【海外研修旅行】2024マレーシアの旅③ 熱帯雨林の生き物と出会い、アブラヤシの林に身を置く。


前回より少し間が空いてしまいましたが、マレーシア研修旅行記の続きです。

X 全日程のまとめはこちら↓(とってもこまめにツイートしてくれてて、ライブ感満載です)

経済発展か、環境保全か。
むずかしさを感じた
熱帯雨林での1日。

4日目の朝は、「ロティチャナイ」というインド系の料理からスタート。
カレーをつけたり、練乳をつけて楽しみます。美味しい!
マレーシアの人は辛いものと甘いものが好きみたいです。

 

ホテルに戻り、荷物をまとめていざスタート!
と思いきや、部屋のカードキーをなくしてしまったり、ドアがロックされて入れなくなったりというトラブルが発生。

それもなんとか乗り切り、気を取り直して出発です。

けんじぃ(今回の旅のコーディネーター)がバスのアナウンスで
「カードキーを失くすのも良い経験です」と言ってくださいました。
集合にもよく遅れる私たちに、あたたかくお付き合いいただいて感謝です。

 

今日最初に向かう場所は、環境保全型動物園(Lok Kawi Wildlife Park)
コタキナバルからバスで約40分ほど南へ向かいます。
車窓からボルネオ鉄道の線路が並走しているのが見えました。

 

動物園は山の中にありました。
ここにはボルネオ島にしか生息しない、絶滅危惧種のどうぶつたちがたくさんいます。

事前学習の個人テーマで何人かが自然環境・動物について調べて発表していたので、
楽しみにしている人も多い場所でした。
時間が遅れていたのですが、予定通りの時間を取ってゆっくり見ました。
サイチョウなどの珍しい鳥たちやオランウータン、テングザルなど希少な動物たちを見ることができました。
ここは希少な動物を守る目的もあって運営されている動物園です。

オランウータン。

テングザル。

マレーゾウ。

ボルネオ島はかつて、その面積の約80%がジャングルだったのですが、
今は50%にまで減っているそうです。
人類の環境破壊により、もともと生息していた生き物たちが
どんどんすみかを奪われてしまっています。

今回の研修旅行では、
中学生たちに熱帯雨林の減少という問題について考え、
感じてもらいたいという思いがありました。

動物園のショップでお土産を買って、
次はパームオイル農園に向かいます。

それは道路の両脇に広がる広大なアブラヤシの農園でした。

事前学習で「ウータン・森と生活を考える会」の石崎さんにお話を伺ってから、
自然環境・動物をテーマにした人たちが避けては通れなかった場所です。
ジャングルを切り開いて作られたという農園。
たくさんのアブラヤシが植っていました。

バスを降りて、小道から中へと入っていきます。

けんじぃが解説してくれました。

「アブラヤシは『金のなる木』なんです。
1年でたくさん油がとれ、簡単に作ることができる。
マレーシアの経済発展はこのパーム油のおかげです。
世界のパーム油の85%はここボルネオ島のもので、
日本はボルネオ島から100%輸入しています。」

「ジャングルがなくなることで、野生動物が追いやられてしまいました。
森林伐採の影響で山に水が溜まらなくなり、洪水が起きたりしました。」

「パーム油は鮮度がいのち。
ですが、労働力が足りないので、安い労働力を使って生産しています。
なので、不法就労が多いんです。」

「マレーシアはパーム油で儲かった。でも、バランスが大事だと思います。
売れるのは、買う人がいるから。
今はパーム油の認証マークがあって、いろんな製品についています。
グリコ、日清、カルビーには認証マークがついています。」

アブラヤシの実。この実から油をしぼります。

住処を失う動物、安い労働力として使われる民族の人々…
昨日のフィリピン人移民集落と今日の動物園とのつながりを感じました。

経済の発展と環境の保全、どちらをとるのか。
日本にいるだけではなかなかわからない、とても大切な問いを持つことができた
パームオイル農園の見学でした。

Googleマップで見たパームオイル農園。

 

環境に配慮した暮らしと
一人ひとりの子どもを大切にしたコミュニティ。

バスは一路、今夜の宿泊先「CFFマレーシア 児童養護施設 子どもの家」へ。
今回の旅のコーディネートをしてくださった、CFFさんが運営する施設です。
途中、中華料理のランチを食べました。

コタキナバルから南へ約40kmにパパールという街があり、
子どもの家はそこからさらに山道を奥へ奥へと進んだ、ジャングルの中にありました。

東京ドーム1.7個分もの広大な敷地に、無農薬の果樹園や畑が広がり、
いろんな事情で家族と生活することが難しい子どもたちが共同生活しています。

空気がよく、心地よい風が吹いて、ヤギがのんびり歩いていました。

宿泊させていただいたドミトリー。できてまだ日が浅く、とてもきれいな施設でした。

 

各自、荷物を部屋に置いて、シャワータイム。
いよいよこの日より先はお湯が出ない環境になります。
現地の人たちは、日が落ちて気温が下がる前の夕方にシャワーを浴びるそうです。

メインハウスに集合すると、
ここで暮らす7歳から17歳の男の子たちも集まってきました。
子どもの家では音楽教育を重視していて、見事なバイオリンの演奏を聞かせてくれました。
そしてみんな揃って夕食タイム。
食材の中には敷地内で収穫されたものもありました。
カフェテリア形式で食べたい量をお皿に取っていきました。
子どもの家はクリスチャン。
この日は一人の男の子がお祈りの言葉を言ってくれました。
食事の後片付けもみんなでやります。
残飯はコンポストへ、お皿は少ないお水できれいに洗えるよう工夫されていました。

エコロジーな生活が当たり前に行われていて、感動でした。

子どもの家の男の子たちにやり方を教えてもらい、中学生たちも一緒に片付けをしました。

残飯はコンポストへ。肥料にして循環させます。

その後、教会の方々がキャロルを届けに来てくれて、
そんな音楽に包まれつつ自己紹介をしてアイスブレイク。
旅の前半はイスラム教を強く感じていましたが、ここからはキリスト教。
マレーシアの宗教多様性を体感することができました。
一日の終わりのふりかえりも忘れずに。
明日はCFFマレーシアの施設ツアー、そしていよいよホストファミリーの待つ村へと移動します。
(A.M)