多民族国家、マレーシア。
どんな民族が暮らしているのか。
いよいよ来週、マレーシアに旅立つ中学部です。
それに向けて各自がテーマを持って探求してきたマレーシアのあれこれについて、
11月11日~15日の間の3日間かけて、発表してもらいました。
今回のような3日かけての発表スタイルは、初めての試みです。
発表1日目は、主に民族に関連するテーマの人たちからの報告でした。
①マレーシアの歴史
マレーシアはもともとマラッカ王国という国だったけれど、
その後大航海時代にポルトガルやオランダ、さらにはイギリスに占領され植民地となったことや、
日本も太平洋戦争で一時期マレーシアを占領していたことなどをまとめました。
18世紀に東インド会社ができた際の移民政策により、
マレーシアは多民族国家となったことも調べました。
ネットの情報をいくつも読んで、細かな歴史の部分まで追求して調べていた姿がすてきでした。
②バジャウ族の生活
水上民族である「バジャウ族」。
バジャウ族は無国籍であるため、国との関係性が難しいこと、
それでもバジャウ族の人たちはおおらかで明るい性質であることなどがわかりました。
バジャウ族については情報源がとても少なく、多角的に調べるのが難しかったですが、
たまたまバジャウ族の村で2か月生活していた経験のある卒業生から話を聞くことができて、
生の情報に触れることができました。
研修旅行では水上集落を訪問する予定なので、実際に見ることができるのが楽しみです。
③マレーシアのカレンダーと祝日
Hati Malaysia古川さんのお話の中で見た、とても変わったマレーシアのカレンダー。
実際に古川さんから実物カレンダーをいただくことができ、じっくりとカレンダーを観察してわかったことを発表してくれました。
マレーシアは日本の3倍もの祝日があること、13州の王様の誕生日も祝日であること、多民族の祝日が合わさっていることなどがわかりました。
日本のカレンダーとの違いを「他の宗教の人をお互いに認め合っているからではないか」と考察していました。
④「民族衣装」
マレーシアには大きく3つの民族衣装があること(マレー系、インド系、中国系)や、
それぞれの衣装の特徴などをまとめました。
また、日常のどんな場面で民族衣装を着ているかも調べ、
マレー系はラマダン明けのお祝い時に、
系は主に学校の先生が来ていること、
中国系はマレーシア航空の制服に採用されていたことなどをまとめました。
パジャマがヒンディー語の「パージャーマー(ゆったりしたズボン)」が由来であることを教えてくれました。
⑤「イスラム教とマレーシアの多宗教共生」
マレーシアにはイスラム教、仏教、キリスト教、ヒンドゥ教がありますが、
その中で信仰している人口が最も多く戒律の厳しいイスラム教を調べました。
実際に神戸のムスリムモスクに足を運び、とても詳しく情報を得ることができました。
とても細かくて厳しい戒律があるため、「イスラム教と他の宗教は共生できるのか?」という疑問が生まれましたが、
Hati Malaysiaの古川さんに質問して、
「お互いに他宗教に配慮しながらすごしているので、宗教対立もあまり聞かない」
と教えていただきました。
「しっかり境界線が引けている。マレーシアで育っていたら差別意識などもなさそう」とまとめていましたね。
自分たちのあり方にも通じる、とても深い学びとなりました。
⑥「マレー民族」
マレーシアにもともといた原マレー人と、後から来た後マレー人の違いを調べました。
そこにはDNAの違いがあることや、後マレー人が稲作や造船などの技術を伝えたことなどをまとめました。
民族(血筋)が違っていても、同じアイデンティティを持つことは可能ではないかと考察していました。
彼は台湾からの留学生なのですが、翻訳アプリを使って日本語に訳し、発表も日本語でやりきりました。
⑦「伝統工芸品」
マレーシアの先住民が作っている伝統工芸品について、かごやビーズ模様、刺繍について調べました。
オンラインショップのボルネオ手工芸品店を見つけ、自分で連絡を取り、zoomでインタビューをしたことについて発表しました。
マレーシアの先住民はドゥスン族、ルングス族など約40種、細かく分けると200以上にもなるそうです。
それぞれの民族によって、植物や生き物、人などの特徴的な伝統的なモチーフが存在しているそうです。
先住民の人たちは農業をする傍ら民芸品を制作していて、それにはとても時間がかかることや、民族によって伝統的なモチーフや形があることをまとめました。
(伝統工芸品の発表は別の日に行われましたが、ここでは1日目の報告としてまとめさせていただきました)
発表2日目につづく。
(A.M)