熱帯林に住む生き物たちと人間との関わり、
マレーシアの交通事情、マレーシアの学校など
現地にはどんな生活があるのか。
ワールドオリエンテーション「マレーシア」の発表3日目は、マレーシアの環境などについて調べた人たちの発表でした。
①「サバ州立鉄道」
マレーシアの交通事情はどうなっているのだろう?という興味から調べ始め、
インドネシア在住で東南アジアの鉄道に詳しい方を見つけて、
インタビューさせていただきました。
わたしたちが今回訪問するコタキナバルは、マレーシアのサバ州にあります。
ここには1日2往復の「サバ州立鉄道」が運行されているそうです。
ただ、この鉄道は実用ではなくサバ州のシンボル的存在で、
とにかく運行しているだけでOK。
収入もありません。
車両はインドから数百万円で購入していて、メンテナンスもしておらず、掃除だけ。
以前脱線事故が起きたことがあり、その後線路がきれいになったそうです。
首都のクアラルンプールには路面電車もあり、電車はいろいろあるそうです。
首都とボルネオ島の違いが感じられる発表でした。
②「熱帯雨林」
ボルネオ島の熱帯雨林に生息する生き物たちを紹介してくれました。
代表的な生き物としては、まずオランウータンがあげられます。
なんとオランウータンは100年前と比べて92%も数が減っているそうです。
そのほかにも、テングザル、サイチョウ、ラフレシアなどについて紹介してくれました。
すべて絶滅危惧種、ボルネオ島にしかいない生き物もたくさん存在しています。
ボルネオ島の環境破壊は、アブラヤシのプランテーションができたことによります。
パーム油は日本でもいろんな食品や洗剤などで使われているので、気になります。
ただ、パーム油の商品が良い悪いということではなく、
熱帯雨林を壊してアブラヤシ農園がどんどん作られていて、
動物たちが暮らしにくくなり、絶滅危惧種が増えているということが問題だということです。
③「絶滅危惧種と環境」
ボルネオ島の絶滅危惧種について、調べたことを発表してくれました。
絶滅危惧種にはランクがあり、それぞれ「CR」「EN」などに分けられるそうです。
CRは近い未来絶滅しそうという一番上のランク
ENはCRよりは絶滅まで時間はあるというランク
だそうです。
マレートラ、ボルネオオランウータンはCR、
ボルネオゾウはEN。
パーム油の問題があることを踏まえ、
生き物と自分たち人間の生活両方を大切にできるには、どんな道があるだろう?と考え、
その一つとして、「動物の移動するルートを残すようにして、アブラヤシ農園を縮小したらどうか」と提案しました。
④「マレーシアの学校」
交流先の学校への興味から、日本の学校とどのように違うのかを知ろうとして調べていきました。
マレーシアの学校の時間割は日本と似ていて、
マレー語、英語、アラビア語、数学、理科、社会、プロジェクト、体育といった内容でした。
宗教の時間があり、イスラム教の人はお祈りをします。
給食はカフェテリア形式で、好きなものを選んで買って食べるそうです。
お弁当持参もOK。
休日は土日祝日。
1月2日から学校が始まり、朝7時20分から14時30分まで。
親が送迎したり、スクールバスもあるそうです。
義務教育は小学校6年間、中学校5年間だそうです。
⑤「文明と生物の関係」
マレーシアは、自動車やバイクの排気ガスによる大気汚染が深刻です。
また、パーム油の問題は森林破壊の代表例と言えます。
アブラヤシは安価で多くの油がとれるが、20年で土地の栄養を吸い尽くすという面があります。
つまり、新しい木を植えても育たないということ。
これで、ボルネオ島の40%の森林がなくなったそうです。
木がなくなってもCO2は出し続けるため、大気汚染は悪化の一方です。
そこで対処法として、以下の2つを考えました。
・CO2を出さない自動車やバイクに変えること
・パーム油に代わる何かの開発をすること
⑥「マレーシアのウチワキジと動物」
ウチワキジは、しっぽがうちわのように広がった形をした、インドネシア、マレーシアにのみ生息する鳥で、絶滅危惧種です。
日本には天王寺動物園と愛知の動物園の2か所にいるという情報を見つけ、
天王寺動物園に行ってきたそうです。
しかし、天王寺動物園のウチワキジは2020年に永眠していました。
ここで24年間も生きていたそうです。
このとても貴重な生き物を、飼育員さんたちは「じっちゃん」と呼んで、
大切に飼育されていたそうです。
こうして、3日間かけて、一人ひとりが調べたり体験したことをシェアしあいました。
「マレーシア」という大きなテーマの中で、
20人20個の角度からマレーシアを見たことを共有できたことで、
いよいよ来週現地で目にするいろんなことが、よりくっきりと、深く、興味深く感じられるといいなと思います。
研修旅行の報告会は、3学期に行いますので、
どうぞ楽しみにしていてくださいね。
(A.M)