【海外研修旅行】2024マレーシアの旅⑥ ゴミ問題、戦争の歴史、3つの宗教施設が集まる街。


マレーシア研修旅行記、ついに最終回。

X 全日程のまとめはこちら↓(とってもこまめにツイートしてくれてて、ライブ感満載です)

マレーシアの深刻なゴミ問題

マレーシア7日目。
ホームステイの家族たちに別れを告げ、
中学生たちはバスでパパールの街へと向かいました。
最初に訪れたのは、ゴミ処理場。
マレーシアにはゴミの焼却場がありません。
ゴミはすべて集積場に集められ、積み上げられたままの状態が最終処分状態。
マレーシアが抱える社会課題のひとつです。
(ちなみにフィリピンも同じ)
けんじぃが話してくれました。
「みんなが宿泊したCFF子どもの家では、ゴミの分別をしていたけど、
そのゴミたちも最終的にはここに来て、いっしょくたになってしまいます。」
「それでも子どもの家で分別を大切にしているのは、子どもたちにゴミ問題について考えてもらいたいから。」
目の前では、自家用車が並び、次々と家庭ゴミを持ち込んでは大きなコンテナに放り込んでいました。
ゴミ回収日などはなく、住民はいつでもこうやってゴミを捨てにきていいのだそうです。
これが当たり前の世の中で、問題意識をもって地道に取り組んでおられるCFFのみなさん。
改めて尊敬の念を抱きました。

戦争の歴史に触れた、ボルネオ鉄道。

次に訪れたのは、ボルネオ鉄道の終着駅、パパール駅。
ゴミ処理場からすぐのところにありました。
ここでもけんじぃが話をしてくれました。
「ボルネオ鉄道はかつて、太平洋戦争で日本が占領していた時期に、ほぼ壊滅的に壊されてしまったという歴史があります。
だから、お年寄りの中には今も日本人が許せない、という方もいます。そんな中、ホストファミリーの人たちはわたしたちを快く受け入れてくれました。
わたしたちはそのような歴史を知っておく必要があると思います。」
ボルネオ鉄道については、中3の人が2学期に自分の小テーマとして調べていました。
ボルネオ鉄道は一日2、3往復しか運行していないようで、
収入を得るためではなく、ボルネオ島のシンボルとして存在しているそうです。

3つの宗教施設が密集する、世界的にめずらしい街。

パパール駅前には、マーケットが広がっていました。
一同、ここでしばし散策。
疲れている人はバスでゆっくりすごしました。
この近くにはイスラム教のモスク、仏教の寺院、キリスト教の教会が集まる場所があります。
3宗教施設が密集する、めずらしい街なんだそうです。
ひとつひとつ歩いて見て回りました。

モスクは外側から見るだけでした。

仏教寺院は日本では見かけない、かわいいピンク色の外壁。
中も見せていただきました。
最後はキリスト教の教会。
こちらは、CFF子どもの家の子どもたちも礼拝に来ているところでした。
牧師さんが私たちに向けて英語で話してくれました。
宗教の多様性を感じる街でした。
さて、ランチ。
マレーシア研修旅行最後のお昼ごはんは、中華料理でした。

CFF子どもの家での最後の時間は
屠殺体験と、子どもたちとの交流。

子どもの家に戻りました。
中学生たちはかなり疲れがたまってきている様子。
各自のペースで部屋で休みました。
そして最後のアクティビティ、鶏の屠殺体験です。
選択した人たちが集まってきました。
見本を見せてもらった後に5人が実際に触らせてもらいました。
さらに毛をむしるところまで体験した人もいました。
体験後、中2のひとりが
「冷たくなっていくのがわかった」
と、生から死への感覚を感じたことを伝えてくれました。

この鶏は今夜の食事に出てくる予定です。

さて、この後は子どもの家の子どもたちとの交流の時間です。
中学生たちが準備してきた日本紹介、こどもの森紹介をしました。
最初の訪問先の学校に、データが入っていたUSBを置き忘れるというトラブルがありましたが、
持ってきていたボードを使って、問題なくプレゼンすることができました。
そのあとは部屋の中では折り紙とけん玉を、
外ではドッジボールをみんなで楽しみました。
夕食の時間。
さっきの鶏は唐揚げとなって、みんなのお皿に並びました。
ありがたく、いただきました。
子どもの家のご飯は、野菜もしっかり摂れるし、
全てこの場所からの素材で作られている安心安全のご飯でした。

食後はお別れパーティー。
お互いにメッセージを伝え合い、歌のプレゼントをたくさんもらい、
お土産を渡して、最後は一緒に歌いました。
短い時間だったけど、とてもあたたかく、楽しい時間でした。
最後のお別れをして、子どもの家を後にしました。
CFFマレーシア、本当にすばらしい場所でした。
いいご縁ができて、とってもうれしいです。

さあ、バスに乗り込み、長い帰路の始まりです。

けんじぃ、シャシャとのお別れ。

8日間お世話になった、けんじぃとシャシャ。
コタキナバル空港で、いよいよお二人ともお別れです。
子どもたち全員の名前をすぐ覚えてくださり、
一人ひとりにとても受容的に関わってくださったお二人。
ご自身の過去の大変だった経験なども、包み隠さず語ってくださり、
決して上からでなく、尊重、対等なあり方で接してくださいました。
最初の日にシャシャが言ってくれた言葉は
「オープンハートが大事」
ということ。
心を開いて人と接すること、世界を見ることの大切さを
お別れの日にもまた語ってくれました。
けんじぃは、近年まれにみる好青年で、心の器がとてもしっかりした方でした。
今回の旅の準備段階からこの日まで、旅の途中に起きたトラブルも
小さなものから大きなものまで、誠実に対応してくださいました。
けんじぃがいてくれるだけでとても心強く、安心してすごすことができました。
ハグして、一緒に写真を撮って、涙しながらのお別れとなりました。
けんじぃ、シャシャのおかげですばらしい旅になりました。
本当にありがとうございました。

コタキナバル空港から、仁川空港、そして関空へ。

行きと同じルートを辿り、トランジット含め14時間かけて日本に帰国した中学生たち。
夜間飛行の機内で爆睡でした。
関空では待ち構えた保護者の方たちに出迎えを受け、
それぞれ帰宅していきました。
多民族国家、マレーシア。
いくつもの宗教が混在する国。
熱帯雨林の国。
いろんな社会課題を抱えつつも、
人々はみんなあたたかく、大らかなお国柄でした。
出会ったすべての人に、感謝。
(A.M)