粘り強く話し合いをします。

この年は、最終的にスキーとUSJに行きました。

スキーに行きたい!〜共同プロジェクトでお出かけ〜

みんなでUSJへ!〜共同プロジェクト〜

 

選択プログラム

主に午後の時間はプロジェクトの学習と並行して、講師の方に来てもらって学ぶ選択プログラムがあります。

スポーツや音楽、科学実験やアトリエなどいろんなものがあります。週末の学習計画で自分のプロジェクトをするか、選択プログラムを取るか自分で決めます。

 

音楽ではやりたい人たちで、自分たちのやりたい曲を担当の講師と相談して決めます。それからやりたい楽器を選んで、相談したり教えてもらったり、楽譜を作ってもらったりして自分たちの音楽を作ってきます。

パーカッションが好きな人はパーカッションを

ウクレレにチャレンジ!

身近なものを楽器にしてみることも

講師はプロのミュージシャン、ピアニストの石川まぎさんが来てくれています。

教えてもらったり、みんなで話し合いをしたり。

 

そして楽しい発表会をします!

みんなで楽しもう!音楽ABC発表会♪

 

その他にも科学実験などいろいろなプログラムがあります。

マイクロスコープを覗いてみよう

’20年1学期のいろんな学び

集会

クラスのことは中学部集会で話し合って決めています。

タブレットの使い方、スマホの使い方など、日常で気になることやルールに関することを自由に提案することができ、その議題の沿って、自分たちで司会・ボード・記録の役割を決めて話し合いを進めています。

やりたいことの提案をすることもでき、20年度は「映画上映会をしたい」という提案があり、企画を考える人たちが何を見るかなど候補を出してクラスメイトに聞いて、進めていきました。

当日は、中学生たちでどんどん部屋を暗くするなどの準備を進めていました。

この日はお菓子もOKになっていました!

そしてクラスで映画を見る時間を楽しみました。

 

日常

日常は1〜3年生が混ざって楽しく過ごしています。

2学期がスタート!(新入学・8月お誕生日会も♪)

 

去年度の学び紹介はこちら↓

“学ぶと生きるをデザインする”19年度の学び