2学期の始めから取り組んできたワールドオリエンテーション「平和のレシピ~ささやかな提案~」。
今日、それぞれのテーマで調べて考えて来たことを発表しました!
司会の役割を担った二人。今回のテーマの趣旨を説明しました。
「子どもたちの平和のために学校はどうあればいいのか」
ニュースで聞く不登校やいじめが増えているということが気になってこのテーマに取り組むことにしました。
自分が公立の学校に通っていた経験、そして箕面こどもの森学園で学んできた経験から感じることをもとに考えました。
公立学校の歴史を紹介し、オルタナティブスクールとして西宮サドベリースクールと箕面こどもの森学園を具体的に紹介しました。
平和を阻むものとして、直接的な暴力・間接的な暴力・構造的な暴力の3つを紹介。
学校制度の中にも構造的な暴力があるのではないか。
選択肢を増やすことが平和につながる、とまとめました。
「自衛隊は要るか」
軍事関係のものに興味があり、このテーマを選びました。
軍隊を解体したというコスタリカの話や最近の北朝鮮のニュースなどにも注目し、自衛隊が必要かどうかという問いに取り組みました。
自衛隊の歴史と外国の軍隊との比較を紹介。
攻めるための装備は必要ないが、自国を守るための自衛隊は必要だと思う、とまとめました。
一度は不要だという人の立場の言葉にも触れ、いろんな角度から検討して自分の考えを広げて深めました。
「なぜ戦争はなくならないのか」
今回の学習の中で立命館大学平和ミュージアムに行ったり、戦争の体験談を聞いたりする中で湧いてきた疑問と向き合いました。
そこで、「戦争は利益になる」「恐怖、警戒があるから戦争が起こる」ということを解説。
また、『魔法のコンパス』という本でタレントのタモリさんが言っていた言葉を引用。
「LOVEさえなければPEACEなんだ」という視点を紹介しました。
それが上で挙げた戦争が起こる理由とリンクしていると考え、戦争をなくすことがいかに難しいかを実感しました。
その上で、お家でお母さんとこのテーマについて話し、
「国境などの壁を作らず、世界中の人を大切に思うことができたら、戦争は少なくなるのでは」と考えるようになりました。
そうなるためにも、初めての人にも壁を作らず、相手の気持ちに配慮しつつ話しかけていきたい、ということでした。
「世界の識字率と日本の貧困」
今回のテーマに取り組む中で「こども宅食」のことを知りました。
子どもに関することに関心があったため、他にも自分たちが身近でできる支援のことが知りたくていろいろ調べてみました。
識字率と日本の貧困に注目。
識字率のデータを紹介し、文字が読めないと命に関わる危機を回避することができなくなることを具体的に伝えました。
そして、絶対的貧困と相対的貧困について紹介し、日本の現状を考察しました。
世界の識字率の低さも、日本の貧困も、その連鎖を断つことが大切。
現在の寄付がLINEを通して手続きができる仕組みなど、新しくなっていることを伝え、そのような取り組みによって新しい流れが作れるかもしれないことを示しました。
自分でもいずれやってみたいとまとめました。
「身近なところで起こる小さな争い」
電車で通学している時に、車内で出会うトラブルや迷惑行為に着目して平和を考えました。
公共交通機関で起こるトラブルをデータで紹介し、実体験とつなげて現状を伝えました。
その上で、優先座席に注目し、目に見えない体調の悪さや病気などの人が席を譲らないで責められたり白い目で見られるケースがあることを紹介。
「もしかしたら~かもしれない」ということを考えることが大事だと考えました。
~すべきだ、という考えを強く持つのではなく、かもしれない、の幅を持つことが大切だとまとめました。
「子どもにとって幸せ・平和な教育ってどんなこと?」
日本や世界の教育の現状を聞くと、どうも平和ではないような気がする。
それを考えていく内に「そもそも平和な教育とはどういうことなのか?」という問いを抱き、取り組んでみることにしました。
教育が進んでいると言われているフィンランドとPISAの学力テストが1位になっているシンガポールと日本の教育を比較して考えてみました。
その中で、学力を一番に考えないフィンランドが一番平和な教育だと感じました。そして、自分が学ぶ箕面こどもの森学園も、平和である要素がたくさんあると感じました。
自分にとっての平和は「みんなが安心して暮らせること」。戦いがないのはもちろんだけど、小さな喧嘩や見ていて微笑ましいようなものはあってもいいのでは、と考えました。
いずれは、フィンランドやシンガポールに行って、自分の目で確かめてみたい、と締めくくりました。
「なぜ争いは起こるのか」
小学生の頃から何度も平和というテーマに取り組んできました。今回は平和ということを追求しようとする中で「なぜ争いは起こるのか」という問いを抱いて、それに向き合いました。
その頃の読んでいた本をもとに考えました。
『魔法のコンパス』では、上述のタモリさんの言葉を紹介し、衝撃を受けたことを伝えました。
『常識を疑うことこら始めよう』では、常識は国や時代が変われば非常識になることがある、ということを具体例をたくさん紹介して伝えました。
そして「ひとりひとり違うのは当たり前。そのことを大切にしたい」とまとめました。
「平和とは笑顔が世界中にあふれていること」という考えを、心理学的に紹介し、みんなで笑顔になりましょう!と呼びかけました。
「ペットの平和」
動物が好きだけど、日本でも動物が殺処分されているということを聞きます。
そこで、今回は動物にとっての平和を調べ、平和についての考えを深めることにしました。
ペット先進国と言われるドイツでは、いろんな動物を保護している場所が多くあり、動物を飼いたい人はそこを訪れる、ということを紹介。
日本では毎年たくさんの動物が飼い主がいない状態で保護され、そのおよそ半分が殺処分されていることを紹介し「動物も安心して生きられるような状態が平和だ」と考えました。
そして、募金やボランティアなどできることを紹介し、自分でもいつかボランティアに参加してみたいと締めくくりました。
「平和と正義と悪」
赤ちゃんの時から悪さをする人はいない、戦争も正義と悪で作られているのかもしれない、と考え、正義と悪について考えてみることにしました。
それぞれの価値観が全然違うし、悪から見たら正義は悪になってしまう。正義も悪もないのではないかと仮説を立てました。
そして学校全体にアンケートを採り、本を読んで検討しました。
アンケートからはいろんな年代のいろんな意見を知り、本からも悪についていろんな言葉に触れました。
そして、多角的に考えられることで平和に近づける、とまとめました。
「アートは平和に影響を与えることができるか」
自分にとっての平和は「みんなが自分の大好きなことをして楽しく暮らせること」。
絵を描くのが好きで、そこに出てくる動物たちもそんな風に過ごしている。それを伝えたいし、それが広まっていくと世界は平和になっていくと考えました。
そこで、世界中で絵を描いてメッセージを伝えている人たちを紹介。
また、ナチスドイツのように情報によって、人々を洗脳してきた例を紹介し、絵というメディアにもそのような力があると考えて、自分はそれを使って、もっとポジティブに世界が楽しく平和で、シュールと楽しいで溢れるようにみんなを「洗脳」したいし影響を与えていきたい、とまとめました。
最後に、台湾研修旅行の報告をしました!
それぞれの役割について紹介しました。
ホテル担当
交通担当
会計担当
食の担当
交流の担当
観光の担当
そして、交流した全人実験学校の様子と参加した学習についても紹介。
感想をひとりひとり発表し、締めくくりました。
すべての発表が終わったところで、司会の2人から、今回のテーマに関して戦争の実体験を伝えていただいた楠山さんの紹介があり、コメントをいただきました。
いくつかの発表に関して具体的なコメントをいただき、全体を通して伝えてきたテーマに、より深みが増しました。
ありがとうございました!
全体を通して様々な視点で平和について考え、これからできることも考えていきました。
それが今後の未来につながっていけばと思います。
おつかれさまでした!(J.S.)